多部未華子サロメ役に「プレッシャー」 宮本亜門、震災への思いを語る

2012年3月12日 / 16:34

 舞台「サロメ」に出演する(左から)成河、奥田瑛二、多部未華子、麻実れい (c)KYODONEWS

 舞台「サロメ」の制作発表が12日、東京都内で行われ、主役の多部未華子をはじめ出演者の麻実れい、成河、奥田瑛二と演出家の宮本亜門氏らが登壇した。

 今公演は、翻訳を平野啓一郎氏が担当。今までの“妖艶なサロメ”とは違う、純粋無垢(むく)であるがゆえの残酷さを持つサロメ像が描かれる。

 2度目の舞台となる多部は、「いろんな世界で知られている『サロメ』という作品。いろんな役者さんが演じられてきた役なので、プレッシャーであり、重いものを背負っている気持ちです。自信のある言葉を述べたいのですが、ネガティブな言葉しか出てこない…」と不安を隠せない様子。

 役柄については、「メディアの人たちが思っている私の印象と、あまりにも違っていて、私で大丈夫かな?と思いました」と苦笑した。

 だが、宮本さんは「僕は、(原作者の)オスカーが描きたかったのは、多部さんが持っているものだと思います。かわいさと純真さ、それから奥に何か持っている芯の強さだと思っています」と多部のキャスティングに自信をのぞかせた。

 また、東日本大震災から1年を迎えた今の思いを聞かれた宮本さんは、「すごい時代に生きているな、と感じています。自分が生きているのは何かできるからじゃないか、と考え続け、一瞬を逃さず生きていこうとあらためて思っています」と話した。

 多部も、「今、生きているこの瞬間に対して、何ができるかというのを日々考えている」と答えた。奥田は、「今年に入って5回ぐらい被災地に行き、映画を作るためにフィルムを回してます。深く、いろんな思いが浮かび、答えが出ない問題が出てきて、今までにない経験をしています」と語った。

 舞台は5月31日~6月17日、東京・新国立劇場で公演。


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