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米ビルボードが選出する2025度の【Billboard Global Power Players】が明らかになった。
IFPI(国際レコード産業連盟)が発表した『グローバル・ミュージック・レポート2025』によると、2024年の世界の音楽レコーディングの売上は296億ドル(約4兆2,594億円)に達し、前年比4.8%増となった。中でもストリーミングの収益が初めて200億ドル(約2兆8,778億円)を突破し、全体の約70%を占めた。
同年10月には、CISAC(著作権協会国際連合)も、楽曲権利者へのロイヤリティ徴収額が前年比7.6%増加したと報告。コンサート市場では、ライブネーションの2024年の調整後営業利益が14%増加した。
この舞台裏で活躍する人々が称えられるのが、ビルボードのグローバル・パワー・プレイヤーズ“Global Power Players”リストだ。候補者は所属企業や同業者によって推薦され、特定の業界分野から編集部が選出する。これらのエグゼクティブたちは、世界の音楽レコーディング収益のおよそ60%を占めるアメリカ以外の市場を主に担当している。
アメリカは依然として世界最大の音楽市場を維持したが、2024年の成長率は2.2%と前年の7.2%から鈍化。日本は変わらず世界第2位の市場ながら、成長は横ばいにとどまった。他のTOP10入り国では、イギリスが4.9%増、ドイツが4.1%増、中国が9.6%増、フランスが7.5%増、カナダが1.5%増、ブラジルが21.7%増、メキシコが15.6%増と堅調な伸びを記録した。一方、韓国は5.7%の減少となった。
他の地域では、著しい成長が見られた。ラテンアメリカは22.5%の成長を記録し、ほぼ完全にストリーミングが市場を支配する、中東や北アフリカでは、音楽セールスは22.8%増となった。サブサハラ、アフリカでは22.6%増となり、初めて1億ドル(約143億円)の大台を突破した。
昨年に引き続き、日本からはエイベックス株式会社の代表取締役社長兼CEOの黒岩 克巳氏、株式会社ハヤシインターナショナルプロモーションズの代表取締役を務める林 香里氏、ユニバーサルミュージックジャパン合同会社の社長兼CEOである藤倉 尚氏が選出。そして、EMPIREのアジア太平洋地域ビジネスアフェアーズ担当シニアバイスプレジデントの齋藤妙子氏が選ばれた。
2024年のエイベックス最大の動きは、米国に拠点を置く新法人「エイベックス・ミュージック・グループ」の立ち上げだった。CEOにはS10エンターテインメントのブランドン・シルヴァースタインを迎え、所属アーティストのグローバル展開や音楽出版事業の強化などを進める。この新体制には、S10ミュージック・パブリッシングのカタログ取得およびS10マネジメントへの追加出資も含まれている。
所属アーティスト/クリエイターの面では、ボーイズ・グループのONE OR EIGHTが、「Don’t Tell Nobody」でビルボードジャパンの“Heatseekers Songs”チャート1位を獲得。また、プロデューサー兼作家のグラントが、米ビルボード・アルバム・チャート“Billboard 200”を制したテイト・マクレーの2025年のアルバム『ソー・クロース・トゥー・ワット』に8曲を提供している。
エイベックスの黒岩氏は、「グローバル市場でアーティストを取り巻くビジネス環境が進化する中、多角的な投資が重要になっています。そのためには強力な現地パートナー企業の存在が不可欠です」と語っている。
ユニバーサル・ミュージック・ジャパンは、2024年に11年連続となる収益増を達成した。同社の藤倉氏は、「日本における最大の課題の一つは、特に若年層の人口減少が進む中で、市場を維持し続けることです」と述べ、「成長を維持するためには、市場の縮小を防ぐ戦略を実行する必要があります。主な取り組みとしては、シニア層のユーザー拡大、ユーザー一人当たりの収益向上、海外市場の開拓が挙げられます」とコメントした。
日本最大級かつ最も確立されたコンサート・プロモーターであるH.I.P.は、昨年は数々の大規模公演を成功させた。なかでも特筆すべきは、デュア・リパがさいたまスーパーアリーナにて日本で初めて行ったアリーナ公演が、2公演がいずれもソールドアウトとなった。
さらに、代表取締役の林氏は、「2024年1月にブルーノ・マーズの東京ドーム公演を7日間、すべて完売させるという記録的な快挙を達成しました」と話している。5万5千人を収容する東京ドームで行われたマルーン5の3公演も完売し、「彼らの日本における画期的な2022年のツアーを上回る興行収入を記録した」と述べている。
こうした実績を背景に、2024年4月には世界最大のコンサート・プロモーターであるライブネーションがH.I.P.を買収し、日本市場における存在感をさらに強めることとなった。林氏は現在の課題として、「かつて最初に完売していた高額チケットへの抵抗感が見られるようになった」と指摘している。
「EMPIREは、グローバルな音楽市場の橋渡しを進め、異文化間のコラボレーションを促進し、多様な声を増幅するうえで大きな前進を遂げてきた」と西アジアおよび北アフリカ担当マネージング・ディレクターのSuhel Nafarは語る。彼はその例として、モロッコのラッパー・ダダとスーダンのラッパー、ソルジャが、米ロサンゼルス出身のラッパー、310バビーによる米ビルボード・リズミック・エアプレイ・チャート“Rhythmic Airplay”1位をマークした2024年のヒット曲「Soak City (Do It)」のアラビック・リミックスを制作したことを挙げている。
また、K-POPアイコンであるG-DRAGONのような、韓国や東南アジアの大物アーティストたちと契約を結んだことも、「グローバル音楽業界の未来を形作るうえで、EMPIREが重要な存在である」という評価をさらに確かなものにしていると彼は付け加える。
現在、最大の課題について、「単にデータ上で好成績を収めているものに便乗するのではなく、業界は才能を育て、開花させる努力をもっとすべきです。アーティスト性と革新性が、音楽ビジネスの中心にあり続けなければなりません」とNafarは語っている。
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