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クエンティン・タランティーノ監督映画『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』より、劇中を彩るサウンドトラックをシーン解説とともに登場順に紹介する。
映画史を変えたとも称されるタランティーノ映画監督デビュー作『レザボア・ドッグス』が、現在『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』として30年ぶりに新宿ピカデリーほかで全国公開中だ。
タランティーノ作品といえば魅力的なサウンドトラックでもお馴染みで、『パルプ・フィクション』の「ミザルー」や『キル・ビル』の「Battle Without Honor Or Humanity」などがその最たるもの。『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』で流れる楽曲は下記のとおりだ。
■リトル・グリーン・バッグ / ジョージ・ベイカー・セレクション(1970)
『レザボア・ドッグス』と言えばこの曲。さっきまでレストランでマドンナの「ライク・ア・ヴァージン」をこき下ろしたり、チップを払うか払わないかで揉めていた黒づくめの“ドッグス”達が、ラジオ番組『K ビリー・スーパーサウンド70s』 のDJとともに現場へと向かうオープニングを飾る。ヤバい仕事の緊張感を吹き飛ばすかのクールなナンバーだ。
■アイ・ガッチャ / ジョー・テックス(1972)
倉庫に倒れる血まみれのオレンジ。Mr.ホワイトとMr.ピンクの怒涛の罵り合い。そこへ混乱の状況を把握できずイライラなエディが車で向かう。カーラジオからは再び『スーパーサウンド70s』の選曲でジョー・テックスのシャウトが響き渡る。オープニングから35分を経てようやく流れる音楽だが、同曲で事態がさらに動き出す予感を醸し出している。
■スタック・イン・ザ・ミドル・ウィズ・ユー / スティーラーズ・ホイール(1973)
監禁された警官をサイコ野郎のMr.ブロンドが拷問。その雰囲気作りにまたまた『スーパーサウンド70s』が登場。ラジオを付けるとアコースティックな音色が倉庫内に轟く。耳切り、ガソリン撒き、そしてオレンジの逆襲…と、数々の残虐シーンに対して、あまりにも陽気極まりない選曲。こんな曲を配するホンモノのサイコはタランティーノ自身だ。
■ハーヴェスト・ムーン / ベドラム(1991)
■マジック・カーペット・ライド / ベドラム(1991)
実は犬(刑事)だったMr.オレンジが裏社会の大物ジョーと会えることを同僚に自慢する夜のダイナーでの店内音楽と、その接見現場のBarで流れるダンサブルなロックチューン。どちらもほとんど目立たないBGMだが、作品の世界観を際立たせている。後者のオリジナルはステッペンウルフのナンバーだ。
■フール・フォー・ラブ / サンディ・ロジャーズ(1985)
Mr.オレンジがエディに呼ばれ、潜入捜査へと向かう準備するなか、部屋のステレオから流れるのはロバート・アルトマン監督の映画『フール・フォー・ラブ』(1985)の同名主題歌だ。歌っているのは主演と脚本を担当したサム・シェパードの妹、サンディ・ロジャーズ。この映画では愛し合う2人が実は兄妹で、互いに素性不明だったという設定。
■フックト・オン・ア・フィーリング / ブルー・スウェード(1974)
車を運転するエディのレディE話を、Mr.ホワイト、Mr.ピンク、そしてMr.オレンジが笑って聞いているシーン。“決行”前の緊張をごまかすかのようなくだらないやりとりを、ブルー・スウェードのウガチャカ・ソングが雰囲気を盛り上げる。
■ココナッツ / ハリー・ニルソン(1972)
エンディングロールで静かに入ってくるこの曲は、ココナッツにライムを入れて飲むと腹痛が起こり医者を呼ぶ…といった内容。ドクタードクターと連呼しながら次第に勢いを増していくニルソンのボーカルは、まるでトランス状態に入っていくかのようで、劇中で描かれた数々の狂気の沙汰と不気味なほどリンクする。天国と地獄を行き交うようなタランティーノ監督によるさすがの選曲だ。
◎リリース情報
『レザボア・ドッグス』オリジナル・サウンドトラック
2023/12/20 RELEASE
UICY-16204 1,760円(tax in.)
1992年作品
https://umj.lnk.to/ReservoirDogs
◎映画情報
『レザボア・ドッグス デジタルリマスター版』
全国公開中
配給:鈴正、フラッグ
(c) 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.
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