【コラム ―フレームの中で躍動する女優たち―】第5回:「内田理央&小宮有紗 東映ヒーローアクションを卒業したヒロインたち」

2015年11月17日 / 19:12
『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』(12月12日公開)の内田理央 「ゴースト& ドライブ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』(12月12日公開)の内田理央 「ゴースト& ドライブ」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

 先日、日本テレビ系で放送中の「掟上今日子の備忘録」(毎週土曜日午後9時)を見ていたところ、不意に飛び出したアクションに思わず目を奪われた。

 同作は、新垣結衣演じる探偵・掟上今日子が難事件を解決していくミステリードラマである。その日の第5話は、死亡した人気推理作家の別荘に隠された遺稿を捜索するというストーリーで、くだりのアクションが飛び出したのは、今日子が作家の死をテレビ報道で知る場面。放り投げられたリモコンを居合わせた女性・幕間まくるが蹴り飛ばした結果、通りかかった猫が触れてスイッチオン…。

 ここで華麗なキックを繰り出した幕間まくるを演じているのが、9月までテレビ朝日系で放送されていた「仮面ライダードライブ」でヒロインを演じた内田理央だった。

  内田の所属事務所の公式プロフィールには「趣味:漫画、アニメ、ゲーム」、「特技:イラストを描くこと、のり巻きをきれいに巻けること」とあり、アクションのイメージは薄い。

 そんな彼女が「掟上今日子の備忘録」で「かわいらしい女の子に見えるが、実は武術が得意で腕っ節は誰よりも強い(作品公式サイトより)」幕間まくるという人物を演じることになった裏には、「仮面ライダードライブ」での活躍があることは想像に難くない。

 男性が主人公となる仮面ライダーでは、基本的に女優のアクション場面は多くないが、内田が演じた詩島霧子は、仮面ライダードライブに変身する刑事・泊進ノ介のパートナーで、共に戦う警察官という役柄。第16話ではライダーキックならぬ“霧子キック”を披露するなど、少ないながらも印象に残るアクションで注目を集めた。

 「掟上今日子の備忘録」で披露した見事なキックは、その延長線上にあると言ってもいいだろう。来年は、襲い掛かる敵をチェーンソーでなぎ払うスケバンを演じた主演映画『血まみれスケバンチェーンソー』の公開も決まっている。

 一方、同じ東映の看板作品である戦隊シリーズで活躍し、その後もアクション作品でキャリアを積み重ねているのが、2012~13年に放送された「特命戦隊ゴーバスターズ」(テレビ朝日系)に出演した小宮有紗だ。

 主人公のヒーロー、ゴーバスターズの1人、イエローバスターこと宇佐見ヨーコを演じた小宮は、小学校からクラシックバレエで鍛えた柔軟な体を生かしてアクションに挑戦。変身後のスーツアクターの活躍が中心となるシリーズながら、変身前の顔出しの状態で全編にわたって悪役とのバトルを繰り広げた。

 「ゴーバスターズ」終了後も、「白魔女学園」(13)、『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』(15)、『KIRI-「職業・殺し屋。」外伝-』(15)といったアクション作品での活躍が続いている。

 一口にアクションといっても、その習熟度には個人差がある。だが、いずれにしてもその経験が女優としての未来を切り開く可能性は大きい。ここに挙げたタイプの異なる2人はその好例と言えるだろう。

 1970年代から長きに渡って日本のアクションの伝統を継承してきた東映の2大シリーズは、現在も最新作「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(毎週日曜日午前7時半)、「仮面ライダーゴースト」(毎週日曜日午前8時)が放送中。それぞれ矢野優花、山谷花純、大沢ひかるといった若手女優が出演している。

 まだまだ未知数の実力を秘めた彼女たちが、この経験を糧にしてどのように成長していくのか。そんなことを想像しながら見るのも、また楽しい。

 (ライター:井上健一):映画を中心に、雑誌やムック、WEBなどでインタビュー、解説記事などを執筆。共著『現代映画用語事典』(キネマ旬報社)


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