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8月24日に、Da-iCEのメンバーの工藤大輝と双子の兄(?)であるシンガーソングライター・claquepotが、ツーマンライブツアーの追加公演【Taiki Kudo VS claquepot Two Man Live Tour 2025 Twin Ship Extra Stage】を国立代々木競技場 第一体育館にて開催した。
Da-iCEの工藤大輝と双子の兄であるclaquepotが7月より行っていたツーマンライブツアー【Taiki Kudo VS claquepot Two Man Live Tour 2025 Twin Ship】。「自分の楽曲として作り直したセルフカバー楽曲の強さを分かってないようですが、現場で冷や汗をかいてる兄が目に浮かびます」(工藤)、「ぬるま湯に浸かったソロ新人が自分と対等だと思っているのは心外ですね。まぁ全会場でもれなくケチョンケチョンにしてやろうと思います」(claquepot)と、ツアー前からバチバチと火花を散らしていた2人だが、アツい兄弟喧嘩になかなか決着がつかない。そこで8月25日、東京・国立代々木競技場第一体育館にてExtra Stageとなる追加公演が行われた。
先攻は工藤。6月25日にリリースした1stアルバム『Otowonous』から多くの楽曲が披露されていく。拍手に迎えられてステージに登場した工藤はスタンドマイクの前に立ち、アカペラで歌声を届け始めた。1曲目は、GENICに提供した「グラデーション」だ。続けてDa-iCEに提供した「Found it」をパフォーマンスすると、「皆さん、今日は俺はね、音楽に対しての愛をめちゃめちゃ叫んでやろうと思っています。音楽に対しての愛、皆さん叫ぶ準備は出来ていますか?」と客席を煽って「Love&Loud」へ。ハンドマイクを持って「迷わないで愛していこうじゃありませんか、代々木!」とシャウトしたところで、ライブの本格スタートを知らせるが如く、音玉特効が鳴ってさらに会場のテンションを引き上げていった。「飛べますか?」と「Repeat」で観客を飛ばせると、「この曲をやるにあたってもう1人必要なわけだが」と工藤。客席は期待に満ちた歓声が広がっていく。「でもZeppきちゃったからなぁ。今日はさすがに来て……くれています!」とBLUE ENCOUNTの田邊駿一を呼び込み、2人でコライトした「Revolver」を阿吽の呼吸で歌っていった。
大いに盛り上がった後、工藤は「『恋する▽週末ホームステイ』(※▽=特殊記号のハート)の恋愛リアリティーショーのMCをやってるんですけど」と語り始める。番組企画で高校生たちがバンドをやることになり、工藤は楽曲を提供。書いたのは、「恋や人を好きになる気持ちを知る曲」、「付き合ってみたり、好きだって言ってみたり、いろんなことを考えて進んでいく曲」、「進む道とは違う方向になってしまい、選択をした結果別れる曲」という三部作だそう。「しっかりと流れを聴いてほしいなと思っています。過去の自分と照らし合わせて思い出の引き出しを開けて聴いてみてください」と暗転。すぐに明転するとピンク色のジャケットに早着替えした工藤が姿を現す。「Hello」では温かく穏やかな笑顔、「テレパシー」はどこかソワソワした表情、「よくばり」は前向きに未来に向かって進んでいく決意を秘めたような表情を見せる。耳だけでなく、目でも楽しめるパフォーマンスだ。
ひと息ついたところで「え、楽しいんだけど」と工藤。ライブ後半戦に向けて「楽しむ準備は出来ていますか!」と会場をさらに温めていく。……と思いきや、照明が落ちてしまい、「照明、これ、戻んないのかな?」と戸惑いを見せる。しかし、もちろんこれも彼なりのエンターテインメントだ。「暗いまま喋れってこと? イケますよ、私の手にかかれば。ライブってナマモノですから、こういうハプニングはつきもんだからな!」と、そのままNissyに提供した「ハプニング」がスタートする。いつの間にか再び黒のジャケットに着替えた工藤は、会場を盛り上げ続けていく。曲が終わったと思いきや、再びイントロが始まってNissy本人が登場! 2人で声を合わせながら2回目の「ハプニング」をパフォーマンスして見せた。曲終わりで工藤は「これ、10分前に決まったんです。リアルハプニング」、Nissyは「本番10分前くらいに偶然会っちゃったんですよ」、「マネジャーさんがイヤモニをたまたま持っていて」と、急遽この共演が決まったことを語っていた。
まさかのNissyの登場に大盛り上がりを見せた後、ラストスパートへ。「奇しくもこの曲は液晶の中で起きていることよりも生で起きていることの方がすごいよねって曲です」と始まったのは、「SFST」。ステージにダンサーも登場して、工藤自身もガシガシと踊りながら歌っていく。ダンスブレイクもバッチリで、歓声もすごい。そのまま続いたのは、「スターマイン」。ダンサーも工藤もステージ上で飛び跳ねながら、実に楽しそう。さらに、ダンサーのソロパートでは工藤も「俺もやろうか」とソロダンスを披露。会場の沸きが凄まじい。
改めてダンサーを紹介し、「次の曲はFAKYってガールズグループに渡した曲で」と語り始める工藤。「グループとは違う活動をすることになってもそれを応援してあげてほしいという思い、ステージが変わっても頑張るスタンスを変えずにいってほしいなって気持ちを込めて作った曲」と話し、「Departure」を歌ってライブを終えた。
後攻はclaquepot。長年活動している彼は、新旧様々な楽曲を披露していく。ステージに登場すると、まずは「楽しむ準備は出来ていますか?」と観客に声を出させ、「楽しい音楽の時間! 頭の上でクラップしてくださいよ」と始めたのは「useless」だ。そして、「choreo」と続き、claquepotが何も言わずとも勝手に観客たちの体は揺れていく。「代々木、俺はドンドン行くからついてこいよ!」と「mavericks」で盛り上がり、ドラムに合わせてラップをして、そのまま「リクルートメント」と、ヒートアップ。と、ここで「弟の方はスペシャルなゲストが来てたから、こっちも対抗しないとな」と「ドゥームスクロール」をスタートさせる。そこに宮川大聖が登場! メインステージ、センターステージ両方を使いながら披露し終えると、去っていく宮川。それを見て「宮も進んでいます。俺も進んでいきます。代々木もみんなで一緒に進んでいけますか!」と「ahead」へ。会場全体で声を合わせて歌った盛り上がったところで、仲間の話になる。claquepotが「毎日いるのが仲間じゃなくて、こういう馬鹿騒ぎしたい時に馬鹿騒ぎしてくれるやつが仲間なんじゃないかと思っているんで」と呼び込んだのは、WHITE JAMの3人だ。claquepotを含めた4人で「Solution8」を披露し、まさに“馬鹿騒ぎ”が如く会場を盛り上げまくっていった。
「これは僕が好きな4人に向けた曲ですけども」と語り出したclaquepot。「その方々はダンスに対しての熱、愛。僕は音楽に対しての愛。何かに対しての熱があると思うんですけど、そういうものを大事にしていこうという曲です」という曲振りをして「Biotope」へ。じっくりと歌を会場に届けていった。「リビング」を挟んだ後に、再びBLUE ENCOUNTの田邊が登場し、「silence」を披露するとさらに熱気を帯びていく。そこに「私もセルフカバーできる曲が1曲あるんです。Da-iCEってグループに提供した曲で」と、「atmosphere」がスタート。会場からの歓声も一際大きくなっていった。「ここからはぶっ飛びしていきましょう」と「ランダバ」でエンジンを掛け直したところで、もはやおなじみのメンバーであるRUNG HYANGと向井太一を呼び込んで「So good」へ。実に楽しそうにパフォーマンスをしており、さすがの息の合い具合だ。
MCでは、「嬉しいよ。曲を知らない人たちもいっぱいいるじゃないですか。そんな中でピョンピョンしてくれて最高ですよ」と満足そうな表情を見せるclaquepot。ここで、スマートフォンのライトをつけるように指示をして、「次は季節の曲なんですけど、季節の移り変わりの何もない時期も大事にしたい、大事に思いたいという曲」と「ターコイズドリップ」へ。ブルーの照明の中、スマートフォンの光が広がっている景色は絶景であった。ラストは「blank」。飛んだり、クラップしたり、体を揺らしたり。この日一番と言っても過言ではない盛り上がりを見せていた。
ここまでのゲストを呼び込み、写真撮影。改めてアーティストたちを紹介し、ステージに残ったclaquepotは「伝えたいことがめちゃくちゃあります。でも、私はやっぱり曲で伝えたほうがいいなと思うんです」と、新曲の「アグノス」を初披露。曲終わりに暗転してそのままスッとステージを後にするという、なんともclaquepotらしい幕の閉じ方であった。
工藤もclaquepotもエンターテインメント性溢れるステージを繰り広げ、さすがは兄弟と妙に納得してしまった同公演。そんな中でも工藤は歌、ダンス、表情などすべてを駆使して、観客を楽しませ、claquepotは音楽で観客を踊らせるという違いも。それぞれの魅力をじっくり味わえたライブであった。再びこの兄弟が音楽をぶつけ合う機会が早々に来ることを祈りたい。
Photo by Hiroe Yamauchi
◎公演情報
【Taiki Kudo VS claquepot Two Man Live Tour 2025 Twin Ship Extra Stage】
2025年8月24日(日)東京・国立代々木競技場 第一体育館
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