<インタビュー> アルゼンチンのアーバン・シーン気鋭Luck Raが語る、“Cuarteto”の新たな魅力を引き出す鍵

2024年12月3日 / 18:00

 幼少期に買ってもらった音楽ゲーム「ギターヒーロー」を通じて音楽に目覚め、アルゼンチンのアーバン・シーンに旋風を巻き起こしている25歳のLuck Ra。ビルボード・アルゼンチン総合チャート“Hot 100”で1位となった「La Morocha with BM」や「Hola Perdida with KHEA」をはじめとしたヒット曲を放ち、今年2月に発表したデビュー・アルバム『QUE NOS FALTE TODO』はアルゼンチンですでに3xプラチナに認定されるなど快進撃を続けている。そんな彼が目指しているのは、故郷コルドバ発祥のアップビートなバンドサウンドが特徴的なCuarteto(クアルテート)の魅力を世界中の人々に伝えることだという。

ーーまず、音楽を志したきっかけについて教えてください。

子供の頃から、おもちゃを使ってロック・バンドごっこをして遊んでいて、その後、両親が買ってくれた音楽ゲーム「ギターヒーロー」にのめり込んだんだ。12歳の時にギターを買ってもらい、本物で練習をはじめてからロック・バンドを結成したけれど、5年後には自分のバンドから追い出されることになった。その後はソロで活動して、今となっては一緒に仕事をしてくれる素晴らしいチームもできた。

ーーそうだったのですね。なぜ自分のバンドから追い出されることに?

原因は意見の食い違いだったけど、振り返ってみたらその経験があって本当によかったと思ってる。現在、ソロ・アーティストとして成功できたのも、ある意味そのおかげで、今のキャリアにはとても満足してるから(笑)。

ーーそして、晴れて今年2月にデビュー・アルバム『QUE NOS FALTE TODO』をリリースしましたが、振り返ってどのような作品に仕上がりましたか?

非常にてごたえのある作品になった。このアルバムは、「人生で全てを手に入れることはできなくても、大切なものがあれば十分だ」というテーマを込めている。家族や友人、そして自分が持っているものに満足できれば、それが人生を前進させるために必要な全てだ。アルバムは、4歳の頃からの親友と一緒に制作した特別な作品。Cuartetoは、従来たくさんの楽器を使うジャンルだけど、制作時はバンドもいなくて、手元にあったのはコンピューターだけだった。だからコンピューターを活用してさまざまな楽器を取り入れた曲を作り上げた。どんな状況でも続けることが大切なんだ。これもアルバムの重要なテーマの一つだね。

ーーアルバムには、ビルボード・アルゼンチンのチャートを制した「La Morocha」や「Hola Perdida」も収録されていますね。

本当に誇らしいよ。当時、曲を聞いてくれていたリスナー全員に心から感謝してる!

ーー特に日本のリスナーに聴いてほしい曲はありますか?

今、名前が挙がったBMとの「La Morocha」、KHEAとの「Hola Perdida」という2曲をぜひ聴いてほしいね。この2曲はメインストリーム向けの曲で、アルゼンチンらしさを持ちながら、BPMや楽器使いで驚きを与える仕上がりになってる。日本のリスナーにも新鮮な体験を届けられると思うよ。

ーーBMやKHEAなど、他のジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っていますが、その魅力は何でしょうか?

とても面白いと感じてる。Cuartetoを作ったことのないアーティストに一緒に作ろうと誘うんだ。アルゼンチンの音楽業界にたくさんの友人がいるから、「僕と一緒にCuartetoの曲を作ろう。この曲はきっと君にぴったりだと思う」って。異なるスタイルを持ったアーティストに新しい挑戦をしてもらうことが好きなんだ。それが、このジャンルにとっての進化や新しい魅力を引き出す鍵だとも思ってる。また、Cuartetoの伝統を知らないリスナーにも親しみやすくするために、サウンドをアップデートしたり、新しい楽器を取り入れることで、より多くの人々に楽しんでもらえるよう工夫してるんだ。

ーーそのようにジャンルをアップデートしていく上で、意外な場所からインスピレーションを得ることもあると思います。

ブラジルの音楽をよく聞くんだけど、特にSertanejo(セルタネージョ)が好きだね。他にもメキシコのCorrido(コリード)などのジャンルから多くの刺激を受けてる。これらのジャンルから学べることはとても多く、自分の作品にも少しずつ取り入れるようにしてる。自分で見つけることもあるし、ありとあらゆるジャンルを聞いている友達がいて、「あのジャンルを取り入れたらどう?」とか、「あのベースやドラムを参考にしたらいいよ」とアドバイスしてくれるんだ。

ーーアルゼンチン国外でのあなたの知名度とファンが増えるにつれて、今後の目標はありますか?

プエルトリコの伝説的なアーティスト、Chayanneと「UN SIGLO SIN TI」でコラボレーションを実現できたことは重要なマイルストーンだった。だから、これからもCuartetoの魅力を世界中の人々に伝え続け、様々なアーティストとコラボレーションしていきたいね。

※このインタビューはソニーミュージック・ラテンとのパートナーシップのもと行われました。


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