【ビルボード 2024年 年間ニコニコ VOCALOID SONGS】吉田夜世「オーバーライド」上半期に引き続き首位獲得(コメントあり)

2024年12月6日 / 04:01

 2024年の年間Billboard JAPAN“ニコニコ VOCALOID SONGS”で、吉田夜世の「オーバーライド」が1位に輝いた。

 本チャートは、2022年12月7日からスタートしたニコニコ動画におけるVOCALOID曲の人気を測るチャートだ。オリジナル動画や二次創作動画などの動画再生数や動画総数、コメント数、いいね数などのデータにBillboard JAPANが独自開発した係数に乗じて上位20位までのランキングを生成している。

 2024年の年間チャートを制した「オーバーライド」は、吉田夜世が2023年11月29日に投稿した楽曲。アップテンポで軽快な曲調に加えて、多くのミームを取り入れた歌詞が話題になった。タイトルの「オーバーライド」は、古いデータやソフトを新しいものに置き換えることを意味するIT用語とされている。この楽曲を使った二次創作動画がまさに「オーバーライド」のように次々と投稿され、その盛り上がりがオリジナル楽曲とのシナジー効果を生み出した。「オーバーライド」は2024年1月10日公開分のチャートで初登場して以来、常にトップ20入りを維持し、2月28日公開分以外はすべてトップ10入りを果たしている。ポイントではオリジナルと二次創作の両方が1位を記録し、合計で2位の約1.6倍という大差で年間首位に輝いた。

 2位のサツキ「メズマライザー」は、VOCALOID歴代2位の速さ(約14日)でニコニコ動画で伝説入り(合計100万回再生)を果たした楽曲。曲名の「メズマライザー」は「催眠術をかける人」を意味する英単語で、楽曲制作のサツキとMVを手掛けたアニメーターのchannelが制作する際、「催眠術」というテーマのみを共有して作り上げたという。このため、国内外のファンの間で作品の考察が話題になった。上半期チャートでは投稿からわずか5週で6位にチャートインし、その後もトップ10圏内を維持し続け、安定した成績で年間の2位を飾った。

 続いて3位は、jon-YAKITORY「混沌ブギ」。2023年8月に投稿された同曲は、盛り上がる曲調とポップなMVが相まって絶大な人気を集めた。ニコニコ動画ではjon-YAKITORYにとって初の伝説入りを記録し、YouTubeでの再生回数も2024年12月6日時点で4,800万回を突破している。

 そして、原口沙輔が「人マニア」「イガク」の2曲を送り込み、それぞれ4位と5位にチャートイン。「人マニア」は本チャートで史上最多の18週連続で首位を獲得した楽曲で、年間UGCソングチャート“Top User Generated Songs”でも3位を獲得した。一方、2月23日に投稿された「イガク」は【ボカコレ2024冬】の<TOP100ランキング>で1位に輝き、本チャートでも通算19週でトップ10を果たしている。

 2023年の年間チャートと比べて、キャッチ―な音作りと一見相反するような「考察要素」が盛り込んだ楽曲が上位を占める結果となった。しかもこれらの楽曲への考察は国境を越えて話題を呼び続けている。コロナ禍で中止されていた初音ミクの世界ツアー【MIKU EXPO】が再開するなど、海外でのボカロイベントも活発化しており、来年にはボカロ楽曲のさらなるグローバル展開が期待される。また、各楽曲に使用されている音声合成エンジンを見ると、トップ20にチャートインした楽曲のうち、初音ミクを使用したものが最多の8曲を占めており、彼女がボカロ文化の象徴であり続けていることがうかがえる。一方、トップ10に限ると重音テトを起用した楽曲が5曲を占めており、特にトップ5では4曲が重音テトを採用している。ボカロシーンにおいて2024年は、重音テトの年とも言えるだろう。

Text by ian li

◎吉田夜世 コメント
上半期に続き年間チャートも1位ということで、驚きつつも嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます!
来年も再来年も、その先もずっとオーバーライドで盛り上がっちゃってください!

【Billboard JAPAN ニコニコ VOCALOID SONGS of the Year 2024】トップ20
1位「オーバーライド」吉田夜世
2位「メズマライザー」サツキ
3位「混沌ブギ」jon-YAKITORY
4位「人マニア」原口沙輔
5位「イガク」原口沙輔
6位「ラビットホール」DECO*27
7位「テレキャスタービーボーイ(long ver.)」すりぃ
8位「好きな惣菜発表ドラゴン」ンバヂ(nbaji)
9位「きゅうくらりん」いよわ
10位「春嵐」john
11位「マーシャル・マキシマイザー」柊マグネタイト
12位「のだ」大漠波新
13位「アンノウン・マザーグース」wowaka
14位「フォニイ」ツミキ
15位「神っぽいな」ピノキオピー
16位「ロウワー」ぬゆり
17位「ザムザ」てにをは
18位「酔いどれ知らず」Kanaria
19位「ラグトレイン」稲葉曇
20位「ラヴィ(Lavie)」すりぃ

集計期間:2023年11月27日(月)~2024年6月2日(日)、2024年9月2日(月)~2024年11月24日(日)
※2024年6月3日(月)~2024年9月1日(日)分はニコニコ動画のサービス停止に伴うデータ連携の不備のため集計対象外となっております。


音楽ニュースMUSIC NEWS

アニメ『ヒロアカ』歴代テーマ曲のオンラインリスニングパーティー開催、【垂れ流せ!ヒロアカソング!2025】

J-POP2025年11月28日

 アニメ『僕のヒーローアカデミア』歴代テーマソングを集めたプレイリストを使用した、オンラインリスニングパーティー【垂れ流せ!ヒロアカソング!2025】が今年も開催される。  『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)で10年にわたって連載され、202 … 続きを読む

シンシア・エリヴォ、2025年の【メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード】でオープニングを飾る

洋楽2025年11月28日

 シンシア・エリヴォが、「Feeling Good」の圧巻のパフォーマンスで【メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレード】2025年版のオープニングを飾った。  ピアニストを伴い、小さな円形ステージに立った38歳のエリヴォは、現地時間20 … 続きを読む

今夜11/28『Mステ』上白石萌音がRADWIMPS楽曲を本人の前でカバーほか、トラジャ/緑黄色社会/マカえん/乃木坂/きゅーすと

J-POP2025年11月28日

 今夜11月28日21時より放送のテレビ朝日系『ミュージックステーション』に、上白石萌音、RADWIMPS、Travis Japan、緑黄色社会、マカロニえんぴつ、乃木坂46、CUTIE STREETが出演する。  上白石萌音は、2年ぶりの … 続きを読む

ヤングスキニー、ドキュメンタリーフィルム先行上映会&トークイベント開催決定

J-POP2025年11月28日

 2026年2月17日に自身最大規模となる日本武道館公演を控えるヤングスキニーが、ドキュメンタリーフィルム『世界が僕を嫌いになっても』の先行上映会を、全国3劇場で開催することを発表した。  本ドキュメンタリー映像は、2月11日発売のニューア … 続きを読む

ドアーズ現メンバーによる最新コメント&パフォーマンスは必見、『The Doors: When You're Strange』4Kで観るバンドの一栄一落

洋楽2025年11月28日

 アメリカを代表するロックバンド、ドアーズの結成からジム・モリソン(Vo)の死までを貴重な映像とともに振り返る2010年製作のドキュメンタリー作品『ドアーズ まぼろしの世界』が4K映像化され、『The Doors: When You’re … 続きを読む

Willfriends

page top