<ライブレポート>tonun、スモーキーな歌声と卓越したギタープレイに目を見張る弾き語りワンマンツアー最終日

2024年11月28日 / 18:00

 tonunの弾き語りツアー【1st Acoustic One-man tour Solo】のツアーファイナルが、2024年11月25日に東京・SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催された。

 この日までに大阪、福岡、広島と着席スタイルの会場をまわってきたtonunは、集まった300人のオーディエンスとともに、時にドラマチックで、時に陽気な空間を作り上げた。観客に気さくに話しかけ、彼らも気兼ねなく演奏の感想を伝えるこの関係性は、ライブ活動3年とはいえ、彼のパーソナリティあってできたものと想像する。この日のステージに登場したのはtonun本人とギター3本、そして楽曲が持つイメージを色で補助するライティングのみ。アコースティックなライブと言えど、肩ひじを張らない雰囲気とオーディエンスのノリのよさが際立ち、ギターの一音一音、表情、特徴的な発音をひとつひとつ拾うこともできた。約90分のライブはあっという間に過ぎてしまった。

 温かい拍手に迎えられながらオンステージしたtonun。「皆さん、こんばんは。【1st Acoustic One-man tour Solo】のツアーファイナルにお越しいただき、ありがとうございます。今日も楽しんでライブをやっていきましょう」と意気込んで、勢いよく「東京cruisin’」でライブをスタートさせた。

 陽気なイントロで始まった「バージンヘア」ではtonunの要望で手拍子が起こる。グルーヴに合わせて体を揺らすオーディエンス。「琥珀色の素肌」では予行演習なしに自然と手拍子も揃い、tonunを笑顔にさせる。「曲ごとにギターを使い分けていて、音の違いも楽しんでもらえたら嬉しいです」と、ここでギターチェンジ。序盤で手にしたマーティン含め、彼のギタープレイもこの日の主役だ。勢いよく爪弾くたびに、繊細な音色を発するたびに、オーディエンスの視線と意識を支配した。彼の歌声を“甘くてスモーキー”と称するのをよく目にするが、とてもしっくりくる。彼が紡ぐ、まるで小説を読んでいるような、むずがゆい愛の言葉は、落ち着きある少しミステリアスでシックなボーカルと心地よいメロディの波にのって、ほどよく酔いしれるような気分にさせてくれた。

 金木犀や花火、ひぐらし、初雪など、季節の代名詞と共に情景を脳内で楽しんだあとは、ファンからリクエストが多く集まったというback number「クリスマスソング」をtonunアレンジでちょっぴり早くクリスマスプレゼント。東京から一番遠いところから来た観客のリクエストに応えるコーナーでは、最初に北海道民が現れたのだが、なんと中国、そして地球の反対側アルゼンチンと、予想を大幅に超える来場者がいることが判明。その南米のファンがリクエストした「君は言うかな」がワンコーラスだけ披露された。

 しっとりとした時間はここで一旦終了。ここからは本人曰く“アゲアゲコーナー”に突入する。最新曲「チルっとしたい」や、相手の虜になっている「沼らせないで▽」(※▽=ハートマーク)は観客との掛け合いとも相性よく、今日イチの歓声が上がる。

 “憂鬱な月曜日”を見事に吹き飛ばしてくれた「Friday Night」は、プリンスとバングルスの有名すぎる楽曲を思い起こす。そして、残すは本編2曲のみ。「ツアーファイナル最高だな。体感10秒くらい」と本人もオーディエンスも時の早さを実感している様子だ。「今夜のキスで」「how many times」とバラードとアップテンポの対比がなんとも楽しかった。〈Everything will be alright〉の呪文を全員で唱えれば、明日も明後日も前を向いて歩いていけそうだ。

 アンコールを求める拍手は一分以上止まず。tonunロゴがプリントされたスウェットに着替えて登場したtonunは、序盤で紹介した「繊細な音色を出す小柄な」ギターを手に取り、「君の目、声」を届ける。会場を歌声とギターの音色でいっぱいにすると、急遽もう一曲歌うサプライズを用意してくれていた。あまり歌われないという「Lonely Lonely day」を、準備万端のオーディエンスの掛け合いとともに完成させた。「大成功!」と本人も大満足だ。来年2月からバンド編成で実施するワンマンライブでは、今回のツアーとはまた違うプレイを見せてくれるだろうが、ロマンチックでスモーキーな歌声、オーディエンスとの気軽で親しみやすさに満ちた空間は間違いなく約束されている。

Text by Mariko Ikitake
Photos by sota edo

◎ツアー情報
【tonun One-man tour 2025】
2月24日(祝・月)福岡・DRUM Be-1
3月1日(土)大阪・梅田クラブクアトロ
3月15日(土)東京・EXシアター六本木 ※東京公演のみ全席指定


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