<インタビュー>Truenoの止まらない進化、【グラミー賞】初ノミネートからゴリラズとのコラボまで

2025年11月24日 / 18:00

 アルゼンチン・ブエノスアイレス発のラッパー、Trueno。音楽一家に生まれ、ストリート・バトル出身ながらも進化を止めることなく、今やラテン圏のラップ・シーンを代表する若手へと急成長。2025年、最新作『EUB DELUXE』に収録された「FRESH」は、【ラテン・グラミー賞】で<最優秀ラップ・ソング>に輝き、同アルバムで自身初の【グラミー賞】ノミネートという快挙も達成し、グローバルで存在感を示している。11月18日には、40人編成のオーケストラとともに自身の楽曲を再構築した『Red Bull Symphonic』をリリースし、さらにはゴリラズの新作『ザ・マウンテン』やツアー参加も控える彼に、いま何を思い、どこへ向かうのかを聞いた。

――最新アルバム『EUB DELUXE』での【グラミー賞】初ノミネートおめでとうございます。

ありがとう。正直、本当に嬉しいです。アルゼンチン出身のアーティストとして、そしてヒップホップやラップ、今やっているスタイルでこうして評価されることは、自分にとってすごく大きい出来事です。威厳ある賞に認められたことに、誇り以外の言葉が出てこないですね。本当に光栄です。

――収録曲「344」ではDJプレミアとタッグを組んでいますね。

はい、信じられないくらい嬉しいことでした。DJプレミアはニューヨークのヒップホップ、つまりこのカルチャーの原点であり、アイコンのひとりです。そんなレジェンドが、アルゼンチン出身の自分に声をかけてくれて、一緒に作品を作れたことは本当に夢みたいでした。心から感謝しています。

――彼とはどのようにつながったんですか?

最初のきっかけは電話です。マネージャーのおかげで実際に連絡を取ることができました。話していた時、彼が、僕の父(MC Peligro)の声をスクラッチで使いたいと言ってきたんです。あれは衝撃でした。まさか自分の父を知ってくれているなんて思っていなかったので。父の存在や自分のこれまでの活動までリサーチした上で提案してくれていた。それがすごく嬉しかったし、強いリスペクトを感じました。

――やはり、リリック面で最も影響を受けたのはお父さんですか?

父の影響はとても大きいです。社会や現実を鋭く描くタイプで、強いメッセージを音に乗せていました。でも他にも影響を受けたラッパーはいます。スペインのKase.OやプエルトリコのVico C。彼らは自分のルーツや言語を大切にしながらリアルな音楽を届けていた。その姿勢は、自分のベースにもなっています。

――『EUB DELUXE』の中で、特に気に入っている楽曲は?

ひとつ選ぶのは難しいですが……やっぱり「FRESH」ですね。【ラテン・グラミー賞】で<最優秀ラップ・ソング>にノミネートされた曲です(※インタビューは授賞式前日に実施。当日受賞)。メロディが少ないし、歌うパートもそれほどない。でも自分のルーツである“生のラップ”なんです。だからこそ、この曲が評価されたことがめちゃくちゃ嬉しいです。

――今作ではプロデュースにも初挑戦したそうですね。

はい。2曲プロデュースしました。これまではアイデアを言葉で伝えるだけだったんですが、今回は実際にソフトを触りながら音を組み立てるところまで参加しました。「GRANDMASTER」と「VIOLENTO」は特に深く関わっています。「VIOLENTO」はライブ映えする曲で、ロックンロールの要素も入れています。新しい挑戦ができて、とてもワクワクしましたね。

――今後もプロデュースは続けていきますか?

もちろん。もっと学びたいし、キーボードも弾けるようになりたい。これからは言葉だけじゃなく、音でも自分を表現できるようになりたいと思っています。

――来年3月リリースのゴリラズのニュー・アルバム『ザ・マウンテン』にも参加していますよね。

これも信じられない経験でした。世界で最も象徴的なバンドのひとつだし、デーモン・アルバーンはここ数十年で最も影響力のあるアーティストのひとりです。新作『ザ・マウンテン』の「The Manifesto」に参加できたこと、そしてそこには故プルーフの声まで入っている。人生と死をポジティブに描く、とても美しいテーマの曲なんです。参加できたことに心から感謝しています。

――そして、ゴリラズの来年のツアーに帯同することも発表されています。

そうなんです。もう信じられない気持ちです。行ったことのない国でもパフォーマンスできるし、アイルランドやイギリスでライブできるなんて、本当に楽しみです。あのステージに立てるなんて、昔の自分なら絶対想像していなかったと思います。

――今、アルゼンチンの音楽が世界から注目されていることについてどう感じていますか?

本当に誇りに思っています。自分の世代も、その次の世代も、それぞれのやり方でアルゼンチンを代表している。海外でアルゼンチンの旗を見るたびに胸が熱くなるし、自分もその一部になれていることがとても嬉しいです。

――最後に、ブエノス・アイレスは昼と夜どちらが好きですか?

夜ですね。ブエノス・アイレスの夜は本当に美しい。ラスベガスやニューヨークに近い雰囲気があって、光とか文化とか、人の熱量が街に溢れてるんです。昼も好きですが、夜には特別な空気があります。

◎リリース情報
アルバム『Red Bull Symphonic』
配信中
https://trueno.lnk.to/redbullsymphonic


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