30年にわたった新旧シリーズが、ついに完結『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』【映画コラム】

2022年7月29日 / 07:00

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(7月29日公開)

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 マイケル・クライトン原作、スティーブン・スピルバーグ監督の『ジュラシック・パーク』(93)から約30年。6作続いた新旧シリーズが、ついに完結を迎えた。

 ジュラシック・ワールドがあった、イスラ・ヌブラル島が噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれから4年。人類はいまだに恐竜との共存の道を見いだせずにいた。

 シリーズ完結編らしく、新旧シリーズの登場人物=アラン・グラント(サム・ニール)、エリー・サトラー(ローラ・ダーン)、イアン・マルコム(ジェフ・ゴールドブラム)、ヘンリー・ウー(B・D・ウォン)と、オーウェン・グレイディ(クリス・プラット)、クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)、メイジー・ロックウッド(イザベラ・サーモン)らが、一堂に会して事態の収拾に当たる。

 おなじみのヴェロキラプトルやT-レックスのほか、羽毛恐竜などの新種も多数登場する。

 監督は、前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(18)のJ・A・バヨナに代わって、新シリーズの第一作『ジュラシック・ワールド』(15)のコリン・トレボロウが復帰した。

 今回も、前作からの、人類と恐竜との共生というテーマを推し進めてはいるが、完結編にしてははっきりとした結論が出されておらず、中途半端に終わった感じがしたのが残念だった。 

 また、今回、事態を悪化させる、いわゆる敵役は、キャンベル・スコット演じる遺伝学者のルイス・ドジスンなる人物だったが、この男が冴えない、というか行動や言動に支離滅裂なところがあるので、主要人物たちとの対立劇としては必然的に弱くなった。これもまた、いま一つ盛り上がりに欠けた要因の一つだろう。

(田中雄二)


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