<ライブレポート>WANDS、第5期の彩を確立したアルバム『Version 5.0』を引っ提げたツアー【~SHOUT OUT!~】開催

2023年9月30日 / 19:00

 WANDSが、9月26日に【WANDS Live Tour 2023 ~SHOUT OUT!~】をZepp Haneda(TOKYO)で開催した。

 2022年9月に東名阪ツアーを開催したWANDS。終演後、各地で開催して欲しいという声があったことから、今回のツアーは東京、愛知、大阪、北海道、宮城、福岡の6か所で行われた。バージョンアップして帰ってきたWANDSは、8月30日にニューアルバム『Version 5.0』をリリースしたばかりだ。前作『BURN THE SECRET』に引き続きバンド・サウンドやロック・バラードが光る大作であり、より現在のWANDSが反映された意欲作となっている。また、上原大史(Vo.)が作詞作曲を行った「WONDER STORY」や「SHOUT OUT!!」も新たなWANDSの彩を生み出している印象だ。「世界が終るまでは…」「MILLION MILES AWAY」など、ヒット曲の第5期ver.も収録されている。

 ソールドアウトとなったファイナル公演は、ツアーTシャツを着ているファンで溢れていた。開演時間となり暗転すると、柴崎浩(Gt.)にスポットライトが当たる。アルバム『Version 5.0』の1曲目に収められている「We Will Never Give Up」の鋭利なブリッジミュートが響くイントロを奏でると、上原にもスポットライトが。<Can you hear me>と重圧な声でファンの脈をぐっと加速させる。そのままアルバムの曲順をなぞるように「GET CHANCE GET GROW」へ。「手を挙げろ!」と上原が煽ると<GET CHANCE!>とオーディエンスが叫ぶ。そして「ツアータイトル【~SHOUT OUT!~】に相応しい、皆さんの声が聞こえてきました!」と上原と柴崎は笑顔を見せる。ビブラートが最高に痺れる「時の扉[WANDS第5期ver.]」「賞味期限切れ I love you」も披露され、ロック全開なスタートダッシュを切った。

 今回、第5期としては初披露となる「FLOWER」も演奏された。上原の低音パートを堪能した後は流れるように「Secret Night ~It’s My Treat~ [WANDS第5期ver.]」へと続く。上原が柴崎の肩に腕を乗せて、上手から下手へとゆっくり移動する場面も。「もっと強く抱きしめたなら [WANDS第5期ver.]」では、ラストサビをオーディエンスとシンガロングしていき、エモーショナルにライブが展開されていく。そんなステージに「大史」「浩」コールが止まらなかった。中盤MCでは、ライブならではのプライベートなことからアルバム『Version 5.0』の話題へ。まさに、今回のツアーのためにしたためた「SHOUT OUT!!」についても「叫んで体現していただきたい!」と語る上原。<SHOUT OUT!!>と、がなり声で真っ向勝負を挑んでいくWANDSに、オーディエンスも負けない勢いで拳を高く突き上げていた。

 アルバム『Version 5.0』の中でもアップビートな「官能SADISTICに濡れて」の盛り上がりも目が離せなかった。上原の声と柴崎のギターが綺麗に混ざり合うラストパートは見応えたっぷり。続く「真っ赤なLip」では、名だたるアーティストのサポートを行ってきた二家本亮介(Ba.)と神田リョウ(Dr.)のソロが炸裂していった。

 「でかい声聞かせてくれ!」から始まった「Burning Free」。間奏で叫びたくなった上原は「浅草! 新宿! 渋谷! 鶯谷! 秋葉原!」と地名のコールアンドレスポンスを行う。後のMCでは「鶯谷とか言ってたよね(笑)」と、数秒前の興奮した自分に対してコメントしていた。そして「YURA YURA」「カナリア鳴いた頃に」とロック・バラードを聞かせ、しんみりとさせたところに「愛を語るより口づけをかわそう [WANDS第5期ver.]」を投下。そのまま<愛を叫びたい 愛 crying out love>から始まる「愛を叫びたい」を繋げるように演奏していく。ここでは、<想いが導くままに>と腹の底から想いを届ける上原の姿が印象的だった。

 「こうして皆さんと同じ瞬間を過ごせることが幸せです」と語った上原は、「WONDER STORY」で<まだ知らない歓び>を探す旅へと動き出す。一瞬生まれた静寂の中で<あなたと出逢えたこの「命」愛して>とロングビブラートを轟かせる上原。そこに柴崎の哀愁溢れるギターの音色も響いていった。

 「もうツアー終わっちゃうね」と柴崎が感慨深く話したアンコールでは、「ありふれた言葉で」がアコースティック・バージョンで演奏された。シングル『恋せよ乙女』(1993年発売)のカップリングとして書かれた曲だが、柴崎は「上原が歌ったらいいなと思ってセルフカバーをしました」と想いを語っていた。一方で上原はツアー当初、壁があったという二家本と神田とも、「ニカちゃん」「カンダくん」と呼べる仲になったことを報告。そして集まってくれたオーディエンスに向かって「こんな人達の中で歌えるのが幸せだ」と満ち足りた様子を見せた。最後は「世界が終るまでは… [WANDS第5期ver.]」で最高のフィナーレを飾るWANDS。上原はマイクなしで「ありがとうございました!」と大きく叫んでステージを去っていった。

 次は12月にファンクラブイベント【WANDER-LAND NEO「FANDS」MEETING 2023】を控えているWANDS。約2年ぶりとなるファンクラブイベントではどういう交流をするのか、こちらも楽しみにしたい。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by Nagisa Yamaguchi(GIZA ARTIST)

◎公演情報
【WANDS Live Tour 2023 ~SHOUT OUT!~】
2023年9月26日(火)
東京・Zepp Haneda(TOKYO)


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