【米ビルボード・ソング・チャート】ケンドリック・ラマーTOP5独占、「恋人たちのクリスマス」10位に浮上

2024年12月3日 / 09:00

 ケンドリック・ラマーの最新作『GNX』から「Squabble Up」が1位に初登場した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 「Squabble Up」は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”でNo.1デビューを飾った『GNX』の収録曲で、本作からはその他にも以下の6曲が今週のチャートに初登場して、TOP5を独占。TOP10には7曲がランクインした。

1位「Squabble Up」
2位「TV Off feat. レフティ・ガンプレイ」
3位「Luther feat. シザ」
4位「Wacced Out Murals」
5位「Hey Now feat. Dody6」
8位「Reincarnated」
9位「Man at the Garden」

 同じ週のチャートで1位から5位を独占したのは、ザ・ビートルズ、ドレイク、テイラー・スウィフトに続く史上4組目の快挙で、TOP10のランクイン曲数は22曲に更新された(トップはドレイクの79曲で、それに続くのがテイラー・スウィフトの59曲)。

 TOP5を同じアーティストの曲が初めて独占したのは、ザ・ビートルズが達成した1964年4月4日付のチャートで、ドレイクは2021年9月18日付で1位から5位と7位から10位のTOP10中9曲を、テイラー・スウィフトは今年の5月4日付のチャートで1位から14位までを独占する大記録を打ち立てている。

 ケンドリック・ラマーにとって「Squabble Up」は以下に続く5曲目のNo.1タイトルで、2024年のチャートではフューチャー&メトロ・ブーミンとタッグを組んだ「ライク・ザット」と「ノット・ライク・アス」の計3曲が1位を獲得し、それぞれ2曲で並んでいたアリアナ・グランデ、ポスト・マローン、モーガン・ウォレンを上回り最多首位数を更新した。

「バッド・ブラッド テイラー・スウィフト feat. ケンドリック・ラマー」(2015年6月6日)
「HUMBLE.」(2017年5月6日)
「ライク・ザット」(2024年4月6日~4月20日)
「ノット・ライク・アス」(2024年5月18日付、7月20日)
「Squabble Up」(2024年12月3日)

 また、今年首位を獲得した3曲はいずれも1位に初登場していて、1年間で3曲をNo.1デビューさせた記録としては、同3曲をもつアリアナ・グランデ(2020年)、BTS(2021年)と同率のトップに立ち、男性ソロ・アーティストとしては初の偉業を達成した。

 「Squabble Up」は、初週(2024年11月22日~11月28日)ストリーミングが5,200万回、エアプレイが570万回、セールスは5,000をそれぞれ記録。ストリーミング・ソング・チャートとR&B/ヒップホップ・ソング・チャート、ラップ・ソング・チャートでもそれぞれ1位に初登場した。

 初週のストリーミング数はいずれの曲も高く、2位の「TV Off」は4,690万回、3位の「Luther」は4,440万回、4位の「Wacced Out Murals」は3,800万回、5位の「Hey Now」は3,120万回、8位の「Reincarnated」は2,790万回、9位の「Man at the Garden」は2,740万回をそれぞれ記録している。

 フィーチャリング・アーティストとしてクレジットされているレフティ・ガンプレイとDody6は、それぞれ初めてのTOP10入りを果たし、シザは11曲目に記録を更新した。

 なお、シザが参加した「Luther」にはマーヴィン・ゲイとタミー・テレルの「イフ・ディス・ワールド・ワー・マイン」のルーサー・ヴァンドロスとシェリル・リンによるカバーがサンプリングされていて、オリジナルは1968年にR&B/ヒップホップ・ソング・チャート(当時の名称はリズム&ブルース・シングル・チャート)で最高27位を記録した。1982年にはルーサー・ヴァンドロスとシェリル・リンがカバーした同名曲が同チャート(当時の名称はブラック・シングル・チャート)で4位を獲得している。

 ケンドリック・ラマーの新曲がTOP5を独占したことで、先週19週目の首位を獲得したシャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」は今週6位にランクダウンしたが、カントリー・ソング・チャートでは今週24週目の首位を獲得して、史上5番目の最長記録を更新している。

 また、エアプレイ・チャートでも今週18週目の首位を獲得して、同18週を記録したグー・グー・ドールズの「アイリス」(1998年)、マイリー・サイラスの「フラワーズ」(2023年)と同率の史上2番目の記録に並んだ。それを上回る最長記録を保持しているのがザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」(2020年)で、26週間という大記録を打ち立てている。

 「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、今週のデジタル・ソング・セールス・チャートでも1位に返り咲き、首位獲得記録を15週目に更新。同チャートの集計が始まってから約20年間の中で、史上5番目に長い記録を達成した。

 先週2位にチャートインしていたレディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は今週7位にダウンして、10位には先週の16位にランクインしていたマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が上昇し、約11か月ぶりにTOP10入りを果たしている。

 「恋人たちのクリスマス」は、例年通りホリデー・シーズンの始まりによりストリーミングが52%増加の2,680万回、エアプレイが68%増加の1,570万回、セールスも25%増加の2,000にそれぞれ上昇。今週からチャートが復活したホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”では、集計が始まった2011年以降69週間連続でランクインして、61週目の首位を獲得している。

 「恋人たちのクリスマス」がリリースされたのは1994年の10月だが、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降年々最高位を更新して、2017年の12月に初めてTOP10入りした。

 2019年12月21日付チャートでは、発売25週年目で通算19曲目の首位に輝き、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録に浮上。ホリデー・ソングとしては、1958年12月22日から1959年1月12日付チャートまでの4週1位をキープした、アルビン&ザ・チップマンクスの「ザ・チップマンク・ソング」以来61年ぶり、史上2曲目のNo.1タイトルで、これまでには以下の週で通算14週間首位を獲得している。

「恋人たちのクリスマス」首位獲得週
2019年12月21日
2019年12月28日
2020年1月4日
2020年12月19日
2021年1月2日
2021年12月25日
2022年1月1日
2022年1月8日
2022年12月17日
2022年12月24日
2022年12月31日
2023年1月7日
2023年12月23日
2023年12月30日

 
Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月6日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「Squabble Up」ケンドリック・ラマー
2位「TV Off」ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ
3位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
4位「Wacced Out Murals」ケンドリック・ラマー
5位「Hey Now」ケンドリック・ラマー feat. Dody6
6位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
7位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
8位「Reincarnated」ケンドリック・ラマー
9位「Man at the Garden」ケンドリック・ラマー
10位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー


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