水曜日のカンパネラ、初ホールツアーファイナルにてアジア&ヨーロッパツアー発表

2025年4月24日 / 17:00

 水曜日のカンパネラが、初のホールツアーを開催し、全国14か所をまわり、番外編として東京・浅草公会堂にてライブを開催、当日のライブレポートが到着した。

 雨の浅草。あいにくの天候ながら、街は観光客で賑わっていた。その中心にそびえる浅草公会堂が、水曜日のカンパネラ初ホールツアーの締めくくりの地、そしてこの日、彼女たちにとって初めて立つステージだ。チケットはソールドアウト。会場いっぱいの観客が、ツアーファイナルを目撃すべく集まった。

 18時48分、暗転とともに音楽プロデューサー・ケンモチヒデフミがステージに登場。客席から大きな拍手と歓声が湧き上がる。ケンモチがDJセットを操作し重低音を響かせると、ステージ中央の床下から鉄かごがせり上がった――しかし、そこに詩羽の姿はない。スポットライトが照らしたのは、なんと2階席。詩羽のサプライズ登場に観客は驚きと歓喜の声をあげた。

 詩羽は2階席を動き回りながら「ティンカーベル」を歌い、客席を通ってステージへ。続けて、詩羽体制で初めての楽曲「バッキンガム」を披露した。MCでは、ツアーファイナルを迎えられた喜びとチケット完売への感謝を述べ、「観客の顔が見えるライブが貴重」と語り、「みんなで一緒に楽しみを作っていきたい!」と呼びかけた。

 続いて、初代カンパネラ時代から歌い継がれる“お風呂の歌”「ディアブロ」へ。観客と一緒に振付を練習し、「いい湯だね♪」という歌詞に合わせてコール&レスポンス。ミドルテンポの「聖徳太子」では2人のダンサーが加わり、サビでは手を左右に振って盛り上がった。疾走感あふれる「シャルロッテ」を披露すると、詩羽は、アジア・ヨーロッパツアーの開催を発表。大きな歓声と拍手が起こる中、初のヨーロッパ公演への期待をにじませつつ、詩羽は「私、インドアだからなあ」と笑顔で語った。

 「つらいことは“つらい”って言うことで、変わる気持ちもあると思う。今日のライブが少しでもピースな気持ちになって、いい日に繋がってくれたら」と語り、「楽しいですか?」と詩羽が問いかけると、客席からは大歓声が上がった。「水曜日のカンパネラの客層はバラバラ。でも、性別や年齢に関係なく、全力で楽しむ姿が一番かっこいいと思う」と語り、ダンスチューン「金剛力士像」へ。赤と青のライティングが印象的な中、再び2人のダンサーが登場し、その前で詩羽は歌声をじっくり聴かせた。「赤ずきん」では、布団に隠れたオオカミと8人の赤ずきんが登場し一緒にダンス。楽曲終盤には、布団の裏に「アサクサ」と書かれていることが明らかになり、会場はさらに盛り上がる。勢いそのままに、「たまものまえ」では、<踊りたい奴は たまもるふぉーぜ>の後のドロップで「コンココンダンス」を観客と一緒に踊った。

 ケンモチによるグッズ紹介を挟むと、星が輝くステージ背景の中、詩羽は客席を歩きながら「願いはぎょうさん」を歌う。楽曲中盤には、10人のダンサーたちが手持ちの龍で、客席を練り歩いて楽曲を盛り上げた。「赤猫」では、てぼ(ラーメンの麺を茹でたり、湯切りしたりするための道具)を持ったダンサーが湯切りダンスへ。楽曲中盤には、巨大てぼが登場し、詩羽を中心に全員で“湯切り”をしていく。後方ではケンモチが蓮華を振るい、楽しげに盛り上げているのが微笑ましい。楽曲後半には、全員で「せーの」と湯を切るとラーメンが完成、会場はさらにヒートアップした。「四天王」では、<四天王って知ってんの>というコール&レスポンスが響き渡った。

 再びのMCでは、詩羽が映画『パリピ孔明 THE MOVIE』(4月25日公開)に出演していることに加え、劇中歌「again and again」をリリースしたこと、5月1日に渋谷WWWで崎山蒼志との共演ライブがあることを告知。次の楽曲が5人のアイドルグループを描いた「一寸法師」であることを明らかにすると、客席から4人をステージに招き、詩羽を加えた5人で小槌を手に踊り、それぞれが自由なスタイルでダンスを行なった。この日だけのスペシャルユニットに、観客は大きな拍手が送られる。一転、「動く点P」は数学の“動く点P・Q”をモチーフにした楽曲。色とりどりの球体がステージを駆け巡り、光と音の連動演出が美しく彩った。

 「どうですか、詩羽は?」と問いかけると、「かわいい!」と即答の声が飛ぶ。ツアーでは毎公演、異なる衣装を着てきたと語り、この日は赤を取り入れた派手なロリータ衣装であること、最近のお気に入りだと嬉しそうに話した。「人との出会いが多くなる時期、好きなものを否定されることもあるかもしれない。でも、自分の好きなものを抱えていることが大事。どんなことを言われても、自分の“好き”を信じてステージに立ち続けたい」と真っ直ぐに観客へ想いを届けた。

 「残り4曲です。いつも通り、アンコールはありません!」と、詩羽が笑顔で伝えると、TVアニメ『九龍ジェネリックロマンス』の主題歌「サマータイムゴースト」へ。先日の長崎で初披露したばかりの新曲で、この日が2回目のパフォーマンスだという。テンポ変化やラップを含む難曲を、堂々と歌い上げた。レゲエ調の「マーメイド」では、4本の大漁旗がステージを舞い、ホーンとブレイクビーツが絡む高揚感たっぷりの展開の中、タオル回しで会場の一体感は最高潮に。曲が終わり、詩羽がタオルを投げ入れると、ミラーボールが回転、場内に光が乱反射した。水カン最大のヒット曲「エジソン」では、心地よいハウストラックの上で観客が思い思いに踊った。詩羽は左右中央へと動きながら、観客へ投げキスを送った。

 ラストは、ライブ最後の定番曲「招き猫」。ステージ脇から巨大な招き猫が登場すると、<福を招き招き招き招き入れるのだ>に合わせて観客全体で“招き”ポーズ。多幸感に包まれたまま、「今日はありがとうございました! 水曜日のカンパネラでした」と詩羽が挨拶。最後は両手でバンザイし、「ツアーに来てくれてありがとう! みんな愛してるよー! またね!」と叫び、詩羽とケンモチはステージを後にし、ホールツアーは大団円の中、幕を閉じた。

 ラストを飾る東京公演にて、詩羽体制初となるアジア・ヨーロッパツアー【SUMMER TIME GHOST】の開催を発表した水曜日のカンパネラ。本ツアーでは、2025年6月から8月にかけてアジア3か国(ソウル、台北、バンコク)、ヨーロッパ3か国(ロンドン、ミラノ、パリ)を巡っていく。更に、カトヴィツェにて開催される音楽祭典【OFF FESTIVAL】への出演も決定している。詩羽が水曜日のカンパネラに加入して以来初のヨーロッパ公演となるので、是非チェックしてほしい。

PHOTO:横山マサト

<セットリスト>
01.ティンカーベル
02.バッキンガム
03.ディアブロ
04.聖徳太子
05.シャルロッテ
06.金剛力士像
07.赤ずきん
08.たまものまえ
09.願いはぎょうさん
10.赤猫
11.四天王
12.一寸法師
13.動く点P
14.サマータイムゴースト
15.マーメイド
16.エジソン
17.招き猫


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