デフトーンズ、カタログの爆発的な成長に続いて楽曲権利の大半をワーナー・ミュージック・グループに売却か

2026年2月5日 / 13:30

 情報筋によると、デフトーンズはバンドが保有する楽曲の権利の大半をワーナー・ミュージック・グループ(WMG)に売却した模様だ。取引条件や時期は明らかにされていないが、カタログが売りに出された際、バンド側は純利益の10倍台半ばから後半の倍率を求めていたという。

 この「倍率」とは、レーベルおよび音楽出版社の純利益(粗利益)を何倍すれば評価額になるかを示す指標だ。通常、出版契約は原盤印税よりも高い倍率で取引されるが、近年その差は縮まっている。現在、音楽資産は(カタログの歴史的価値や権利内容にもよるが)一般的に12倍から18倍の範囲で取引されている。ただし、スーパースターや大物ソングライターの場合は、20倍を超える倍率がつくこともある。

 関係者によると、今回売却された権利には、バンドの原盤印税、共同出版権の持分、そして作家印税が含まれる。WMGは既にバンドの原盤権を保有しており、共同出版者はワーナー・チャペルである。さらに、権利を売却したのはメンバー4人のみであり、残る1人は出版権の持分を保持し、原盤印税の受け取りも継続すると示唆されている。

 取引は最大で2年前に行われた可能性がある。一部の購入検討者が、デフトーンズの代理人から最初に音楽資産の売却を打診されたのがその時期だからだ。売却時期の特定は評価額の算出に大きく影響する。というのも、過去3年間で同カタログの売上とストリーミング再生数が爆発的に増加しているからだ。

 とはいえ、バンドの売上とストリーミング数は6年前から増加傾向にあった。成長が加速する前の2017年から2019年の期間、デフトーンズのカタログは年間平均16.6万ユニット(アルバム・セールス4.1万枚、全米オンデマンド・ストリーミング再生1.62億回を含む)を記録していた。ストリーミング市場の成長と共に、バンドの収益も増加していった。

 2020年から2022年の期間、カタログの年間平均消費は41.6万ユニット(アルバム・セールス14.9万枚、全米オンデマンド再生3.78億回)に跳ね上がった。特に2022年はブレイクの年となり、前年の34.5万ユニットから82.6%増の63万ユニットを記録した。

 直近の3年間である2023年から2025年にかけて、米国での成長はさらに加速し、年間平均ユニットは132.2万に達した。これは前3年間の平均41.6万の3倍にあたる。その内訳は、アルバム実売が年平均39.1万枚、ストリーミングが年平均13億回へと成長した。米国を含む全世界でのストリーミング数も爆発的に増加し、2020~2022年の年平均6.34億回に対し、直近では年平均21.7億回を記録。中でも2025年は驚異的な年で、全米で186.3万ユニット、全世界ストリーミング再生数は約26.9億回に達した。

 何がこの爆発的成長を牽引しているのか? デフトーンズは2020年代に入ってから『オームズ』(2020年)と昨年の『プライベート・ミュージック』という2枚のアルバムをリリースしているが、これらが売上やストリーミングの大半を占めているわけではない。『プライベート・ミュージック』は昨年全米で24.9万ユニット、『オームズ』は約3.7万ユニット(ルミネイトによる累計は29.4万ユニット)を記録したに過ぎない。

 むしろ、最大の数字を叩き出しているのは2016年以前にリリースされたアルバム群だ。昨年の実績例は以下の通りである。

・『アラウンド・ザ・ファー』(1997年):38.2万ユニット
・『ホワイト・ポニー』(2000年):30.1万ユニット
・『ダイヤモンド・アイズ』(2010年):24万ユニット
・『恋の予感』(2012年):17.5万ユニット

 小売業者やレーベル、流通幹部によれば、この成長は複数の要因によるものだ。ニューブリー・コミックスのヘッドバイヤー、カール・メロ氏は、デフトーンズだけでなく「ヘヴィ・ミュージック全体」が新たな人気を博していると語る。さらに彼は、このリバイバルは新しい世代が古いヘヴィ・ミュージックを発見しているためとし、その急増の大きな要因としてTikTokを挙げている。

 ある流通幹部もこれに同意し、「若いロックファンが、主に今世紀(2000年代以降)の古いロックに夢中になるという、文化的モーメントのような状況だ。この時代のヘヴィ・ミュージックやバンドが、若者にとっての“新しいクラシック・ロック”になりつつある」と述べる。一方、レーベル幹部は「エモ・キッズたちが過去を振り返り、デフトーンズのようなバンドを発見しているのだ」と付け加えた。

 TikTok以外にも、2022年と2025年の精力的なツアーや、その他の年でのフェスティバル出演も寄与している。小売業者によると、ワーナーはデフトーンズのアナログ盤やCDを実店舗に積極的に入荷させているという。実際、ルミネイトによれば、2017年のフィジカル・アルバム売上が3.1万枚だったのに対し、2025年には合計58.3万枚に達した。別の情報筋は、ワーナーがソーシャル・メディアでのマーケティングを徹底して行っていると指摘し、昨年の『プライベート・ミュージック』のTwitchプロモーションもストリーミング数を押し上げたと示唆している。

 取引の評価額に関する確実な情報が得られなかったため、米ビルボードは2つの異なる期間に基づき独自の評価モデルを作成した。前述の通り、過去3年間におけるデフトーンズの楽曲の成長は著しく、取引が行われた時期が2年前か最近かによって、カタログの評価額に大きな影響を与えるからだ。

 もし取引が2年前に行われたとすれば、資産のバイヤーは2020~2022年のカタログ実績に注目した可能性が高い。この期間、全米での年間平均ユニットは41.6万、世界ストリーミングは平均6.34億回だったため、米ビルボードはデフトーンズのカタログが600万ドルの収益を生み出し、出版権収入は約200万ドルだったと推定している。

 米ビルボードの推算では、バンドが原盤印税の25%を受け取ると仮定した場合、その額は150万ドルとなる。これをメンバー間で等分すれば、売却した4人のメンバーの取り分は計120万ドルとなる。一方、推定される年間200万ドルの出版印税については、共同出版契約でバンドの取り分が70%と仮定すると140万ドルになる。これを全メンバー5人で等分すれば、売却した4人の純出版権益は約112万ドルとなる。

 アメリカにおいて通常の出版契約では、印税は作家と出版社/権利所有者で50%ずつ分配されるが、共同出版契約の場合は、ソングライターに支払われるアドバンスの額に応じて、作家/共同出版者が60%~75%、共同出版者が40%~25%という配分になることが多い。

 原盤印税と出版印税を合計すると、純レーベル/純出版者の価値は232万ドルとなる。もしこの売却で高い倍率、例えば18倍が適用されたとすれば、評価額は4,180万ドルとなる。

 次に、売却が最近行われたと仮定し、2020~2022年と同じ比率を用いて、カタログが年間平均132.2万ユニットを記録した2023~2025年の実績を見てみよう。

 この実績に基づくと、米ビルボードはこの期間のカタログ収益を年間約1,800万ドルと推定する。印税率25%の場合、年間約360万ドルが売却した4人のメンバー(5等分と仮定)の取り分となる。

 さらに、デフトーンズの原盤は約580万ドルの年間出版印税を生み出したと推定される。共同出版契約でバンドの取り分が70%なら400万ドルとなり、売却した4人の純出版権益は約325万ドルとなる。

 米ビルボードの推定による原盤および出版印税の合計は、純利益ベースで685万ドルとなる。バンド側は高い倍率(2年前なら実現できたかもしれない)を望んだかもしれないが、最近売却されたのであれば、低い2桁台の倍率になった可能性が高いと米ビルボードは推測する。

 なぜか? 音楽資産のバイヤーは、カタログが激しいヒット活動の最中にある場合、権利購入に慎重になるからだ。安定した収入を生む古いカタログを買うのに比べ、その減衰がいつ底を打ち、安定収入へと移行するかを予測するのは難しい。デフトーンズのカタログは、現在の新曲の大ヒットが成長を牽引しているわけではないが、過去の曲やアルバムによる急激な活性化はまだ一般的とは言えず、資産トレーダーがヒット曲のように減衰曲線を確実に予測できる段階にはない。

 収入源の不確実性を考慮し、米ビルボードは、もし最近の取引であれば11倍程度の倍率が適用され、評価額は約7,500万ドルになると推測している。

 しかし、売却交渉に詳しい関係者は、米ビルボードによる「数字の推定は間違っている」と述べている。一方、ワーナー・ミュージック・グループおよびデフトーンズのマネジメント会社であるヴェルヴェット・ハマーは、数字についてのコメントや、そもそも取引が行われたかどうかの確認を避けた。


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