<ライブレポート>hitomi、30周年をファンと分かち合った愛溢れるアニバーサリー・ライブ「ここからがまたスタートだと思っています」

2025年8月30日 / 18:00

 hitomiが、【hitomi 30th Anniversary Acoustic Live 2025】を8月23日に東京・目黒Blues Alley Japanにて開催。祝福に駆けつけた大勢のファンと共に、30周年を凝縮した数々の曲たちで大いに盛り上がった。このレポートでは、昼・夜2部構成のステージから第2部の模様をお届けする。

 1994年11月21日にシングル「Let’s Play Winter」でデビュー、昨年から30周年に突入したhitomi。これまでのキャリアで届けて来た楽曲たちは、同世代の女性を中心に長年にわたり多くの支持を得ており、現在は結婚・出産を経て4児の母としての生活と並行してアーティスト活動を行っている。この日はステージと客席の距離が近い会場での貴重なアコースティック編成ライブということで、熱心なファンが集結。hitomiのイラストがあしらわれたデザインの記念グッズTシャツを身に纏い、開演まで食事を楽しみつつ会話に花を咲かせていた。

 開演時間を過ぎて暗転すると、SEに合わせて手拍子が起こり、バンドのメンバーに続いて客席中央を通りhitomiがステージに上がった。ゴージャスで鮮やかな深紅のドレス姿が、洒落た雰囲気の会場に良く映えて、登場しただけでグッと華やかなムードが広がる。客席に一礼して、アコースティックギターのアルペジオからゆっくりと歌い出した「君のとなり」でライブがスタート。ピアノとカホンの音が加わり、柔らかなサウンドが紡がれると、右手を広げて表現豊かに歌うhitomiに拍手が沸き起こる。2番に入るとより一層、力の籠った歌声が広がっていく。〈今すぐに笑ってあげましょう 今すぐに歌ってあげましょう〉と語り掛けるようなフレーズが、お客さんだけでなく30周年を迎えた自身へも向けられているように思えた。

 ピアノの旋律に導かれて、「探し続けてたもの」へ。時折スカートの裾を持ちヒラヒラとなびかせながら〈ずっと 共に生きて 共に笑って〉と歌うhitomi。その姿をじっと見つめながら、それぞれにとって思い入れがあるであろう歌に聴き入っている観客たち。柔和ながら少し漂う緊張感が、続く「by myself」の緩やかなリズムでほどけていく。こみ上げるメロディの熱量は、後半に転調してさらにエモーショナルな感情を乗せた歌となっていった。

 「みなさんこんばんは! 今日のこの日がやってきました。1部も感動しちゃったんですけど、胸が熱くなっております。私、30周年を迎えました!」との第一声に、祝福の拍手が送られると、「でも、30年やったという感じでもないんですよ。若い時みたいに“もっと、もっと”っていう感じではないけど、でもここからがまたスタートだと思っています。なので、みなさん一緒にスタートしていただけたら嬉しいです」と、ポジティブな言葉で呼び掛けた。

 ここまで歌った3曲についての紹介では、「君のとなり」は「 “大人になっても希望はあるぞ”っていう、小さい時の自分に宛てたメッセージみたいな感じ」。ライブであまりやったことがないという「探し続けてたもの」は、「子供を授かった時に、どのようにこの子と歩んでいけたらいいかなって想像しながら作った曲」。そして「by myself」は、デビューした当時に「歌手っていうのは勇気が必要で、尚且つ孤独だなっていうことを感じて書いた曲です」と、それぞれについての想いが明かされた。さらに「とにかく名曲揃いなので。今日もみなさんに、たくさんのhitomiの名曲を聴いていただけたらと思います!」と意気込んだ。

 アップテンポな「プラスティック タイムマシーン」でライブを再開。手拍子に乗った軽やかな歌声が心地良い。歌の合間に挟み込まれるノスタルジックなシンセの音色が、タイムマシーンによる時空の旅を連想させた。hitomiがサビで「カモン!」と煽ると、オーディエンスは一斉に〈癒せるだろう〉と歌ってレスポンス。「BUSY NOW」ではマイクスタンドで熱唱するhitomi。アコースティックギターが軽快にストロークしてからボトルネックを滑らせ、リズミカルなパーカッション、力強い鍵盤が、3ピースとは思えない迫力の演奏を聴かせる。「I am」ではそんなバンドの演奏のみならず、客席からの大きな手拍子もhitomiをバックアップして、エネルギッシュに歌い上げた。

 久々に披露したという「プラスティック タイムマシーン」、当時の忙しい日常を歌に込めた「BUSY NOW」と、曲を説明。TVアニメ『犬夜叉』のオープニング主題歌だった「I am」についての話では、忙しさのあまり自身はアニメをゆっくり観ることができず、後日カラオケに行った際に映像を観て曲とアニメが合っていることにホッとしたというエピソードが明かされた。

 「すごく大事な曲たちです」との紹介で、ミディアム曲のコーナーへ。少ない音数で丁寧に言葉を重ねた「innocence」の見事な歌唱に、曲が終わると大きな拍手が沸き起こる。「IS IT YOU?」では序盤にピアノの伴奏で観客に話しかけるように歌い、終盤ではhitomiとバンドのグルーブが生み出すドラマティックな展開に惹きつけられた。続く「キミにKISS」は低音が強調されたリズム主体の演奏に乗せたボーカルが、壮大なオリジナルアレンジに匹敵するサウンドスケープを描いた。

 MCでは、「メロディいっぱい降ったでしょ?(笑)。本当に素晴らしい曲たちばかりで、自分はありがたいなと思っております」とひと言。そして「innocence」について、「2001年の曲で、同時多発テロが起きた後にいただいた曲なんですけど、微力ながら平和を願いたいと思ってできた曲です。今も戦争があって胸が痛いですけど、いつかそういうことがなくなる日がきたらいいなと思うので、みなさん心の中に平和を灯してください」とメッセージを送った。「IS IT YOU?」については、「“この人なんだけどなぁ”って思ってるんだけどはっきりしない、もやもやしてるみたいな思い歌詞に込めました。なんか男性ってちょっとはっきりしないところがあるじゃない? 女子は「はっきりしてよ!」って思ったりするんですよ(笑)。そんな思いがあったりして作りました」と話して女性客からは笑い声が。

 「キミにKISS」については、この曲で何が言いたかったのか伝わっているか悩んでいた際にスタッフに「あの曲ってみんなどう感じてるのかな? って聞いたら、迷ってる自分を描いているところに、みんなが共感してくれてるんじゃない? って言われて。“あっ、そうか”って。合ってますか?」と客席に問いかけると、同意する拍手が返ってきた。

 そしてここで、11月3日「hitomiの日」に、30周年を記念した無料オンラインライブが行われることが告知された。「自分の音楽を振り返ると、結構良い曲がいっぱいあるんですよね。でもライブでやらない曲も多いので、これからは埋もれちゃってる曲を掘り起こして、ライブでやろうと思います。今回のライブだけじゃなくて、これからまたライブをやっていこうと思うので」と、今後の活動への意欲も見せた。

 「ここからガツンといきます! みんな準備はいいですか!?」と煽って、「GO MY WAY」へ。ガットギターとピアノ、パーカッションが奏でるラテンテイストの情熱的な演奏に乗って、客席を見渡しながら歌うhitomi。真っ赤なドレスのスカートをつまみ上げ、客席に背を向けて妖艶に魅了する。「最近どう? 調子いい? 最近、自信を失くしてる人に聴いてもらいたい曲があるんだけど、聴いてくれる?」と観客に問い掛けてから始まった曲は、「Japanese girl」。ステージから客席に身を乗り出して挑発的なパフォーマンスを見せるhitomiにクラップで応える観客たち。疾走するビートに煽られて興奮が高まると、ブレイクしてバンドメンバーを紹介。若森さちこ(Per.Cho)、畠中文子(Pf.Cho)、浜崎快声(Gt /バンドマスター)の順にソロプレイを聴かせてから曲を終わらせると、すかさず「SAMURAI DRIVE」が飛び出して、ドッと歓声が沸き上がる。マイクを向けるとコーラスと拳を突き上げて応える観客に向かって、「みんな最高だぜ!」と叫ぶhitomiも楽しそうだ。歌詞の〈メリーゴーランド〉に合わせてhitomiが腕をぐるぐる回すと観客たちはフリ合わせ。さらに両手を掲げて手を叩きながらステージと客席が大きなうねりを作ってひとつになった。

 いったんステージを降りると、グッズの白Tシャツで再びステージに上がり「GO TO THE TOP」でアンコールへ。先ほどまでの沸騰した熱気から一転、リラックスしたさわやかな曲調ながら、前向きな決意に満ちた1曲だ。「今日は本当に本当に本当に、ありがとう!真夏のピークのときに、来てくれてありがとうございました!」との感謝から、グッズ紹介では、客席のあちこちに懐かしいグッズを身に纏っているファンの姿も見られた。

 再びバンドメンバーを紹介して、スタッフへの感謝も伝えると、最後に歌われたのは代表曲であり大ヒット曲「LOVE 2000」。イントロから「みんなー!」と呼び掛けて、いきなり歌を観客に委ねると、この日一番の大合唱となり、立ち上がり腕を突き上げて歌う人々も。歌詞をもじって〈少しずつだけどいろんな事が変わって 私は目黒Blues Alley Japanにいます!〉と歌うと大喝采。歌い終わると、万雷の拍手を浴びながらメンバーと手を繋いで深々と一礼。大hitomiコールで見送られながら、ライブを終えた。

 カリスマ然としたアーティストとしての姿の一方で、朗らかなトークで楽しませたこの日のライブ。多くのファンが、彼女の音楽を糧にしながら人生を共に歩んできたであろうことがわかる、音楽と人生への愛に溢れたアニバーサリーライブだった。

Text by 岡本貴之
Photo by Yuma Totsuka

◎公演情報
【hitomi 30th Anniversary Acoustic Live 2025】
2025年8月23日(土)東京・目黒Blues Alley Japan

<セットリスト>
1. 君のとなり
2. 探し続けてたもの
3. by myself
4. プラスティック タイムマシーン
5. BUSY NOW
6 . I am
7. innocence
8. IS IT YOU?
9. キミにKISS
10. GO MY WAY
11. Japanese girl (BAND紹介)
12. SAMURAI DRIVE
EN1. GO TO THE TOP
EN2. LOVE 2000


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