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音楽史に名を刻む伝説的シンガー、メイヴィス・ステイプルズが一夜を彩った。2025年3月11日・12日・13日の3日間にわたって、ビルボードライブ東京にて開催される彼女の単独公演。力強くも美しい彼女のボーカルに包まれ、大盛況のうちに閉幕した11日の初日公演をお届けする。※公演内容に関する記述を含みます。
心地よいギターのカッティングが響き始めると、ピンク色のシャツに身を纏ったメイヴィスがステージに登場。大きな歓声で迎えられる中、彼女がメンバーとして在籍した、ステイプル・シンガーズの「City In the Sky」からスタートを切った。会場に響き始めるソウルフルな歌声。御年85歳とは考えられないほどの圧倒的なボーカルを目の当たりにし、観客のテンションが一気に上がっていく。続いて披露された「I’m Just Another Soldier」では、曲の終盤で「I’m a soldier!」という彼女の力強いシャウトが空間を突き抜けた。そして、カントリー調の軽快なナンバー「Hand Writing on the wall」、ブルージーな雰囲気の「Who Told You That」「Can You Get to That」が繰り出され、ステージはさらに盛り上がりを見せていく。
美しいコーラスとリズミカルなギターが印象的な、ステイプル・シンガーズの名曲「Got To Be Some Changes Made」が奏でられる。バンドのサウンドに対して自由自在な変化を見せる繊細で強かなボーカル。続く「I Belong to the Band」では、何度も「Hallelujah!」と叫びながら観客を興奮に巻き込んでいく。エネルギッシュな歌声はさらに存在感を増していき、ステイプル・シンガーズの大ヒット曲「Respect Yourself」へ。大きな歓声が響く中、時には拳を掲げて訴えかけるように歌い続けるメイヴィス。そのパワフルさは、まさに彼女の生き様を反映しているかのようだった。会場の一体感にも磨きがかかる中、日本の民謡「ソーラン節」のカバー「Solon Bushi」が始まる。1970年発表のステイプル・シンガーズ『We’ll Get Over』の収録曲で、全て日本語歌詞で歌われる同曲。日本での歌唱は今回が初めてで、会場はより一層ハッピーなムードに包まれた。
ライブが後半に差し掛かってもなお、全く衰えを知らないメイヴィスの歌声。ノラ・ジョーンズとのコラボ楽曲「Friendship」、続いて演奏された「Far Celestial Shore」では、優しく繊細な歌声が心に染み入り観客の涙を誘った。彼女の表現の幅の広さをあらためて実感した瞬間だった。音楽に生き、音楽に生かされてきたメイヴィスの歌声は、人々を魅了する大きなパワーを常に放っていた。最後を飾ったのは、エディ・ヒントンのカバー「Everybody Needs Love」。観客と心を通わせ合いながら、“愛”を歌い上げた。会場全体が笑顔と幸福感に溢れる中、メイヴィスはステージを後にした。
長年のキャリアで生み出されてきた楽曲の数々を披露してくれたメイヴィス。ゴスペルやブルース、ソウルなどのジャンルを横断しながら、パワフルで美しい歌声を聴かせてくれた。愛と平和を歌い続ける“生きる伝説”は確かに健在だった。12日・13日に開催される公演も奇跡のステージとなること間違いないだろう。
Text by Yutaro Takahashi
Photo by cherry chill will.
◎公演情報
ビルボードライブ東京(1日1回公演)
2025年3月11日(火)OPEN 18:00 START 19:30
2025年3月12日(水)OPEN 18:00 START 19:30
2025年3月13日(木)OPEN 18:00 START 19:30
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