【米ビルボード・アルバム・チャート】タイラー・ザ・クリエイター初登場1位、故オジー・オズボーンのベスト盤TOP10入り

2025年7月28日 / 10:00

 今週(2025年8月2日付)の米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”は、タイラー・ザ・クリエイターのニュー・アルバム『ドント・タップ・ザ・グラス』が1位に初登場。TOP10には、5位にアレックス・ウォーレンの『ユール・ビー・オールライト、キッド』、8位にジェシー・マーフの『Sex Hysteria』、10位にBTSのライブ・アルバム『PERMISSION TO DANCE ON STAGE – LIVE』がそれぞれデビュー。7位には、故オジー・オズボーンのベスト・アルバム『ジ・エッセンシャル・オジー・オズボーン』が、先週の134位からジャンプアップして再ランクインを果たしている。

 No.1デビューを飾ったタイラー・ザ・クリエイターの新作『ドント・タップ・ザ・グラス』は、前作『クロマコピア』(2024年10月)からわずか9か月でリリースされた9作目のスタジオ・アルバムで、以下に続く8作目のTOP10入り、通算4作目(4作連続)の首位を獲得した。

・『ゴブリン』(2011年/最高5位)
・『ウルフ』(2013年/最高3位)
・『チェリー・ボム』(2015年/最高4位)
・『フラワー・ボーイ』(2017年/最高2位)
・『イゴール』(2019年/最高1位)
・『コール・ミー・イフ・ユー・ゲット・ロスト』(2021年/最高1位)
・『クロマコピア』(2024年/最高1位)
・『ドント・タップ・ザ・グラス』(2025年/最高1位)

 『ドント・タップ・ザ・グラス』は、7月18日(金)にSNSで突如リリースを発表し、3日後の21日(月)に発表された。そのため、今週の集計期間(2025年7月18日~7月24日)においてはわずか4日間の集計分で1位を獲得したことになる(米ビルボード・チャートの集計期間は、通常金曜日から木曜日までとされている)。

 週の途中でリリースされたアルバムが1位に初登場するのは、先週のチャートでNo.1デビューを果たしたジャック・ボーイズの『ジャック・ボーイズ 2』(今週4位)に続き2週連続のチャート・アクションとなる。

 7月21日から24日までの4日間で記録した初動ユニットは197,000で、その内訳はアルバム・セールスが128,000、ストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA)が69,000だった。今週のアルバム・セールス・チャートでも1位に初登場して、ストリーミング・アルバム・チャートでは4位にデビュー。初週のオンデマンド公式ストリーミング再生回数は9,334万回を記録した。

 ユニット数の半数以上をアルバム・セールスが占めた本作は、公式ウェブサイト限定で販売されたアナログ盤、CD、ブランド・グッズとCDがセットになった3種類のデラックス・ボックス・セットの計5種類のフィジカルがリリースされていて、それらには通常版のデジタル・ダウンロードに収録された10曲に加えて、ボーナス・トラックが1曲収録されている。

 8週間連続で1位をマークしてから、先週3位にランクダウンしたモーガン・ウォーレンの『アイム・ザ・プロブレム』は、今週2位に上昇。週間ユニットは142,000(前週比4%減少)を記録して、ストリーミング・アルバム・チャートでは9週目の首位を獲得した(非連続)。

 先週のチャートで5位にランクインしていたNetflixのアニメーション映画『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』のサウンドトラックも、今週3位に再浮上。週間ユニットは前週から5%増加の89,000に上昇している。

 前述の通り、先週No.1デビューを飾ったトラヴィス・スコットが率いるジャック・ボーイズによるニュー・アルバム『ジャック・ボーイズ 2』は、今週4位にランクダウン。週間ユニットも、初週から66%減少の78,000に急落した。

 続いて今週5位には、米カリフォルニア州カールスバッド出身のシンガー・ソングライター=アレックス・ウォーレンの『ユール・ビー・オールライト、キッド』が先週の19位からジャンプアップして、自身初のTOP10入りを果たしている。

 本作は、昨年9月にリリースされたEP『ユール・ビー・オールライト、キッド(チャプターワン)』に10曲の新曲を追加したデビュー・フルアルバムで、7月18日にリリースされた拡張版の反響により、前週から207%増加の73,000ユニットを記録した。

 73,000ユニットの内訳は、ストリーミングによるアルバム換算ユニットが59,000(前週比157%増加)、アルバム・セールスが13,000(前週比9,483%増加)、トラックによる換算ユニットは1,000(前週比71%増加)で、ストリーミング・アルバム・チャートでは先週の15位から5位に上昇(公式ストリーミング再生回数は8,019万回)。アルバム・セールス・チャートでは7位にデビューしている。

 『ユール・ビー・オールライト、キッド』からは、「オーディナリー」がソング・チャート“Hot 100”で自身初の1位を獲得。先週のチャート(7月26日付)では首位獲得週を7週目に更新した。10曲の新曲を追加した拡張版のフィジカルは、サイン付きを含む5種類のアナログ盤、2種類のCD(うち1種類はサイン付き)がリリースされている。

 先週のチャートで2位にデビューしたジャスティン・ビーバーのニュー・アルバム『スワッグ』は、今週6位にランクダウン。週間ユニットも55%減少の72,000に下降している。

 今週7位には、7月22日に死去した、故オジー・オズボーンのベスト盤『ジ・エッセンシャル・オジー・オズボーン』が前週の134位からジャンプアップして、2003年のリリース以来初のTOP10入りを果たしている。

 訃報を受けて、ユニット数は前週から309%増加の44,000に急増。その内訳は、ストリーミングによるアルバム換算ユニットが35,000(前週比287%増加)、アルバム・セールスが3,000(前週比197%増加)、トラックによる換算ユニットは6,000(前週比888%増加)となっている。

 オンデマンド公式ストリーミング再生数は4,870万回を記録して、ストリーミング・アルバム・チャートで9位にデビュー。アルバム・セールス・チャートでは30位にリエントリーした。

 オジー・オズボーンは、これまでに以下の9作がアルバム・チャート“Billboard 200”でTOP10入りを果たしていて、本作は10作目のランクインとなる。

・『罪と罰』(1986年/最高6位)
・『トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ』(1987年/最高6位)
・『ノー・モア・ティアーズ』(1991年/最高7位)
・『オズモシス』(1995年/最高4位)
・『ダウン・トゥ・アース』(2001年/最高4位)
・『ブラック・レイン』(2007年/最高3位)
・『スクリーム』(2010年/最高4位)
・『オーディナリー・マン』(2020年/最高3位)
・『ペイシェント・ナンバー9』(2022年/最高3位)

 また、ブラック・サバスのフロントマンとしても以下の2作でTOP10入りしている。

・『マスター・オブ・リアリティ』(1971年/最高8位)
・『13』(2013年/最高1位)

 続いて今週8位には、米テネシー州出身の女性シンガー・ソングライター=ジェシー・マーフの『Sex Hysteria』が初登場して、自身初のTOP10入りを果たした。なお、これまでには『Drowning』(2023年/最高162位)と『That Ain’t No Man That’s the Devil』(2024年/最高24位)の2作がアルバム・チャート“Billboard
200”にランクインしていて、本作は3作目のタイトルとなる。

 『Sex Hysteria』の初動ユニットは44,000で、その内訳はストリーミングによるアルバム換算ユニットが35,000、アルバム・セールスは9,000を記録。セールス、ストリーミングの両チャートではどちらも10位にデビューして、初週のオンデマンド公式ストリーミング再生数は4,823万回を記録した。

 本作からは、「Blue Strips」(最高15位)、「Touch Me Like a Gangster」(最高56位)の2曲がソング・チャート“Hot 100”にランクイン。アルバムは、13曲を収録したデジタル・ダウンロードの通常版、「Donuts feat. グッチ・メイン」、「Ain’t But a Thing」の2曲を追加した15曲収録のデジタル・ダウンロードとストリーミング・アルバム、「Ur a Bitch」と「No Chance」の2曲を追加した15曲収録のCDとアナログ盤がリリースされていて、どちらも2種類あるCDとアナログ盤のうち1種類はサイン付きとなっている。

 先週のチャートで4位にデビューしたマリスとプシャ・Tによる兄弟ラップ・デュオ=クリプスの新作『Let God Sort Em Out』は、今週9位にダウン。週間ユニットも前週から63%減少の43,000に下降している。

 今週10位には、BTS初のライブ・アルバム『PERMISSION TO DANCE ON STAGE – LIVE』がデビューして、通算8作目のTOP10入りを果たした。初週アルバム・セールスが36,000(アルバム・セールス・チャートで2位に初登場)、ストリーミングによるアルバム換算ユニットは5,000(オンデマンド公式ストリーミング再生数は658万回)、トラックによる換算ユニットは2,000を記録して、累計43,000ユニットを獲得した。2025年のチャートでライブ・アルバムがTOP10入りするのは、1月25日付で2位を記録したテイラー・スウィフトの『ラヴァー:ライヴ・フロム・パリ』に続く2作目となる。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月31日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『ドント・タップ・ザ・グラス』タイラー・ザ・クリエイター
2位『アイム・ザ・プロブレム』モーガン・ウォーレン
3位『KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ』サウンドトラック
4位『ジャック・ボーイズ 2』ジャック・ボーイズ
5位『ユール・ビー・オールライト、キッド』アレックス・ウォーレン
6位『スワッグ』ジャスティン・ビーバー
7位『ジ・エッセンシャル・オジー・オズボーン』オジー・オズボーン
8位『Sex Hysteria』ジェシー・マーフ
9位『Let God Sort Em Out』クリプス
10位『PERMISSION TO DANCE ON STAGE – LIVE』BTS


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