【米ビルボード・ソング・チャート】ケンドリック・ラマー&シザ13週連続首位、テディ・スウィムズ歴代チャートイン最長記録に並ぶ

2025年5月20日 / 09:00

 今週の米ビルボード・ソング・チャートは、ケンドリック・ラマー&シザの「Luther」が13週目の首位を獲得。また、テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」がランクイン総週を通算91週目に塗り替えて、史上最長記録に到達。10位にランクインしたドーチーの「Anxiety」は、登場8週目でエアプレイ・チャートの頂点に昇り詰めた。

 R&B界のレジェンド=故ルーサー・ヴァンドロスへのオマージュとして名付けられ、そのルーサーとシェリル・リンによる「イフ・ディス・ワールド・ワー・マイン」をサンプリングした「Luther」は、ケンドリック・ラマーにとってソング・チャート“Hot 100”での通算6曲目の首位獲得、シザにとっては3曲目のNo.1タイトルで、両者にとって現時点での首位最長記録を更新し続けている。

 13週目の首位を獲得した「Luther」は、今週の集計期間(2025年5月9日~5月15日)にラジオ・エアプレイが6,340万回(前週比3%減少)、公式ストリーミング再生回数が1,830万回(前週比5%減少)、週間セールスは2,000(前週比13%減少)を記録。

 先週まで6週間首位を獲得したエアプレイ・チャートでは、今週2位に順位を下げて、ストリーミング・ソング・チャートでは先週に続き2位にをキープ(以前に7週間1位を獲得)。R&B/ヒップホップ・ソングとラップ・ソングの両チャートでは、それぞれ通算21週目の首位を獲得した。

 1958年10月に集計が始まったR&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは、2022年から2023年にかけて同21週間を記録したシザの「キル・ビル」に並び、史上2番目のタイ記録に到達。これを上回るのは、2024年から2025年に22週間を記録したケンドリック・ラマーの「ノット・ライク・アス」で、あと1週でその記録に並び史上最長記録に到達する。

 また、ラップ・ソング・チャートでも2019年に20週間を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」を上回り、史上2番目の記録に到達。これを上回るのも、2024年から2025年に26週間を記録したケンドリック・ラマーの「ノット・ライク・アス」で、いずれもケンドリック・ラマーとシザの曲が独占している。

 ソング・チャート“Hot 100”が創設された1958年8月4日付以来、13週週間以上首位を獲得した全15曲のうちの1曲となった「Luther」は、2組の単独アーティストによるデュエット曲の中で、1位を獲得した期間が3番目に長い記録を達成。フィーチャリングなしのソロ・アーティスト同士によるデュエット曲に限れば、同13週間を記録したブランディ&モニカの「ザ・ボーイ・イズ・マイン」(1998年)と同率の歴代トップに立った。

 以下は、ソング・チャート“Hot 100”において2組の単独アーティストによるデュエット曲の首位獲得週の記録

※()内は初めて首位を獲得した日付

・16週間 ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年5月27日付~)
・16週間 マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995年12月2日付~)
・13週間 ケンドリック・ラマー&シザ「Luther」(2025年3月1日付~)
・13週間 ブランディ&モニカ「ザ・ボーイ・イズ・マイン」(1998年6月6日付~)
・11週間 パフ・ダディ&フェイス・エヴァンス「アイル・ビー・ミッシング・ユー feat. 112」(1997年6月14日付~)
・9週間 ライオネル・リッチー&ダイアナ・ロス「エンドレス・ラブ」(1981年8月15日付~)
・7週間 ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー「ステイ」(2021年8月14日~)
・7週間 ポール・マッカートニー&スティーヴィー・ワンダー「エボニー・アンド・アイボリー」(1982年5月15日~)
・6週間 アッシャー&アリシア・キーズ「My Boo」(2004年10月30日付~)
・6週間 R・ケリー&セリーヌ・ディオン「アイム・ユア・エンジェル」(1998年12月5日付~)
・6週間 ポール・マッカートニー&マイケル・ジャクソン「セイ・セイ・セイ」(1983年12月10日付~)

 昨年の年間チャートを制したテディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」は、先週に続き今週も7位をキープして、Hot 100(100位内)におけるランクイン総週を91週目に更新。これにより、2021年から2022年に同91週間を記録したグラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」と並び、歴代最長記録に到達した。

 以下は、ソング・チャート“Hot 100”において最も長くチャートインした楽曲の記録

※()内は最高位と最高位を初めて獲得した日付

・91週間 テディ・スウィムズ「ルーズ・コントロール」(2024年3月30日/最高1位)
・91週間 グラス・アニマルズ「ヒート・ウェイヴス」(2022年3月12日/最高1位)
・90週間 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年4月4日/最高1位)
・87週間 イマジン・ドラゴンズ「レディオアクティヴ」(2013年7月6日/最高3位)
・79週間 エイウォルネイション「セイル」(2013年10月12日/最高17位)
・77週間 デュア・リパ「レヴィテイティング」(2021年5月22日/最高2位)
・76週間 ジェイソン・ムラーズ「アイム・ユアーズ」(2008年9月20日/最高6位)
・71週間 マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019年12月21/最高1位)
・70週間 シザ「スヌーズ」(2023年10月7日/最高2位)
・69週間 アリアナ・グランデ&ザ・ウィークエンド「セイヴ・ユア・ティアーズ」(2021年5月8日/最高1位)
・69週間 リアン・ライムス「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」(1997年12月13日/最高2位)
・68週間 ベンソン・ブーン「ビューティフル・シングス」(2024年3月30日/最高2位)
・‎68週間 ワンリパブリック「カウンティング・スターズ」(2014年3月30日/最高2位)
・68週間 LMFAO「パーティー・ロック・アンセム feat. ローレン・ベネット & グーンロック」(2011年7月16日/最高1位)

 同時に、「ルーズ・コントロール」は今週でTOP10の滞在週を通算62週目に更新。この記録はソング・チャート“Hot 100”史上最長記録で、自身の記録をさらに塗り替えたことになる。

 なお、ソング・チャート“Hot 100”は1991年11月にルミネイトによるデータ追跡が導入されて以降、チャートにおける首位獲得週およびTOP10の滞在週数が全体的に長期化する傾向にある。

先週9位にランクインしていたドーチーの「Anxiety」は今週10位に順位を下げたが、エアプレイ・チャートでは登場8週目で先週の2位から1位に上昇(ラジオ・エアプレイの聴取数は前週比7%増加の6,500万回)。ドーチーにとって、同チャートにおける初のNo.1タイトルを獲得した。

登場8週目でエアプレイ・チャートの首位に到達したのは、昨年の7月にポスト・マローンの「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat. モーガン・ウォレン」が達成して以来の最短記録となる。

 なお、ドーチーの曲がエアプレイ・チャートに初めてランクインしたのは、2023年11月に最高5位を記録した「What It Is (Block Boy) feat. コダック・ブラック」だった。

 「Anxiety」には、2012年にHot 100で通算8週間首位を獲得したゴティエの大ヒット曲「サムバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ feat. キンブラ」がサンプリングされていて、同曲はエアプレイ・チャートでも同年6週間首位を獲得している。なお、その「サムバディ・ザット・アイ・ユースト・トゥ・ノウ」にも、ルイス・ボンファの「Seville」(1967年)という曲がサンプリングされている。

 サンプリングした曲とサンプリングされた曲、どちらもエアプレイ・チャートの首位を獲得したのは「Anxiety」が初めてではなく、2023年にはマライア・キャリーの「ファンタジー」(1995年)をサンプリングしたラトーの「ビッグ・エナジー」(リミックス版)が、サンプリングした曲とサンプリングされた曲としてどちらも首位を獲得したことがある。なお、「ファンタジー」もトム・トム・クラブの「悪魔のラヴ・ソング(原題:Genius of Love)」(1981年)をサンプリングしているが、同曲はエアプレイ・チャートで首位を獲得していない。

 それ以前には、TLCの「ノー・スクラブス」(1999年)をサンプリングしたエド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」(2017年)が、サンプリングした曲とサンプリングされた曲としてどちらも首位を獲得している。

 2週間前のチャート(2025年5月10日付)で2位に最高位を更新したアレックス・ウォーレンの「オーディナリー」は、今週も同位をキープ。今週の集計期間に2,170万回(前週比1%増加)の公式ストリーミング再生回数を記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは4週目の首位を獲得した。また、週間セールスは7,000(前週比16%増加)を記録して、デジタル・ソング・セールス・チャートでも4週目の首位を獲得している。ラジオ・エアプレイの聴取数は、前週から26%増加の3,090万回に上昇した。

 1月から通算5週間1位を獲得したレディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は、前週に続き今週も3位にランクイン。4位もシャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」が同位をキープして、TOP5のランクイン総週を史上最長の通算45週目に更新している。また、カントリー・ソング・チャートでも今週45週目の首位を獲得して、史上2番目の記録を更新。これを上回るのは、2017年から2018年に50週間を記録したフロリダ・ジョージア・ライン&ビービー・レクサの「メント・トゥ・ビー」で、その記録に迫っている。

 以下、ドレイクの「Nokia」(最高2位)も前週に続き今週も5位にランクイン。モーガン・ウォレンの「アイム・ザ・プロブレム」(最高2位)は先週の10位から6位に上昇して、ベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」(最高2位)は8位をキープ。チャペル・ローンの「ピンク・ポニー・クラブ」(最高4位)は6位から9位にランクダウンした。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月23日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
2位「オーディナリー」アレックス・ウォーレン
3位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
4位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
5位「Nokia」ドレイク
6位「アイム・ザ・プロブレム」モーガン・ウォレン
7位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
8位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
9位「ピンク・ポニー・クラブ」チャペル・ローン
10位「Anxiety」ドーチー

Photo: Dave Free


音楽ニュースMUSIC NEWS

カニエ・ウェスト、今月末の韓国公演が“最近の騒動”を理由に中止

洋楽2025年5月20日

 イェーことカニエ・ウェストが、現地時間2025年5月31日に予定していた韓国公演が中止になった。  韓国のチケット販売プラットフォーム、インターパーク・グローバルによると、月末に仁川文鶴(インチョン・ムナク)競技場で開催予定だったイェーの … 続きを読む

深田恭子、ニッポン放送で23年ぶりパーソナリティ 演劇&ミュージカルがテーマのラジオ特番

J-POP2025年5月20日

 深田恭子がパーソナリティを務める特別番組『ホリプロ65周年記念「深田恭子 Share New Fun!」』が、5月31日18時よりニッポン放送にてオンエアされる。  テーマは「演劇&ミュージカル」。毎年夏の定番となったブロードウェイ・ミュ … 続きを読む

吉沢亮が熱唱する“森蘭丸キャラクターソング”解禁、映画『ババンババンバンバンパイア』

J-POP2025年5月20日

 2025年7月4日公開の映画『ババンババンバンバンパイア』より、吉沢亮の歌唱による主人公・森蘭丸のキャラクターソングを使用したキャラクタームービーが解禁となった。  銭湯で働く森蘭丸、その正体は450歳のバンパイア。本映画は、『別冊少年チ … 続きを読む

U2のボノ、ドキュメンタリー『ボノ:ストーリーズ・オブ・サレンダー』配信に合わせて3曲入りEPをリリース

洋楽2025年5月20日

 U2のフロントマンであるボノによるワンマンショーを掘り下げたドキュメンタリー映画『ボノ:ストーリーズ・オブ・サレンダー』が2025年5月30日にApple TV+で世界同時配信される。これに合わせて3曲入EP『ストーリーズ・オブ・サレンダ … 続きを読む

ビリー・アイリッシュ、来日公演が2025年8月16日&17日に決定 360度ステージ・フルセットで実施

洋楽2025年5月20日

 ビリー・アイリッシュによる3年ぶりの来日公演が、2025年8月16日と17日にさいたまスーパーアリーナで決定した。  25か国で1位を獲得した最新アルバム『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』を引っさげた公演で、360度ステージ・フルセ … 続きを読む

Willfriends

page top