<ライブレポート>Galileo Galileiがビルボードライブに初登場 音楽と温もりで彩るクリスマス・ホームパーティー

2024年12月10日 / 18:00

 Galileo Galileiが12月4日、ビルボードライブ横浜で【Billboard Live presents Galileo Galilei「メリー!メリー!GG」】と題した一夜限りのワンマンライブを開催した。

 2024年はメンバーの尾崎雄貴(Vo./Gt.)と尾崎和樹(Dr.)も所属する別バンド、BBHFとの対バンイベントをはじめ、異なるテーマのフルアルバム『MANSTER』と『MANTRAL』の2枚同時リリース、そしてそれを携え全国7都市で開催されたツアー【Galileo Galilei Tour 2024 Tour M】など、あふれる創作意欲に突き動かされるような多忙な日々を送ってきたGalileo Galilei。中でも10月25日に東京・Zepp Hanedaでファイナルを迎えた【Galileo Galilei Tour 2024 Tour M】は、バンドの歴史を追体験できるような劇をメンバー自身が演じ、それを軸にライブが進行していくというチャレンジ精神にあふれた内容だった。それを経て、およそ1ヶ月ぶりに行われた本公演は一転、まるでメンバーたちが主催するクリスマスのホームパーティーに招待されたかのような、終始リラックスしたムードが漂っていた。

 定刻となり、サポートメンバーの大久保淳也(Sax.)と共にメンバーの雄貴、和樹、岩井郁人(Gt./Key./Chor.)、そして岡崎真輝(Ba.)がステージに現れた。全員が、いわゆる「ダサセーター」(クリスマス特有の柄を編み込んだ、ダサければダサいほど「クール」とされるパーティージョークグッズ)を身につけての登場に、客席のあちこちからクスクスと笑い声が漏れている。すでに事前の告知ポスターやアーティスト写真などで、このダサセーターを着た4人の写真やイラストを目にしていたファンも多かったに違いない。オーディエンスの中には、メンバーと同柄の「ダサセーター」姿で挑む人たちもいて、ステージ上に飾られた大きなクリスマスツリー(そこにはファンから贈られた編みぐるみなどのプレゼントが飾られている)も相俟って、ホームパーティー気分がさらに高まってく。

 「僕らはいつも、北海道にある自分たちの拠点である『わんわんスタジオ』に集まって、そこで曲を書いたりレコーディングやリハーサルをしたり、時にはゲームをやったりただただおしゃべりしたりしているんですけど、今日のライブはまさに、そんな自分たちの『素』の部分を丸ごと持ち込んだような雰囲気になると思いますので、みなさんも食事やお酒を楽しんだりしながら、リラックスした気持ちで楽しんでください」

 ライブの途中、MCで雄貴がそう話していたように、この日の演奏は同期も極力控えめにして5人の生のアンサンブルをいつも以上にフィーチャーしていた。煌びやかなシンセフレーズをループさせつつ、そこに5人の生演奏と歌を乗せた「リジー」からライブはスタート。岡崎が音頭をとって全員で「乾杯」したあと披露した「ファーザー」では、岩井の爪弾くアコギを主軸に躍動感あふれるバンドサウンドを展開した。ちなみに、この日はビルボードライブ横浜とのコラボカクテル(アルコール/ ノンアルコール)も用意され、【Galileo Galilei Tour 2024 Tour M】の世界観を引き継ぐかのように、その名を「復活の精霊」とするなど細部にもこだわりを見せていた。

 R.E.M.やリプレイスメンツ、ハスカー・デュなど1980年代後半~1990年代前半のカレッジロックを源流に持つような、疾走感あふれるフォークロック「死んでくれ」では荒れ狂う大久保のサックスソロに胸を焦がし、続くミドルチューン「くそったれども」の、ファンタジックなメロディラインに乗って歌われる〈くそったれくだらない地球という星から おさらばできるのが腹の底から嬉しくなりません〉という歌詞が、コロナ後の混乱したこの世界においてより切実に響く。そう、Galileo Galileiの楽曲は、現実に疲弊しきった僕たちの心をいつだって優しく包み込むシェルターのような存在なのだ。

 茅野愛衣との掛け合いボーカルが印象的な、そしてこの時期に聴くとまるでクリスマスソングのようにロマンティックな「青い栞」から、和樹のタイトなリズムの上で岩井がアコギを激しくストロークする「リトライ」へ。雄貴によるカウントを合図に、大久保が激しいサックスソロを響かせると、客席からは自然発生的に拍手が巻き起こる。

 地声とファルセットを巧みに織り交ぜながら、雄貴が伸びやかなボーカルを聴かせるミドルチューン「Imaginary Friends」、弾むようなリズムと郷愁漂う切ないメロに乗せ、どんなに幸せでも心の奥底に潜む根源的な恐怖を歌う「ブギーマン」、そしてフリート・フォクシーズやボン・イヴェールあたりを彷彿とさせるインディーフォーク調の「カラスの歌」を続けて披露し、気づけばライブも後半へ。コクトー・ツインズ~ビーチ・ハウスの系譜に位置するドリームポップ曲「燃える森と氷河」、プライマル・スクリームの「Loaded」を思わせるグルーヴィーな「UFO」、シンコペーションの効いた岩井のギターリフと、それを支える和樹のドラムに目が釘位づけになった「色彩」を続けて披露し、客席のボルテージをじわじわと上げていく。

 「ここからアガる曲をやっていくんで、みなさんアガってください」と雄貴が呼びかけ、それまで着席スタイルで演奏していたメンバーが一斉に立ち上がり、オーディエンスもそれにハンドクラップで応じている。そして、「人力エレクトロポップ」ともいうべきダンサブルな「SPIN!」を演奏し、「またここで会えるのを楽しみにしています」と雄貴が挨拶したあと「Sea and The Darkness Ⅱ」を曲名どおり真っ暗な闇(darkness)の中で披露。いつものようにアンコールなしで、この日のライブを締め括った。

 毎回趣向を凝らしながら、さまざまな表現スタイルへと果敢にチャレンジするGalileo Galilei。今回は「素」の自分たちを衒いなく披露してみせた彼らが、『MANSTER』(黒盤)、『MANTRAL』(白盤)に続く3枚目のアルバム(青盤)と、来年3月15日に東京ガーデンシアターで開催予定のライブ【Galileo Galilei “あおにもどる”】でどのような変貌を成し遂げるのか、今から楽しみだ。

Text:黒田隆憲
Photo:Masanori Naruse

◎セットリスト
1.リジー
2.ファーザー
3.死んでくれ
4.くそったれども
5.青い栞
6.リトライ
7.Imaginary Friends
8.ブギーマン
9.カラスの歌
10.燃える森と氷河
11.UFO
12.色彩
13.あそぼ
14.SPIN!
15.Sea and The Darkness Ⅱ

◎公演情報
【Galileo Galilei “あおにもどる”】
2025年3月15日(土)東京・東京ガーデンシアター
開場 16:30 / 開演 17:30


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