<ライブレポート>ammo、全24公演のリリース・ツアー【Don't Cry No Tour“百ノ位編”】東京公演開催 “ホーム”で魅せたライブバンドの現在地

2025年2月22日 / 00:00

 ammoがメジャー1stアルバム『SONG LIE』を携えた全国ツアー【Don’t Cry No Tour】の、小規模ライブハウスを中心とした“百ノ位編”東京公演が1月16日に高田馬場CLUB PHASEにて開催された。同ツアーは昨年9月に東名阪のZeppで行われた“千ノ位編”を皮切りに、単独公演と対バン公演を交えた“百ノ位編”を昨年10月から今年1月にわたり実施。今回の高田馬場CLUB PHASE公演は同ツアーにおける、関東での最後のライブとなる。

 フロアに収まりきらないほど大勢のファンが詰めかけた本公演は、定刻が少し過ぎた頃に会場が暗転。オープニングSEに導かれるように岡本優星(Vo. / Gt.)、川原創馬(Ba. / Cho.)、北出大洋(Dr.)がステージに姿を現し、3人で向かい合って気合い入れをする。そして、岡本が優しく爪弾きながら歌う「箱の中から」でライブが始まると、フロアからは喜びの歓声が湧き上がる。

 ゆったりしたテンポでじわじわと熱量を高めていくアンサンブルに、オーディエンスはじっくり耳を傾けつつも、抱えた興奮をいつ爆発させるのかという状態。曲がエンディングを迎え演奏が激しさを増すと、岡本の「大阪、ammo始めます!」の宣言とともに「やまない愛はある」でギアチェンジ。北出が打ち出すパワフルなビートに乗せて岡本は激しく頭を振りながらギターを弾き、川原はグルーヴィーなベースラインを奏でながらハーモニーを重ねていく。そんなダイナミックな演奏を前に、観客は感情を爆発させて思い思いの方法でライブを楽しんでいく。

 アッパーな「深爪」でフロアの熱気がさらに加速すると、バンドは当初予定されていなかった「卒業」「後日談」を連発。川原が「全力で来い!」と煽ると観客の盛り上がりにも拍車がかかり、クラウドサーフやシンガロングで応えていく。そんな自由奔放なスタイルに対し、岡本も「こんな感じでやるから、今日はよろしくね!」と挨拶。さらに「ジュブナイル」をプレゼントすると、フロアは歓喜の声で湧き上がった。

 ライブ序盤から激アツな空間を作り上げたammoは、「馬鹿な人」「Chill散る満ちる」といったミディアムナンバーを経て「意解けない」から『SONG LIE』収録曲を中心としたブロックに突入。軽やかなビートの「ナイタールーム」や「愛魔性の女」といった新曲群にエモーショナルな「なんでもない」を交えつつ、力強いグルーヴをともにammoらしさが強く滲み出た歌詞やメロディをじっくり届けていく。

 岡本がバンドの“東京のホーム”である高田馬場CLUB PHASEで約2年半ぶりにワンマンライブができる喜びを口にすると、フロアは温かな空気に包まれる。そんなアットホームな雰囲気も、続く「それでも変われないでいる」で一変。曲が進むにつれて激しさが増す演奏に、オーディエンスも再び熱狂的な姿勢で答えていく。岡本が「東京! 高田馬場CLUB PHASE! ammo、戻ってきたぜ!」と高らかに叫ぶと、バンドは「突風」「星とオレンジ」「包まれる」とアグレッシヴなナンバーを連発。「こんなもんだっけ?」「まだまだいけるよな?」などの煽りも加わり、会場の空気を反映させたセットリストでフロアはカオスと化す。

 「koi」からライブ終盤戦に突入すると、ピアノを軸とした音源とは異なるアレンジの「埃人間」、心地よいビート感の「ルウ」と再び『SONG LIE』からの楽曲が続く。そして「SING ALONE GOOD」で再び一段高いギアが入ると、ライブもクライマックスへ。ストレートな「未開封」のエンディングで岡本が「時間がないんで、ここで終わります!」と口にするも、バンドはそのまま「これっきり」を演奏し始め、盛り上がりがさらに加速したところでライブ本編は幕を下ろした。

 予定調和を拒否する、いかにもライブバンドらしいステージで観る者を楽しませ続けるammoは、アンコールでもその姿勢を崩すことはない。オーディエンスに向けて改めて新年の挨拶をした岡本は、「俺たちの旅はまだまだ続くぜっていう曲」と説明してからレゲエテイストの「High Ace!!!」からライブを再開。緩やかなビートで観客を一度クールダウンさせてから、3ピースならではのアンサンブルの妙義を楽しめる「終わらないプレリュード」、フロアからシンガロングが自然発生する「ハニートースト」とキラーチューンを叩き込み、前のめりなファストチューン「歌種」で会場を再びカオティックな空気で包み込んで、約2時間におよぶステージを締め括った。

 ライブバンドであることに徹底的にこだわり、ライブハウスで演奏できることを心の底から楽しむ姿勢をオーディエンスの胸に強く刻み込んだこの日のライブ。全24公演にもおよぶ本ツアーは、2月21日に大阪・なんばHatchで開催された“クライマックス編”で締めくくられた。そして、充実作『SONG LIE』と同作を携えたツアーを経て、キャリア初となる東京でのホール、大阪での野外ワンマンが決定。ammoがここからどんな景色を見せてくれるのか、今後の展開を楽しみに待ちたい。

Text:西廣智一
Photo:toya

◎セットリスト
【ammo「Don’t Cry No Tour 百ノ位編」】
2025年1月16日(木)東京・高田馬場CLUB PHASE
01. 箱の中から
02. やまない愛はある
03. 深爪
04. 卒業
05. 後日談
06. ジュブナイル
07. 馬鹿な人
08. Chill散る満ちる
09. 意解けない
10. ナイタールーム
11. なんでもない
12. 愛魔性の女
13. それでも変われないでいる
14. 突風
15. 星とオレンジ
16. 包まれる
17. 卒業
18. SHI’NE
19. フロントライン
20. koi
20. 埃人間
21. ルウ
22. SING ALONE GOOD
23. 未開封
24. これっきり
En
25. High Ace!!!
26. 終わらないプレリュード
27. ハニートースト
28. 歌種

◎公演情報
【インマイライブ・クォーターライフ】
2025年6月21日(土)
東京・Kanadevia Hall(TOKYO DOME CITY HALL)
OPEN 17:00 START 18:00
2025年6月29日(日)
大阪・大阪城音楽堂
OPEN 16:30 START 17:30

クレジット限定最速先行:2月21日解禁時~3月2日(日) 23:59まで

◎リリース情報
「身体一つ、恐怖断つ。」
2025/2/22 DIGITAL RELEASE


音楽ニュースMUSIC NEWS

ラブリーサマーちゃん、Prime Video『セフレと恋人の境界線』主題歌を担当

J-POP2025年8月5日

 ラブリーサマーちゃんが、2025年9月3日に配信となるPrime Video新番組『セフレと恋人の境界線』の主題歌を担当する。  本番組にはMC陣として、YOU、高比良くるま(※)(令和ロマン)、サーヤ(ラランド)、千葉雄大が出演。令和を … 続きを読む

Ryosuke Yamada、ファッション×音楽のイベント【ZOZOFES】出演

J-POP2025年8月5日

 Ryosuke Yamada(山田涼介)が、2025年10月12日および13日に神奈川・Kアリーナ横浜で開催される【ZOZOFES】に出演する。  ZOZOTOWNの20周年を記念した【ZOZOFES】は、ZOZOTOWNが誕生した200 … 続きを読む

ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラー、東京追加公演が決定

洋楽2025年8月5日

 2025年12月に行われる、ゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーの東京公演がソールドアウトとなったことをうけて追加公演が決定した。  追加公演は、12月17日に東京・KANDA SQUARE HALLにて開催され、チケットの一般発 … 続きを読む

<ライブレポート>FOMARE、MONGOL800を迎えた10周年ツアーファイナル 初ワンマンの地で見せた10年の蓄積

J-POP2025年8月5日

 結成10周年を迎えたFOMAREが、全国ツアー【揉みに揉まれて10周年ツアー】を開催。7月24日、東京・渋谷 Spotify O-EASTでツアーファイナル公演を行った。  ツアー最終日にはワンマンライブを開催することが多いFOMAREだ … 続きを読む

椎名林檎、公式TikTokを開設&新曲「白日のもと」MV公開へ

J-POP2025年8月5日

 椎名林檎が公式TikTokアカウント(@sheenaringo_official)を開設した。  本アカウントでは、8月6日発売の両A面シングル『実験中/白日のもと』を始め、最新コンテンツをアップしていく予定とのこと。  また、両A面シン … 続きを読む

Willfriends

page top