<ライブレポート>2つの名前を背負い、當山みれいが初のアジアツアーを完遂「“ジャパン”と聞いたら“MIREI”ってなってくれる人を増やしたい」

2023年12月8日 / 19:30

 當山みれいが「當山みれい/MIREI」名義として初のアジアツアー【當山みれい/MIREI ASIA TOUR 2023】の日本公演を東京・eggmanで開催した。

 この日のライブでは、国外で1,000万再生を超えた「Lonley In Tokyo」をはじめとする英語詞曲、中国でもヒットしている「願い~あの頃のキミへ~」や「Dear My Boo」などの人気曲を披露。ライブは公式YouTubeチャンネルでも配信され、全世界に向けて「當山みれい/MIREI」の魅力をアピールした。

 ライブは2020年リリースの英語詞のナンバー「Take Me Away」からスタート。シックなトラックとしなやかなボーカルが響き合い、観客も気持ちよさそうに体を揺らし始める。続く「音色Regards」(KREVAの楽曲「音色」へのアンサーソング)ではサビの“Baby”でシンガロングが発生。さらに“私は私にしかなれない”というラインが響く「Let Me Be」を披露。男女の黒人シンガーによるコーラス、サポートキーボード・Zak Leeverの演奏も彼女のパフォーマンスをしっかりと際立たせていた。

 「Good evening, everyone. My name is“MIREI/當山みれい”」という挨拶から最初のMC。“當山みれい”の日本語詞の曲、“MIREI”の英語詞の楽曲を歌うことや、YouTubeで生配信されていること、基本的に英語でMCすることなどを告げ、「初ワンマンみたいにめっちゃ緊張してます(笑)。初々しい感じの“MIREI”“當山みれい”を見届けてほしいと思います」という言葉に対して、フロアから大きな拍手が送られた。

 続いては新宿・歌舞伎町で繰り広げられる出来事にインスパイアされた新曲「Sell Me Your Love」。実際に起きているリアルな現状を描いたリリックとディープなR&Bサウンドが一つになったこの曲は、彼女の奥深い音楽性を証明していると思う。
 切ない恋愛感情を滲ませる「Lazy Boy」をエモーショナルに歌った後、當山はバックステージに下がり、Zakが「Merry Christmas, Mr. Lawrence(戦場のメリークリスマス)」を演奏。再びステージに戻ってきた彼女は椅子に座り、鍵盤と歌のスタイルで「sayonara」「またねがあれば」をじっくりと歌い上げる。痛みにも似た失恋の思いを描いた楽曲もまた、當山の大きな魅力だ。

 ここからは彼女の多彩な音楽性とボーカル表現を堪能できるシーンが続いた。

 まずは彼女自身の生まれた年を題名に冠した「1998」。さらにシャーデーの「No Ordinary Love」をカバーし、憂いを帯びた美しい歌声を響かせる。シンセベースとシンセ、コーラス2人と生み出すハーモニーにも心を打たれた。

 エキゾチックなトラックと心地よいメロディを軸にした「Split Persona」も印象的だった。笑顔でこの曲を表現した後、彼女はこんなふうに観客に語り掛けた。「『Split Persona』は多重人格という意味。“當山みれい”と“MIREI”という2つの名前があるのは、みなさんにとっては混乱することだったと思うんですよ。でも、私という人間のなかにはたくさんの側面があって。みんなは私の2つの顔を知ってくれてる人たちだから、この曲を初めてここで歌えたことが本当にうれしいです」

 この後は當山みれいの“カワイイ”表情が感じられる楽曲へ。「Dear My Boo」(清水翔太「My Boo」のアンサーソング)では、彼氏をしっかり支えようとする女の子の気持ちを真っ直ぐに表現。そして「^^」では、ポップなトラックとともに〈いつだって どんなことだって/分け合っていけるよね?〉と恋人への一途な思いを響かせた。

 「ここからはダンサブルな曲。踊ってください!」という言葉に導かれたのは、ラテン・テイストのダンスチューン「Lolita Bonita」。「Put your hands up!」と呼びかけ、オーディエンスは手を挙げて応える。自由にステージを動き、笑顔で体を揺らす彼女自身もこの瞬間を全身で楽しんでいるようだ。続く「Feel Brand New」ではバウンシーなトラックに合わせて観客が飛び跳ね、“足りないものはキミだけ”という情熱的なフレーズが広がる。

 ライブのクライマックスを演出したのは「Lonely in Tokyo (Japanese ver.) 」。〈どこにいても 誰といても/寂しいの〉というラインが心に刺さるこの曲は、東京で生きる女性の孤独や痛みを描いたナンバー。オリエンタルな響きのトラック、生々しいボーカルがひとつになったこの曲は、今後のライブでも重要な役割を果たすことになりそうだ。
 
 アンコールは「楽しんでもらえましたか!? 珍しくめっちゃ緊張してたんですけど、みんなのところに出た瞬間、本当に楽しくて、一瞬で時が過ぎました」というMCからスタート。最後に披露されたのは「私と中国をつなげてくれた曲」という「願い~あの頃のキミへ~」。曲目を告げた瞬間に大きな歓声が沸き起こり、思わず涙を浮かべた當山。泣き笑い状態で最後まで歌い切り、記念すべき初アジアツアーの初日公演はエンディングを迎えた。

 この後、上海、北京、深センと中国の3都市でツアーを行った當山みれい。この日のライブで「“ジャパン”と聞いたら“MIREI”ってなってくれる人を増やしたい」と語った。世界を視野に捉えた活動にもぜひ注目してほしい。

Text:森朋之

◎公演情報
【當山みれい/MIREI ASIA TOUR 2023】
2023年11月27日(月)東京・渋谷eggman


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