<ライブレポート>SUPER★DRAGON、10年の蓄積をBLUEと分かち合ったツアーファイナル「9人とBLUEと武道館も東京ドームも、その先も一緒に行きたい」

2025年9月30日 / 22:00

 SUPER★DRAGONが結成10周年記念日となる9月27日、神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールでmajor 1st album『SUPER X』を引っ提げた全国ツアー【SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2025「SUPER X」】ファイナルを迎えた。涙と共に10年を支えてくれたファンに感謝を伝えた後、彼らが10年で経験したリアルを包み隠さず全員で歌詞に書き綴った新曲「笑い話」をサプライズで初披露した。

 『SUPER X』のテーマは、ダークヒーロー。セットリストは『SUPER X』の楽曲を中心に構成され、ライブ全編がダークヒーローの世界観に満たされていた。

 オープニングムービーは、マーベル映画のように壮大。そんな世界観の中、アルバムのリード曲「Dark Heroes」がスタート。ステージの前には紗幕が降り、メンバーたちの姿ははっきり見えない。紗幕に彼らのシルエットが浮かぶなど、映画のような演出が効いていた。アルバムのインタールードとして収録されている「CAPTER」が、ライブでも上手く転換として機能している。

 その紗幕に更なる映像が投影され映像が炎で包まれると、紗幕が降りて「Welcome to my hell」に突入。高低差のあるセットを上手く使い、9人がステージを移動する。赤いレーザーを手に光りを上手く使ったダンスもスタイリッシュだ。

 ステージ上にビリヤード台が置かれた「Dreamland」からは、先ほどまでのダークな世界観からどんどんポップな世界へ。爽やかな「NPC」では田中洸希がキュートなボルハートでエンディング妖精を務めた。「Popstar」で客電が灯り会場が明るくなると、メンバーたちが1階フロアに降臨。ファンの近くを練り歩きながら歌ったかと思えば、ステージに戻るとメロウなダンスチューン「Hallucination of Love」で再び会場の空気を変えた。

 中盤のインタールードには、ダンスパフォーマンスを持ってきた。ソロ、ペア、ユニット、全員とさまざまにスタイルを変えたダンスに観客も引き込まれる。

 後に続いたのは、ユニットでのパフォーマンス。まず年長組(志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯)の“FIRE DRAGON”は、R&B曲「Good Times & Tan Lines」で椅子を使ったセクシーなダンスでファンを魅了。シャツをまくって腹筋を見せて歓声を集めた。年少組(伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽)の“THUNDER DRAGON”は、「Athena」のゆったりとしたR&Bのリズムに乗って、ボーカルとダンスを堪能させてくれた。

 全員が揃った「My Playlist」は、楽しいムードで。「Pioneer(Keep It Real)」からはバチバチのフォーメーションダンスで9人のステージを輝かせた。

 ロングコートに衣装を変えた「DOG」からのラストスパートは、ロックテイストの曲を並べてやんちゃなスパドラを披露。ミクスチャーユニットとしての独自の進化を感じさせてくれた。
 
 アンコールは、メンバーたちが1階だけでなく、2階、3階の客席からも登場。ステージに戻ると「ホールツアー完走、10周年おめでとう!」というケーキがサプライズで登場して、メンバーたちを喜ばせた。そのサプライズにお返しとばかりに、SUPER★DRAGONから12月3日のmajor 4th single『Concealer』リリースとリリースイベント開催が発表された。

 この日はめでたい結成10周年記念日とあり、メンバー各人からは下記のような感謝の言葉が――。

・ジャン海渡
思えば相当長いこの10年を、最高な8人と一緒に過ごしてきました。相変わらず今も8人と会うのが楽しいし、BLUE(SUPER★DRAGONファンの呼称)の皆さんに応援してもらって、ステージで僕らが作った音楽を見せられるのは、最高の瞬間。これから11年12年と、僕らの変わらない姿、SUPER★DRAGONのいいところをもっと見せたい。これからも皆さんに大きな背中を見せて、もっと大きなステージで皆さんにコールアンドレスポンスやコールをさせてあげたいとめっちゃ思いますので、皆さん、これからもよろしくお願いします。

・松村和哉
10年間ありがとうございます。結成した時11歳で、受験など人生の分岐点をずっとここで過ごしてきました。進学しようかと思ったこともあったし、ずっと一緒にやってきたスタッフが異動になったときは、「やっていけるかな?」と思った。超大事な家族がいなくなった時もステージに立っていたし、いろいろな瞬間がSUPER★DRAGONと一緒だったから、SUPER★DRAGONと成長できたなと本当に思っています。みんなで泣いた日もめちゃめちゃあったし、「こいつぶっ倒してやりたい」と思ったこともあったけれど、この景色を見て、今は全部正解だったと思っています。これからもよろしくお願いします。ありがとうございます。

・柴崎楽
今日来てくれた皆の皆さん、配信を見ている皆さん、見てないけれど今頑張ってる皆さん、10周年本当にありがとうございます。僕と和哉は、人生の半分をSUPER★DRAGONと過ごしています。最初の頃は何もわからず年上についていったけれど、ここ数年は自分たちでやりたいことを見つけて、自分たちの表現、SUPER★DRAGONにできることを見つけて、それぞれが輝いています。10年の歴史がステージや楽曲、僕だったらグッズ制作など、自分たちの作るいろいろな部分に出ていると思うと、すごく嬉しいですね。青い景色を見せてほしいんですけれど……。(ファンが青いペンライトを掲げる)本当に好きなんですよね。「Persona」(2023年)のときにこの会場で見た景色が忘れられなくて、また見ることができてとても嬉しいです。でも僕はまだ満足していないので、この先、この9人とみんなと一緒にもっと大きなステージ、青い大きな景色を目指していけたらいいなと思います。本当に10年間ありがとうございます! これからもよろしくお願いします。

・志村玲於
10周年ありがとうございます。最年長の僕は、みんなよりもちょっと早く選択を迫られることがあったのですが、この9人だからこそこうやって選択し続けられて、10年目が迎えられたと思います。みんなが「年上に付いてきた」と言ってくれますが、全然そんなことなくて、僕が成長させてもらっています。時にはケツをひっぱたいて「ここは行かなきゃ」「こういうことしなきゃ」と、下から成長を促してもらってきました。この10年いろいろあったし、思うこともあったし、メンバーのために本当に怒ったこともあった。でもこの9人で乗り越えてきて、乗り越えた先にBLUEのみんながいて、僕らのことを受け入れてくれた。こうしてやり続けられた結果、誰も辞めずにここに立てているのだと思います。これから先、変わることもあるし、変わらないこともある。でも唯一根底にあるものは絶対に変わらないと思うので、この先もみんなと一緒に楽しく笑って過ごせたら嬉しいです。今日は本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

・池田彪馬
まずはお越しいただき、配信をご覧いただき、そしてどこかからパワーを送ってくださっている皆さん、今日という日を一緒に迎えてくださってありがとうございます。ここで何を言うかすごく考えましたが、常々言っていることが1つ浮かんで。10年前僕は12歳、小学6年生でした。当時のTHUNDER DRAGONは、中学生、高校生。人生これから何しようか考える時期に、小学生といきなりグループを組んでくれと言われても、僕だったらスムーズに受け入れられたかわからない。だから今ここにいられるのもそうだし、当時からすごくいい関係性で、家族、兄弟として一緒に活動させてくれている8人にまず感謝したいと思っています。ありがとう。「10年やってきて1人も欠けてないってすごいですね」と言われるけれど、そこだけをフォーカスされるとむしゃくしゃするし、いろいろ思うこともある。でもこうして、青いペンライトに照らされた時に、今自分たちがこうしていられるのは、SUPER★DRAGON が好きだしBLUEやSUPER★DRAGON にかかわってくれるみんなが大好きだからだと改めて思いました。だから僕たちは、楽しいこともやりたいこともできる。皆さんがいないと何もできないんだなと思うので、これからも僕らの物語に登場し続けてください。よろしくお願いします。ありがとうございました。

・飯島颯
今日お越しの皆さん、配信を見てくださっている皆さん、そしてスパドラに出会ってくれた全ての皆さん、本当にありがとうございました。この10年間スパドラとして過ごした1つ1つの出会いが自分の中で宝物だとすごく感じています。この8人との出会いが、10年経って奇跡だったんだと感じる場面が多いですし、8人と一緒にいると自然と安心できるというか。もちろん今まで楽しいことばかりではなくて、悲しいこともありました…。(涙ぐみ)心が不安になる時もSUPER★DRAGON のライブがあると、本当に自分の心がホッと安心するんです。それが僕が活動できている理由だと思うし、1つ1つの出会い、これから出会う人も大切にしていきたいと思います。「これで合っているのか」と迷うこともありましたが、結果的にこうやって10周年をみんなと祝えているこの事実が、1つの正解。またこの先もいろいろなことあると思いますが、9人で乗り越えていけたらと思いますので、皆さん是非一緒に歩んでいただけると嬉しいです。ありがとうございました。

・田中洸希
お越しいただいた皆様、配信を見ている皆様、応援してくださっている皆様、今日はありがとうございました。何を言おうか考えたけれどまとまらないので、とりあえず思ったことを言いたいと思います。僕は中学校1年生でSUPER★DRAGON になりました。芸能界にいながらも、学業をちゃんとしたい気持ちがあったんです。だから中学校に入った瞬間に、「SUPER★DRAGON結成します」と言われた時は、正直、「おっと」となったんです。でもずっと自分たちの音楽をやるのが夢だったし、自分の人生の挑戦として頑張って、気づいたら10年経っていました。この10年で逃げ出したいこともいっぱいあったし、メンバーに会いたくない時もあったし、感情がぐちゃぐちゃになる日もいっぱいあった。でも仕事で会った時に、みんなと喋ったり、スパドラについて話したり、バカなことしたりすると、「めちゃくちゃ好きなんだな、こいつらのこと」と思う。ずっとこの9人を守っていきたいと改めて思えた時がありました。目標は「武道館」と言っていますが、僕はそこで満足するかといったら満足しない。僕はスパドラの音楽もメンバー1人1人のスキルや個性が本当に大好きだから、スパドラの良さがもっといろいろな方に伝わったらいいな、スパドラのためになることは何だろうと考える日々を過ごしております。10周年は大きな節目だとは思いますが、「やったー!」というより、「これからだ」という気持ちの方が大きい。壁にぶつかることもあると思いますが、立ち向かって、この9人で、そしてBLUEの皆さんと大勢のスタッフさんと一緒にかけ上がっていきていきたい。みんなでこれからも幸せに、健康に、笑顔で。時に体調崩しちゃいますけど(笑)。よろしくお願いします。

・伊藤壮吾
【SUPER X】ツアーが全て終わりました。これまでの公演に来てくださった方、そして今見てくださっている方、ありがとうございました。10周年を無事に迎えることができました。長いですね、10年というのは。僕は22歳。こんなに長い間続けたことは、スパドラ以外ないし、実際に10年走り続けてみて本当に長い。いろいろなことがありました。しんどいこともあったし、メンバーを傷つけたこともたくさんありました。9人9通りの人生があって、様々な分岐点を通過する中で、全員がこれまで様々な場面でSUPER★DRAGONを選び続けて、今ここにあの日から変わらない9人いるのは本当に……(涙ぐんで)幸せなことだなと思います。今日から次の10年が始まっていくわけですから、これからも9人とBLUEと武道館も東京ドームも、そしてその先も一緒に行きたいと思っておりますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

・古川毅
いつも見守ってくれているBLUEの皆さん、本当にありがとうございます。小さい頃から僕は飽きっぽくて、自分が何をやりたいのかよくわからない男でした。そんな時にSUPER★DRAGONに出会って、1番向いてるのがSUPER★DRAGONだった。ここまで駆けてきて、本当に良かった。性格も好きなものもライフスタイルもてんでバラバラな9人ですが、そんな我々が10年を一緒に歩んで来れた事実だけで、僕の人生は最高。皆で乗り越えたこともいっぱいあるので、8人に「ありがとう」と言いたいし、それぞれが自分の中のネガティブと戦いながらここにいてくれて「ありがとう」と本当に思います。話し出したらきりがないくらい、最高の10年。これからもやりたいようにこの8人と大好きなSUPER★DRAGONをめっちゃくちゃにしていこうと思っているし、めっちゃくちゃにみんなのことを喜ばせていきたいので、よろしくお願いします!

 そして古川の「そんな10年の想いををみんなで曲にしたんで」という言葉で、新曲となるバラード「笑い話」をサプライズでファンにプレゼント。古川が歌い、その傍らで志村が踊るパートからスタートすると、次々にペアを変えて歌い継いでいく。最後のラップパートで松村が涙で声を詰まらせると、志村がそんな松村を抱きしめた。

 しんみりさせたかと思えば、最後は「Untouchable MAX」でブチ上げると、会場が明るくなっても止まない「アンコール」の声に、SUPER★DRAGON史上初となるWアンコールに応えて、「Younger Forevermore」でファンと一体となって歌い、ツアーの幕を閉じた。

 少年から青年への10年、多感な思春期を共に過ごしてきた彼ら。今では主体性をもって、自分たちの音楽を自分たちで作り上げるまでにアーティストとして成長した。結成10年でも末っ子組はまだ21歳。10年というキャリアを糧に、この先どんな成長を見せてくれるのかが楽しみだ。

Text by 坂本ゆかり
Photo by 高橋まりな、松下奈生也

◎公演情報
【SUPER★DRAGON LIVE TOUR 2025「SUPER X」】
2025年6月28日(土)東京・Kanadevia Hall
2025年6月29日(日)東京・Kanadevia Hall
2025年7月5日(土)兵庫・神戸国際会館 こくさいホール
2025年7月11日(金)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2025年8月2日(土)福岡・福岡国際会議場
2025年8月29日(金)北海道・Zepp Sapporo
2025年8月31日(日)宮城・仙台銀行ホールイズミティ21 大ホール
2025年9月6日(土)愛知・名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
2025年9月15日(月祝)大阪・NHK大阪ホール
2025年9月27日(土)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール

<セットリスト>
1.Dark Heroes
2.Welcome to my hell
3.Legend
4.Dreamland
5.NPC
6.PopStar
7.Hallucination of Love
8.Good Times & Tan Line (FIRE DRAGON)
9.Athena(THUNDER DRAGON)
10.My Playlist
11.Pioneer(Keep It Real)
12.Downforce
13.DOG
14.Mada’ Mada‘
15.Tap tap tap!
16.Omaejanai
17.New Rise ~Rock Arrange Ver,~
EN1.Sweets
EN2.Reach the sky
EN3.笑い話
EN4.Untouchable MAX
WEN1.Younger Forevermore


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