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桂歌丸、自身の“終い方”「考える時期にきている」 「自慢じゃないけど財産はありませんから」

取材会に出席した桂歌丸

 NHKスペシャル「人生の“終い方”~あなたが最期にしたいことは~」(仮)の取材会が22日、神奈川県横浜市で行われ、番組の進行役を務める桂歌丸が出席した。

 今、自分らしい最期とは何か、“終活”とも呼ばれかつてないほどに関心が高まっている。番組では、人それぞれに生き方があるように、それぞれに人生の終い方(しまいかた)があると捉え、一人一人の終い方に密着する。

 もともとは歌丸自身に密着したドキュメンタリー企画が持ち上がっていたが、途中で番組の進行役が伝えられ「えらいことになったと思った。でも今になって考えてみると、必ず終わりはあるものですから。自分自身でも考えなくてはいけないことですので、やっていて自分で気が付いた。いい番組に出していただいたと思っています」と語った。

 番組を通して考えた自身の終い方については「自慢じゃないけど財産はありませんからね。うちには先祖が残してくれたお墓だけ。ほかの財産は何もないのであえて家族に何か言うこともない」としながらも「ただお礼は言わなければいけないと思う。かみさんの方が先に逝っていれば話は別ですが、多分こっちが先でしょう。正直に言って私は先に逝きたいと思っています」と語った。

 最近、入退院を繰り返している歌丸はこの日も「ちょっと医者に通っていて」と耳の不調を明かした。体調がすぐれない中でも落語に命を懸ける理由を問われると「引き受けている以上、やっぱり責任があると思う。例えば『笑点』も、普通なら入院した時点でほかの方に頼んでしまうと思うのですが、あの番組はそういうことはしなかった」と持論を展開した。

 歌丸の休養中、メンバーが交代で司会を務めたことについても「私が帰ってくるのを待っていてくれた。この恩は返さなくちゃいけないと思う。前に比べると苦しいこともありますが、自分に課せられた役目は果たしていかないと。そろそろ考える時期に来ているんじゃないかというような気はします。考えは決まっていませんが」と語った。

 また、熊本地震の被災者に対する落語芸術協会の会長としてのチャリティー活動についてはすでに協会と話し合ったとし、毎年9月開催の「芸協らくごまつり」での募金活動などが決まったという。「東北の時もそうでしたが、皆落ち着いたら何人かで慰問にも。今何かやったって大変でしょう。私たちが片付けたりもできません。そのほかのこともいろいろとやっていこうと話はついています」と冷静な支援活動を約束した。

 番組は5月中旬以降オンエア予定。

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