【深ヨミ】 Mrs.GREEN APPLE他、『第74回NHK紅白歌合戦』後のCDセールスに影響したアーテイストは?

2024年1月14日 / 14:00

 2024年1月15日付のBillboard JAPAN週間“Top Albums Sales”で、Mrs.GREEN APPLEの『ANTENNA』が5,805枚を売り上げ首位を獲得した。(集計期間2024年1月1日~1月7日)

 『ANTENNA』は、前作『Attitude』以来約3年9ヶ月ぶりにリリースされたMrs.GREEN APPLEの5作目のアルバムで、映画『ラーゲリより愛を込めて』主題歌「Soranji」、ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』主題歌「ケセラセラ」、アニメーション映画『ONE PIECE FILM RED』劇中歌「私は最強」のセルフカバーを含む前13曲が収録されている。

 本作は2023年7月5日を含む初週で59,822枚を売り上げ2位を獲得、以降も毎週1,000枚以上の売り上げを半年間キープ、27週目でついに首位を獲得した。これは年末の第 65回 『輝く!日本レコード大賞』 で、収録曲「ケセラセラ」が大賞を受賞した事や『第74回NHK紅白歌合戦』等でパフォーマンスを披露した事も影響があると考えられる。

 ここでは紅白に出演したアーティストが、出演後にどのような影響を受けたか、SoundScanJapanのデータを使用し調査してみた。

 まず、前提として、紅白出演前の週を2023年12月25日~12月31日、出演後の週を2024年1月1日~1月7日とし、紅白出場アーティスト別にアルバムとシングルの販売枚数が増えた順のリストが下記の通りとなっている。但し、2023年12月発売のタイトルは発売初週から4週間ほどは大きく販売枚数が減少するため本集計からは除外している。

◎紅白前後で販売数を伸ばしたアーティスト(かっこ内は、出演前枚数→出演後枚数)
1.Mrs.GREEN APPLE 3,256枚増(6,408枚→9,664枚)
2.SEVENTEEN 1,245枚増(4,888枚→6,133枚)
3.Stray Kids 1,000枚増(1,593枚→2,593枚)
4.LE SSERAFIM 940枚増(1,668枚→2,608枚)
5.JO1 452枚増(887枚→1,339枚)
6.MISIA 424枚増(798枚→1,222枚)
7.Ado 360枚増(1,810枚→2,170枚)
8.あいみょん 336枚増(1,142枚→1,478枚)
9.10-FEET 302枚増(209枚→511枚)
10.すとぷり 246枚増(562枚→808枚)

 これを見ても最も影響の大きかかったのはMrs.GREEN APPLEで、作品別に見ると『ANTENNA』が出演前4,190枚→出演後5,805枚と売り上げを増やしているのをはじめとして、『5』が662枚→1,183枚、『Unity』が486枚→852枚と、この3作だけでなく、旧譜も全般的に枚数を増やしている。

 また、2位から4位はK-POP勢となっていて、SEVENTEENは、『SEVENTEENTH HEAVEN』(2,001枚→2,216枚)、『SEVENTEEN JAPAN BEST ALBUM「ALWAYS YOURS」』(1,045枚→1,383枚)、『FML』(742枚→1,012枚)他多数の作品が売り上げを伸ばしている。Stray Kidsは『Social Path (feat. LiSA)/Super Bowl -Japanese ver.』(415枚→521枚)他7作品が販売枚数を伸ばしている。LE SSERAFIMは『UNFORGIVEN』(1,459枚→2,336枚)を中心に売り上げを伸ばした。

 本集計の対象となったアーティスト(紅白に出演し、2024年1月1日~1月7日の集計で、シングル・セールスもしくはアルバム・セールスでトップ100にランクインしたアーティスト)は合計24組で、出演アーティストの半数に満たず、アーティスト別に見ても1000枚以上伸びているのは3組と、やはりフィジカル・セールスの影響が薄くなっている様だ。一方アルバム・セールスとシングル・セールスの総数は、2023年12月25日~12月31日は826,172枚に対して2024年1月1日~1月7日は576,118枚と30%以上減少している。そんな中、上記24組中20組は販売枚数を伸ばしている結果も出ており、紅白出演アーティストはフィジカル・セールスを伸ばす傾向は続いている様だ。Mrs.GREEN APPLEやK-POP勢は2023年の勢いが年始のチャートに繋がる結果となっており、2024年も音楽業界を引っ張っていく存在となっていくだろう。彼らの今後の活躍に注視したい。


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