<ライブレポート>在日ファンクが魅せた、ビルボードライブならではのエンターテインメント――JBカバーや“コール&レスポンス地獄”で会場中を踊らせた初横浜公演

2025年5月7日 / 17:00

 4月27日、ビルボードライブ横浜にて在日ファンクが【在日ファンク at Billboard Live YOKOHAMA 2025】を行なった。会場中が歌って踊りまくった同公演の昼公演(1stステージ)をレポートする。

 歓声と拍手でメンバーがステージに上がると、いつものイントロでライブがスタート。早速浜野謙太(Vo.)のステップダンスも飛び出していく。「在日ファンク、ビルボードライブで演って断固、断固、断固すいません!」という振りで、「断固すいません」へ。曲中、ジェントル久保田(Tb.)のソロパートでは「私と一緒の横浜出身!」、村上基(Tp.)のソロパートでは「横浜とは関係ありません!」と浜野が紹介していく。曲の終盤では、オーディエンスと一緒に“すいませんコール”。浜野は「ちゃんと謝れるね、大人になったら」と独特の煽りで盛り上げていった。そのままノンストップで「むくみ」へ。橋本剛秀(Sax)のソロで他のメンバーも踊っており、拍手喝采。会場中が大盛り上がりだ。一気に飛ばしたところで、束の間のクールダウン。「体力が残っているうちに声出ししてもいいですか。腹筋を鍛えていこうっていう曲です」と曲紹介をして、声出しの練習。会場にはきれいな歌声が響き渡る。そのまま始まったのは「ハラワラナイト」。テンポこそスローになったものの、浜野のステップダンスがバチバチに決まり、ホーン隊主導でクラップが起こり、FUNKな空間が広がっていった。

 ここで「どうやって来ました、今日?」と浜野が客席に問いかけると、自転車、電車などの声が返っていく。すると「道路の歌やります」と、「環八ファンク」へ。待ってましたと言わんばかりに、オーディエンスはハンドルを持つポーズを取って体を揺らしていく。さらに浜野がターンをしてマイクをキャッチ、倒れ込むパフォーマンスをすると大きな歓声も上がっていた。ここで、電話の呼び出し音のSEと浜野のセリフが流れてくる。去年末のライブで新曲として披露された「チャーハン」だ。小金丸慧(Gt.)の優しいギターソロと心地よいミドルテンポに乗っていると、今度は逆に懐かしい曲が続いていく。「在日ファンク、去年ビルボードライブ東京で演ってます。その時の反省がありまして」と浜野。「元気な曲をやりすぎて、(お客さんが)注文できないっていう。最初から最後までここ(ステージの目の前の席)にハンバーガーが残ってた人がいて。ゆったりとしたナンバー、アレンジを持ってきましたんで、今頼んでください」と笑いを誘って、「城」がスタートする。小金丸のギターのみで浜野が歌うというアコースティックバージョンで1コーラス、そして他のメンバーも加わって2コーラス目を披露するという、貴重なアレンジが楽しめた。ジェントルが「ボーカル、浜野謙太!」と改めて紹介して浜野がステージを後にすると、楽器隊のみの楽曲「マシンガンチキン」へ。以前ビルボードジャパンで行なったインタビューの中で浜野が言っていた「在日ファンクってボーカル&バックバンドじゃないんですよね」、「バンドの一員だけどスタープレーヤーみたいな気構えがあるんですよ」という言葉が可視化されたようなステージだ。ちなみに、小金丸のギターソロがロックを彷彿させるひずんだ音だったのもアツい。そして、それを聞いた橋本が盛り上がりまくっていたのも印象的だった。明転すると、黒のジャケットに赤いフリルシャツに衣装チェンジした浜野が客席に登場。ジェームス・ブラウンの「Sunny」だ。オーディエンスと握手をしながらたっぷり歌ってステージに戻ると、圧巻のパフォーマンスを披露。客席からは「かっこいい!」という声が上がっていた。

 「久しぶりに自分だけ目立つやつやった」と顔をほころばせる浜野。「ビルボードライブで演るってなると、1曲挑戦の曲入れるんだよね」、「この(『Sunny』の)バージョン知ってる人います? CDとかになってないんですよ。たぶんいけない入手の仕方(笑)」と笑いを誘うと、早くもライブは佳境へ。ここでジェントルからも挨拶が。「今日はありがとうございます。在日ファンクももうすぐ20年になりますけども、大人の世界に足をそろそろ入れてもいいんじゃないかと思って去年からビルボードライブで演っていますが、お楽しみいただいていますでしょうか。じっくりと浜野の足さばきとか、見えています? 心配なのは浜野のマイクが時々真ん前に倒れていきますからね。その時にガチャーンってなって、レモンがピャーってならないように」と話すと、浜野は「だから今日は永ちゃんのやつ控えてます」と返し、ほっこりした雰囲気になっていた。

 ここからはラストスパート。「さあ、最後までコール&レスポンス地獄だ! 叫ぶんだ! こういう過酷なことをこなすんだよ。こなせば明日月曜日大丈夫だから。在日ファンクで元気つけないと!」とシャウトして、在日ファンクのテーマ曲「マルマルファンク」へ。コール&レスポンス地獄1曲目から、とにかく声を出しまくると、続いては「クーポン」。浜野曰く「言いやすい!」という“クーポンコール”もバッチリ決まったところで、お待ちかねの「京都」へ。「みんなで一緒に、京都&レスポンスしようぜ!」という浜野の声がさらに客席を熱くする。サビで手を振って“準備運動”をすると、永田真毅(Dr.)のリズムに合わせ、満を持して京都&レスポンスへ。以前「自分には向いていない」と語っていた浜野だが、そんなことは露程も思わせない京都&レスポンスが繰り広げられていった。ステージ照明が赤くなると、「爆弾こわい」。村上啓太(Ba.)のベースソロではクラップが巻き起こり、“吹っ飛べ、やっぱ吹っ飛ぶなコール”を経て、橋本のサックスソロへとつながっていく。まさに客席も一体となって作られているステージだ。ラストナンバーの「おすし」では、ジェントルがオーディエンスを立たせる。寿司を握るダンスを全員で踊って、大盛り上がり! 途中、永田のタムが倒れるほど会場が熱狂し、本編に幕を下ろした。

 アンコールに応えて、再び登場する在日ファンク。ジェントルの「まだまだイケるのか! 上の階もイケるのか! 踊ろう! ダンシング! ウィーアー在日ファンク!」で「きず」がスタート。途中浜野は、マイクをオーディエンスに向けて歌わせていく。小さな子どもが「きずきずきずきずきず」と歌うと、この日一番と言っても過言ではないほどの大きな歓声が返っていた。まさに老若男女楽しめるステージだ。さらにメンバーも一人ずつ歌って一体感が出たところで、「在日ファンクでした!」とライブを終えていく。長年彼らのライブに参加していた人も、初見の人も、思わず踊って歌ってしまう。それが在日ファンクのライブなのだと再認識したステージであった。

Text:高橋梓
Photo:Chiaki Machida

◎セットリスト
【在日ファンク at Billboard Live YOKOHAMA 2025】
2025年4月27日(日)1stステージ
1. イントロ
2. 断固すいません
3. むくみ
4. ハラワラナイト
5. 環八ファンク
6. チャーハン
7. 城
8. マシンガンチキン
9. Sunny(カバー)
10. マルマルファンク
11. クーポン
12. 京都
13. 爆弾こわい
14. おすし
En. きず


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