<ライブレポート>茅原実里、河口湖ステラシアターで新たなステージに進んだシンフォニックライブ

2025年8月29日 / 18:00

 茅原実里のシンフォニックライブ【billboard classics 茅原実里 Symphonic Concert “Harmony”】が、8月2日、3日に開催された。

 会場は山梨・河口湖ステラシアター。1995年の開館以来、住民参加型の音楽祭や国内外のトップアーティストの公演を通して、多くの人々に感動を届けてきた。茅原は同会場で最多クラスとなる公演数を記録しており、本公演で30回目のステージとなる。そして、本公演は河口湖ステラシアター開館30周年記念事業のひとつでもある。

 公演は夕暮れ時、虫の声とともに50人を超えるオーケストラの団員が拍手に迎えられて登場。マエストロ・佐々木新平が指揮台につく。オーケストラによる「家路」の演奏が始まると、会場はどこか懐かしい気持ちとともに、茅原のホームともいえるステラシアターに帰ってきたような気配に包まれた。

 ゆったりとした余韻の中、「いつだって青空」のイントロが流れ、夏の空気に溶け込むような白を基調としたワンピース姿の茅原が登場。透き通った優しい声で歌い上げる。透明感のある歌声とオーケストラの響きが見事に重なりあい、「NEO FANTASIA」で、観客を一気に”Harmony”の世界へと引き込んでいく。

 続く『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズの主題歌「みちしるべ」「エイミー」は自身が作詞した言葉の一つひとつが観客の胸に優しく届いていく。曲間のトークでは初共演となるマエストロ・佐々木新平と東京シティーフィルハーモニー管弦楽団を紹介。「大好きなこの河口湖ステラシアターでオーケストラの演奏と共に思う存分楽しみたい」と笑顔で語った。

 ピアノ独奏曲「ジムノペディ」の演奏から始まるクラシックならではのアレンジが印象的な「優しい忘却」は、茅原が声優を務めた劇場版『涼宮ハルヒの消失』のテーマソングだ。アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』から「雪、無音、窓辺にて。」と、同作品のエンディング・テーマであり、茅原自身が「アニソンのクラシック」と語る「ハレ晴レユカイ」へと続く。「ハレ晴レユカイ」では彼女の呼びかけにより観客も立ち上がり、今までの空気とは一変。サイリウムを振り踊りだす、いつものライブスタイルの熱気に包まれながら前半の幕が閉じた。

 後半は、アニメ『喰霊―零―』のオープニング・テーマ「Paradise Lost -at next nest-」で幕が開けた。前半の白い柔らかなワンピースから一転、黒のパンツスタイルへと衣装を替え、シャープで凛とした佇まいの茅原が登場。「みんな、行くよー!」と客席に向かって叫び、観客のコールにも一層熱が入る。会場中が赤いサイリウムに包まれていく情景にオーケストラの奏者も圧倒されている様子だった。

 誰もが耳馴染みのあるオーケストラによる「ツァラトゥストラはかく語りき」の演奏によって観客全体の意識が宇宙空間へ飛ばされたかと思った次の瞬間、「TERMINATED」の前奏が響き渡る。アニメ『境界線上のホライゾン』の世界観そのままの演出に客席のボルテージは一気に上がる。そのまま「ZONE//ALONE」へと続き、クラシックと茅原のパワフルなエネルギーが交錯する圧巻のパフォーマンスを披露した。アニメ『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよね』のオープニング曲「SELF PRODUCER」では茅原の歌声とオーケストラのキュートな演奏に観客がサイリウムとかけ声で応え、会場はさらに熱気を帯びていく。

 ライブはクライマックス目前、「純白サンクチュアリィ」ではオーディエンスがサイリウムの色を白へと変化させ、白一色に染まる幻想的な空間を作り上げていく。茅原の曇りのない声をオーケストラ・サウンドが際立たせる。ポエトリー・リーディングに初挑戦した楽曲「Message」では観客が自然と声を合わせ、その声に呼応するかのようにマエストロが会場全体に指揮を振る。まさに会場全体が一体となった瞬間だ。そして今回初披露となった新曲「この星は」へ。ステージに漂う静寂の中、星空のようにきらめく歌声が河口湖の夜空へと響き渡り、ライブは終演。割れんばかりの拍手の音を背に茅原はステージを後にする。

 鳴りやむことがない拍手の音が会場を覆うと、茅原がステージに再び登場。客席から「みのりんー!」という声が響き渡る。アンコールで披露したのは「一等星」。オーケストラの壮大なアレンジと茅原が弾き語るアコースティックギターの音色と力強くも優しい彼女の歌声が会場を包み込み、長い余韻を残して幕を閉じた。

 河口湖でオーケストラとの共演を果たした2夜は、新たなステージへと歩みだした彼女の音楽人生と、ステラシアターへの深い愛情を改めて感じさせる特別な夜となった。

Photo:石阪大輔

◎セットリスト
<第1部>
M1. 交響曲第9番『新世界より』第2楽章「家路」(A. ドヴォルザーク作曲)
M2. いつだって青空
M3. NEO FANTASIA
M4a. Hopeful “SOUL”(DAY1)
M4b. Remained dream(DAY2)
M5. みちしるべ
M6. エイミー
M7. 優しい忘却
M8. 雪、無音、窓辺にて。
M9. ハレ晴レユカイ

<第2部>
M10. Paradise Lost -at next nest-
M11. TERMINATED
M12. ZONE//ALONE
M13. SELF PRODUCER
M14a. 境界の彼方(DAY1)
M14b. 会いたかった空(DAY2)
M15. 純白サンクチュアリィ
M16. Message
M17. この星は
En. 一等星

◎公演情報

【billboard classics 茅原実里 Symphonic Concert “Harmony”】
2025年8月2日(土)、3日(日) 
山梨・河口湖ステラシアター 
OPEN 16:00 / START 17:00

出演:茅原実里
指揮:佐々木新平
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

公演公式サイト:
https://billboard-cc.com/chiharaminori2025


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