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新進気鋭のガールズグループ・UN1CON(ユニコン)が、練習生時代からショーケースを行っていた東京・渋谷 Studio Freedomで、12月4日に1stファンミーティング【Beautiful Work of A.R.T.】を開催した。AKARI(アカリ)、KOKORO(ココロ)、JOA(ジョア)、NARAE(ナレ)、MANAMI(マナミ)の5人からなるこのユニットは、10月19日にシングル「A.R.T.」でデビュー。いずれのメンバーも『SPECIAL1 ENTERTAINMENT & ACADEMY』(K-POPの育成メソッドを取り入れた指導で定評のあるアーティストアカデミー)出身で、厳しいトレーニングで磨き上げたパフォーマンスとビジュアルは、早くもオンリーワンの輝きを放っている。
すでに【Rakuten GirlsAward 2024 AUTUMN/WINTER】(10月19日)や、【SHIBUYA109 L▽VE MUSIC FES】(※)(10月20日)といったイベントでステージに立っているものの、UN1CON単独の公演はこの日が初めて。緊張しながらも持てる力のすべてを出し切った彼女たちに、会場を埋めつくしたファンたちは大きな声援と惜しみない拍手を送った。本公演は2部制で行われたが、本稿では2ndステージの模様をお届けしたい。
開演時刻になり、MCの紹介に続いて5人のシルエットが現れると、客席のあちこちから歓声がわき起こる。注目の1曲目は、K-POPのビッグネーム・2NE1の大ヒットナンバー「I AM THE BEST」をUN1CONによるコレオでダンスを披露。押しの強いリズムに乗りながらガールクラッシュ的な魅力をしっかりと見せた後は、間髪を入れずに初のオリジナル楽曲「A.R.T.」のパフォーマンスを披露した。
UN1CON を全面的にサポートしている韓国出身のROYDO(プロデューサー、シンガー・ソングライタ、ボーカル・ディレクター)は、このユニットを通して「今までの日本の音楽とは何か違うものを探している」と言う。「A.R.T.」は、オールドスクール・ヒップホップをベースにしながらK-POPの黎明期の熱気も感じさせるサウンドメイクで、そこに芯の強さと優しさを兼ね備えた歌と踊りが加わると、独自の世界観が広がっていく。確かに過去のJ-POPにはなかったテイストを感じさせる仕上がりである。
MCとのトークタイムでは数々の質問に対してにこやかに回答し、場内は和やかなムードに。「A.R.T.」を出したときの気持ちを聞かれたMANAMIは、「UN1CONらしい曲でデビューできたことを誇りに思う」と熱く語り、MVの撮影時に関してKOKOROは、「緊張してガチガチだったんですけれども、それを他のメンバーにいじめられて…、いや、いじられました!」と話してファンたちを笑わせる。またJOAは、【Rakuten GirlsAward 2024 AUTUMN/WINTER】のステージで「みんなで練習してきたものを全部出せた」と満足げな表情を浮かべ、【SHIBUYA109 L▽VE MUSIC FES】(※)についてAKARIが、「一緒に踊ってくださったり、目があったりしながらパフォーマンスできたのが私たちにとって力になりましたし、思い出にもなりました」と真摯にコメント。最後にNARAEが、雑誌の写真撮影を経験して「楽しいというか、ワクワク感がありました。私たちらしさを出せたんじゃないかな?」と余裕を見せるなど、5人のキャラクターの違いが伝わるやりとりは、ファンミーティングにふさわしいものだった。
続くソロダンスコーナーでも、個々の持ち味を存分に発揮するUN1CON。一挙手一投足に華があるAKARI(カバー曲:ミーガン・ジー・スタリオン「HISS」)、レゲトンのリズムに無理なく溶け込む動きでポテンシャルの高さを示したNARAE(同:アマレイ「Angels in Tibet」)、ラストで見せた強気の表情でアーティストとしての覚悟を示したJOA(同:フロー・ライダー「Low」)、そして韓国のヒップホップ系ガールズグループ・YOUNG POSSEの「XXL」で全員が激しく踊り、同世代との国境を越えた連携を宣言。このようにカバーソングでもしっかり自己主張できるグループは、日本のみならず海外でもほとんどいないのではないだろうか。
熱いステージングの余韻が消えないまま、2度目のトークコーナーへ。「ツアーをするならどこに行きたい?」「日々のモチベーションの上げ方は?」など、会場を訪れた人たちからの質問をセレクトしてサクサクと答えていく5人の表情は充実感に満ちあふれている。
実は彼女たちは声だけでも聴き手の心をとらえる力が十分にある。そんなことを認識させてくれたのが、ボーカルコーナーだ。KOKOROはTLCの「Unpretty」を爽やかに、AKARIはSZAの「Saturn」を軽やかに歌い上げ、MANAMIとJOA、NARAEの3人はリミックスしたZICO & MINOの「Okey Dokey」でキレのいいラップを決める。ソロシンガーでも活躍できそうなメンバーがそろっているのも、UN1CONの大きな強みと言えよう。
イベントもいよいよ終盤。最後はひとりずつ、自身の手紙を読み上げた。「私は幼い頃からいろいろなアーティストを見て元気をもらっていました。今度は私たちの存在や音楽でみなさんに元気を与えたいです」(AKARI)、「ファンになってもらったからには後悔させません!」(KOKORO)、「まだまだ見せていない姿がたくさんあるので、今後もついてきてくれたら嬉しいです」(NARAE)、「自分が今までがんばってきたことは間違っていなかったのだと思いました」(MANAMI)、「会いに来てくれるときは絶対に幸せな気持ちで帰ってもらえるように、私はいつでもハッピーな気分でいます」(JOA)。5人の誠実なメッセージに感動したファンも多かったはずだ。
1時間ほどのイベントの締めくくりは、2NE1のカバーで「UGLY」を熱唱。〈世の中は不平等/生まれたときからスタートラインが違うんだ/なにもかもうまくいかなくてイライラする〉という歌詞は、練習生時代の自分たちの気持ちを代弁しているようで、聴いている側も心が締め付けられる。“でも今は違う”とアピールするかのように、続けて本日2回目の「A.R.T.」で盛り上げたメンバーたちは、名残惜しそうにステージを去っていった。
初のファンミーティングは終始アットホームな雰囲気に包まれていたように思う。そう感じさせたのは、メンバーの家族やKOKOROの兄・松田元太(Travis Japan)が贈った花が飾られたフロアも一因だったのかもしれないが、何よりもファンの温かいレスポンスがあったからこそである。「5人でUN1CONではなく、あなたがいてUN1CONがいます」。最後にMANAMIが語ったこの言葉の通り、支えてくれる人たちとともに歩いていくことで、彼女たちは次の一歩を踏み出す勇気をもらえるのだろう。今後の展開がどうなるのか、楽しみで仕方ない。
Text by まつもとたくお
Photos by 荒川 潤
◎公演情報
【Beautiful Work of A.R.T.】
2024年12月4日(水)東京・Studio Freedom
(※)▽は白抜きハートが正式表記
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