<ライブレポート>Tokimeki Recordsがゲストボーカルを迎えてビルボードライブ公演開催、新たなサウンドで名曲を彩ったプレミアムな一夜

2025年2月5日 / 18:00

 都会の夜に、美味しいお酒と食事と、洗練された上質な音楽を――。心ときめくノスタルジックな音楽をクリエイトするプロジェクト・Tokimeki Recordsが、1月28日にビルボードライブ横浜でワンマンライブを開催した。

 Tokimeki Recordsほど、ビルボードライブのシチュエーションにぴたりとハマるアーティストは少ないかもしれない。2022年のアルバム『透明なガール』のオープニングを飾る、インスト曲「Virgin Mojito」に乗ってメンバーが登場し、ボーカリスト・ひかりが「MIND CIRCUS」を歌い出した瞬間、豊かなグルーヴと華やかな空気が会場いっぱいにふわりと広がる。ステージ中央にぽつんと灯る「トキメキRECORDS」のネオンサイン。黒のスーツやジャケットで決めたダンディなプレイヤーたち。パープルカラーの清楚なノースリーブドレスに身を包み、コケティッシュな魅力を振りまくひかり。いい雰囲気だ。

 「MIND CIRCUS」は、オリジナルの歌は中谷美紀、作曲は坂本龍一。続く「ウェザーリポート」は、シンガーソングライター・一十三十一(ひとみとい)の作品で、「OH NO,OH YES!」は竹内まりやが作詞作曲、中森明菜が歌ったJ-POPのスタンダード。いわゆる隠れた名曲、シティポップ・リバイバルの中で再評価が定着した楽曲たちに新たな光を当てる、Tokimeki Recordsのセンスが輝くセットリスト。ダンスクラシックスの生々しくしなやかなリズムと、クラブミュージックのループする中毒性を併せ持つ、一体感ある演奏が心地いい。お酒が美味しくなる音楽だ。

「こんばんは、Tokimeki Recordsです。ビルボードライブ横浜へお越しいただき、ありがとうございます。最後まで一緒に楽しんでいきましょう」

 ひかりがステージを降り、入れ替わりにサックス・プレイヤーが登場すると、ここから2曲はアップテンポのインスト曲でダンサブルに情熱的に。「Night Birds」と「Invitations」はどちらもシャカタクの曲で、80年代のジャズ/フュージョンを代表する、誰もが知る名曲。ホットなギターソロ、華麗なオルガンソロをたっぷりフィーチャーして盛り上げる、お客さんはもちろん、誰よりも音楽を楽しむメンバーの笑顔が印象的だ。

「短い時間ですが、素敵な夜にできたらと思います。スペシャルな夜にしたいということで、ピアノとデュオで歌わせていただきます」

 ひかりがステージに戻ると、グランドピアノと歌のデュオ・ステージが始まった。曲はどちらもTokimeki Recordsのオリジナルで、『透明なガール』に収録されている「小さな嘘 -Callin’ me-」と「One More Kiss」。心のすれ違いや寂しさを描く歌と、恋の始まりにときめく歌。ひかりの歌には独特の透明感と浮遊感があり、さらりとした聴き心地と中性的な魅力がある。ピアノを弾くのは半田彬倫。時にリズミックに、時にしんみりと、目を合わせながらメロディとリズムを紡ぎ出す。二人の息はぴったりだ。

 ドラマのストーリーが進むように、次々とシーンが変わっていく。ここから2曲はゲストシンガーを迎え、Tokimeki Recordsの魅力を多面的に伝える時間。淡いパステルカラーのドレスをまとったJU!iEが、Tokimeki Recordsがプロデュースしたオリジナル曲「Orange Sea」を歌う。儚げな、ふわりと漂うような歌声が愛らしい。続いて登場したNatsu Summerは、スニーカーにオーバーサイズのスーツ姿、ガーリーな甘い声でオーディエンスの目と耳を惹きつける。曲は80年代に間宮貴子が歌った「真夜中のジョーク」。シティポップ・リバイバルが生んだ隠れた名曲を、フルートをフィーチャーしてグルーヴィーに聴かせる。

「みなさん楽しんでますか? 後半戦、盛り上がっていきましょう!」

 笑顔いっぱいのひかりが呼びかける、それはライブのクライマックスを飾るダンスタイムへの誘い文句。オリジナル曲「透明なガール」は、オーディエンスの手拍子のリズムに乗って軽快に。亜蘭知子のカバー「I’m In Love」は、ドライブミュージックにぴったりのスピード感で爽快に。イントロからパワフルなサックスソロが炸裂する「puzzle」は、バンドメンバー全員が気合満点で豪快に。演奏の熱気に煽られて、ひかりの歌にもぐっと熱がこもる。

 さらにテンポを上げて華やかにダンサブルに、オリジナル曲「Love Like A Bomb」を歌いながらオーディエンスにクラップを求めて盛り上げる。そして本編ラストは「Make-up Shadow」。誰もが知っている井上陽水による90年代の大ヒットチューンを、Tokimeki Recordsならではのクラブミュージック的に解釈したサウンドが新しい。右手を高く上げ、笑顔でポーズを決めるひかりがかっこいい。

 しかしダンスタイムはまだ終わらない。アンコールでは竹内まりや「今夜はHearty Party」と、オリジナル曲「Sweet Escape」を披露して、もうひと盛り上がり。本編では一度も使わず、アンコールだけ大活躍するミラーボールの演出が冴えている。

「ありがとうございました! Tokimeki Recordsでした」

 頼れるバンドメンバーは、MELRAW(Sax)、宮脇翔平(Key. / MP.)、半田彬倫(Key)、堀井慶一(Ba.)、上原俊亮(Dr.)、YUMA HARA(MD. / Gt.)。そしてゲストシンガーのNatsu Summer(Vo.)とJU!iE(Vo.)。この夜のパーティーを作り上げた全員を紹介して、鳴りやまない拍手に笑顔で応えるひかり。“都会の夜の帳を舞台に、ノスタルジックな音楽を届けるプロジェクト”Tokimeki Recordsの魅力をぎゅっと詰め込んだ、ビルボードライブならではの素敵な一夜、素敵な音楽体験がここにあった。

Text:宮本英夫
Photo:Akira Hidaka

◎セットリスト
【Tokimeki Records(トキメキレコーズ)】
2025年1月28日(火)神奈川・ビルボードライブ横浜 2ndステージ
1. MIND CIRCUS
2. ウェザーリポート
3. OH NO, OH YES!
4. Night Birds
5. Invitations
6. 小さな嘘 -Callin’ me-
7. One More Kiss
8. Orange Sea
9. 真夜中のジョーク
10. 透明なガール
11. I’m In Love
12. puzzle
13. Love Like A Bomb
14. Make Up Shadow
En1. 今夜はHearty Party
En2. Sweet Escape

◎リリース情報
シングル『Miracle Love (feat. asmi) / 今夜はHearty Party (feat. ひかり)』
<7インチレコード盤>
2025/4/23 RELEASE


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