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RIIZEの全国アリーナツアー【2025 RIIZE CONCERT TOUR [RIIZING LOUD] IN JAPAN】が9月15日、東京・国立代々木競技場第一体育館で終幕した。全国5都市11公演で約13.5万人を動員した彼らの初のアリーナツアーの東京公演2日目、14日の様子をお伝えする。
初日にソンチャンの誕生日、そして来年2月の東京ドーム3日連続公演の発表があり、お祝いムードが漂う中、迎えた2日目も(気温と湿気と)熱気がすごかった。本番前に「Get Lucky」が流れ、BRIIZE(ファンネーム)が持つオレンジ色のライトスティックが会場中を照らす。それはスクリーンに映る舞い上がる火の粉の一部のようにも見えた。暗転すると、メンバーたちの姿が画面いっぱいに広がり、5月にリリースされた韓国1stフルアルバム『ODYSSEY』の収録曲「Ember to Solar」で幕を開ける。〈アイム インゴル(火種)〉のフレーズに合わせて太陽の周りで歌い踊るRIIZEと、終盤のウォンビンのシャウトに歓声が沸き起こった。
メンバーたちの呼吸は、続く「Siren」でさらに上昇。メインからセンターステージへ向かうと、ウォンビンの肩見せにBRIIZEたちの熱狂が爆発した。迫り来るようなハイハットとビートのミックス、全身を使ったダンスを目の前にして、心拍数が上がり、文字通り息をのんだ。“RIIZING LOUD” の「LOUD」には、新しい旅に立つRIIZEの叫びが込められているという。RIIZEの懸命なパフォーマンスとBRIIZEの歓声が一体となって完成するステージは、順調なスタートを見せた。
RIIZEと彼らの野望を乗せた大型帆船が到着。最新アルバムの世界観(オデッセイ=試練や挑戦の長い旅)と彼らのこれからを最大限に表現した「Odyssey」では、動くセンターステージに乗っていながらも、先ほどの激しいパフォーマンスとは対照的に微動だにしない。「Combo」でも、近くにいるBRIIZEに反応すると思いきや、体を各方向に向け視線を送るだけ。異星から来た青年たちがこの地の空気を読み取り、観察し、少しずつ馴染んでいくかのようだった。
「代々木、make some noise!」と、ウォンビンは開口一番、大きな声で観客に呼びかけた。体調不良のため、前日は気持ちとは裏腹に満足のいくパフォーマンスを届けることができなかったようだが、なんとか復活した様子(実際、この日のパフォーマンスはどれもエネルギッシュで、その輝きはまさに忘れがたいものだった)。
「今日は湿気がすごいみたいですね」と言って笑いを誘うソンチャン。「暑いのはみんなの熱気のせいかな。ご飯は何を食べてきましたか? 僕はカレーを食べてきました」に続いて、ショウタロウが「今日は来てくれてありがとう。昨日よりもっと高いテンション見せてくれますか?(BRIIZE「イエーイ!」)最後までそのテンションでお願いします」と盛り上げていく。「RIIZEの石、ウンソクです。楽しく遊ぶ準備はできていますか? 昨日よりももっと楽しんでいきましょう」「いらっしゃいませ~。すし職人うさにゃん、ウォンビンです。代々木すごくいいね! エネルギーが溢れているからなのか、(みんなが)かわいいからなのかわからないけど、今日も最善を尽くして公演をするので、BRIIZEもいっぱいのエネルギーを見せて! OK? 行くぞ」「ラーメン食べたい、イケメン食べたい……ん? ラーメン、イケメン……ラーメン、つけ麺、僕(「イケメン!」)RIIZEのイケメン、ソヒです! 今日の公演がどうなるのかすごく楽しみです。本気で行くぞ!!」「代々木!(小声で)アントンが来たぞ~。ウォンビン兄さんが無事によくなって僕も心強いです。やっぱりメンバー全員、健康でいることが一番ですね。最後まで思いっきり楽しみましょう」と、それぞれのキャッチフレーズを用いながら、場をなごませていく。
ウンソクから「素敵なメモリー作ろうぜ」とクールなセリフが出て、「Memories」へ。「Be My Next」「Lucky」とポップな日本語ナンバーを通して、出会いに感謝したところで、次の章は少しクールダウン。夜に舞う蝶々を背に、階段に腰かけた旅人は「Midnight Mirage」でコーラスの美しさを際立たせ、日本オリジナル曲「Same Key」で街中、2004年発表の東方神起のデビュー曲「Hug」にY2Kサウンドを加えたカバーでは家へと場所を移していく。ショウタロウとウォンビンがベッドに寝そべり(ウォンビンがショウタロウの頭を「いい子いい子」する)、ウンソクとソンチャンは二人掛けソファに密着して座り、ソヒとアントンが本棚の前でふざけ合う(本を開くと、そこにはアントン直筆の「ぼくをHugしてくれる?」がハートマーク付きで書かれている)。そんなシーンひとつひとつに、BRIIZEから大きな叫びが。日本で撮影されたエモさ満載のミュージック・ビデオが話題を呼んだ「Love 119」は日本語歌唱で、ノスタルジーをより感じさせる80年代シンセポップのアレンジがBRIIZEの心を射止めた。
2010年代初頭の洋楽ポップを彷彿とさせる「Show Me Love」では、ソンチャンに向かってかめはめ波を放ち、ナルト走りするソヒ、ステージ両端でBRIIZEを煽るショウタロウ、BRIIZEをじっくり見つめるウォンビン、最後のアントンの歌唱にコーラス参加を促し、BRIIZEにマイクを向けるウンソクなど、それぞれ思うままに動きまわる自然体のRIIZEの姿が垣間見えた。そして、今回のツアーの目的である「BRIIZEと一緒にコンサートを完成させる」ことも。
しかし、成長の過程に葛藤は付き物。光が消え、走り出した先は暗闇に閉ざされ、ケージに閉じ込められた彼らの叫びはどこにも届かない――「Honestly」ではコンテンポラリーダンスを通じて、そうした感情が表現される。そして、気持ちに正直になることで見えてくる本当の姿も。心の内を見せたあとの、セクシーな雰囲気をまとったサックスが印象的な「Talk Saxy」、夏らしいハウスナンバー「Impossible」を通じて、それが浮かび上がったように感じられた。高難度ステップの連続と終盤に向かって繰り出される盛り上がりに、またもや釘付けになった。
「WE RIIZE!」と気合いを入れたEXO先輩のヒットナンバー「Monster」のカバーで一段とクールな姿を届けたあとは、RIIZE史上最高にヒップで重低音が効いた「Bag Bad Back」を披露。揺るがない決意と野望がかばんいっぱいに詰め込められた、この中毒性の高いナンバーは、音楽トレンドを作ってきたRIIZEの新たな扉を開いたように思う。BRIIZEの掛け声も揃って、この曲のパワーと一体感を感じた。
そして「Get A Guitar」「Boom Boom Bass」で代表的なステップが繰り出されると、会場のボルテージもマックスに。序盤のアントンのベースとウォンビンのギタープレイに驚かされたが、楽器にフォーカスしてきた彼ららしさもあり、納得の演出だ。ミュージカルのような華やかさとシアトリカルなステップがマッチした「Fly Up」は、広いステージでこそ映えるパフォーマンスだった。
動きの激しい3曲を続けてダイナミックに届けたRIIZEに拍手喝采。アドレナリン全開のあまり、ソヒが「パーティー!!」と叫ぶ一幕もあり、休日トークを挟んで息を整えた。アントンとソンチャンは「イマカツ」でかつを食べてショッピング、一緒に外出する予定だったソヒはベッドでゴロゴロ(&部屋に来たソンチャンのゲームプレイ鑑賞)、ウンソクはひとりで油そばを食べにいき、間違えて選んだ大サイズを必死にたいらげ、ショウタロウは憧れのダンサーのダンスレッスンを受けた後に買い物を楽しんだようだ。本編ラストナンバー「Another Life」は、すべての瞬間を後悔のないように、そして前に進んでいくことを歌った楽曲で、まさにこのオデッセイを締めくくるのに最適なナンバー。ピアノやギターといった楽器の音色とドラマチックな展開も濃く、力強いボーカルが届けられる。動きを見せなかった冒頭の「Odyssey」と同じフォーメーションだが、ここでは感情も表現の幅も豊かになり、RIIZEの成長をここでも再確認できた。
“RIIZE”コールを聞いてステージに戻ってきたRIIZEがアンコールに選んだのは、「The End of the Day」。「1日の始まりと終わりを一緒に過ごすBRIIZEのことを考えて」この曲を選んだとのこと。そして、今日最後の挨拶へ。
「宇宙人です(『スタートレック』のバルカン人式挨拶をする)。こんなに大きな会場を3日間いっぱいにするのは簡単なことではありません。BRIIZEへの感謝の気持ちが大きいです。僕たちがさらに大きなところに行くことが決まりました。まだ実感が湧かなくて不安な気持ちもあるんですけど、メンバーとBRIIZEがいれば何でもできるという気持ちを持っています。来年もしお時間があったら、僕たちのコンサートを見に来てください。僕たち本当に人気が出てきたみたいだね(笑)。次は東京ドームで会えますように。イエーイ。何よりもメンバーみんなが健康でいられますように。今日それを確かに感じました。」(アントン)
「すごく楽しかったです。いつもRIIZEの公演をオレンジ色の光と歓声でいっぱいにしてくれてありがとうございます。いつも伝えていることですが、あらためて言ってみました。BRIIZEのおかげでもっといいところに行けることになりました。この公演を輝かせてくれたみなさん、ありがとうございます! イケメンでした。」(ソヒ)
「今日は少し体力的に辛かった公演でしたが、BRIIZEのおかげで最後までやり遂げることができました。ほんとだよ。BRIIZEすごいですね。僕はいつも『もっと大きなところでまた会おう』とか『もっといい思い出を作ろう』とか言ってきましたが、会うたびにその言葉通りになって幸せですし、感謝しています。昨日の東京ドームの発表は実感が湧きませんでした。わくわくもしていますが、なんだか不思議な気分でもあります。いつもと変わらないライブにするので、これからもずっと一緒にいましょう。今日見に来てくれて本当にありがとうございます。」(ウォンビン)
「今日楽しかったですか? みなさんのおかげで楽しかったです。みなさんがいつも応援してくれるから僕たちが成長できる気がします。もっと成長して帰ってくるので、また会いましょうね。次はもっと大きな場所で帰ってきます。そのときも応援してくれますよね? ありがとうございます!」(ウンソク)
「日本のアリーナツアーの最後を締めくくる代々木に来てくださって、本当に感謝の言葉を送りたいです。僕たちが初めて日本で単独公演をしたのも、ここ代々木でした。あのときは、こうやってBRIIZEがたくさん応援してくれる景色を想像できていなくて、今こうしてたくさんのBRIIZEがいることが本当に心強いって日々思っています。BRIIZEの存在が僕たちにとって大きいことを感じていて、今日も最後まで全力で応援してくれてありがとう。僕たちが夢をひとつずつ叶えていて感慨深いですし、それもすべてBRIIZEのおかげなので、そのことを忘れずについてきてくれたらうれしいです。これからも成長し続けるRIIZEの応援をお願いします。」(ショウタロウ)
「今日のBRIIZEの雰囲気がいいですよね。最高でした。週末の大切な時間にこうやって会いに来てくれてありがとうございます。他のメンバーも言ったように、僕もきっと東京ドームの日まで実感が湧かないと思います。象徴的な会場を果たしていっぱいにできるのか、正直心配していますが、みなさんでいっぱいになると信じています。これからももっと一生懸命やるので、今みたいに応援してください。公演が終わったら、ちゃんと夕ごはん食べてね~!」(ソンチャン)
BRIIZEに贈る「One Kiss」「Inside My Love」でこの日の幕を下ろしたRIIZE。規制退場の案内をメンバー自ら行うというサプライズで、最後の最後まで来場者を楽しませた。2月21日~23日に開催される東京ドーム公演は、K-POP男性グループとしてはデビュー最速で、今回のアリーナツアーよりパワーアップした内容を見せてくれるとのこと。彼らのオデッセイに刻まれる歴史的な航路は見逃せない。
Text by Mariko Ikitake
Photos by 田中聖太郎写真事務所
◎公演情報
【2026 RIIZE CONCERT TOUR [RIIZING LOUD] Special Edition in TOKYO DOME】
2026年2月21日(土)開場16:00/開演18:00
2026年2月22日(日)開場14:00/開演16:00
2026年2月23日(月・祝)開場14:00/開演16:00
会場:東京ドーム
チケット:指定席14,800円、プレミアムシート21,800円(指定席チケット14,800円+アップグレードチケット7,000円)
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