エンターテインメント・ウェブマガジン
憎っくき新型コロナの規制も解けて、ライヴハウスに活気が戻ってきて。この夏休み? つうか、8月の連休も連日ライヴハウスに通ってた俺。8月10日(木)には新宿ロフトを中心に歌舞伎町で行われたサーキットライヴ『歌舞伎町MUSIC CHRONICLE 2023』に参加したり、最近は新進気鋭のライヴを観る機会もやたら多いのですが。現場感覚で感じるのは、コロナ前とは明らかに異なる新たなシーンが生まれてるということ。若いセンスと感覚でまったく新しい音楽を生み出し、ネットやSNSも効果的に使用しながら、変わらず生のライヴを大事にする令和のロックバンドと、自分たちの世代の音楽を求めるオーディエンスが作りだす新たなライヴハウスの光景。おじさん視点で恐縮だが、最近ライヴを観た若手バンドで、特に印象的だったバンド5選とその代表曲を紹介したい。
「暮らし」(’23)/Hwyl
2021年6月、活動開始。あきたりさ(Vo&Gt)の綴るリアルな日常とそこにある感情、透明感ある歌声と感情に寄り添ったサウンドが、異常な親近感を与えてくれるHwylの楽曲。YouTube再生回数7.2万回を超える「暮らし」に、「これは私の歌だ」と部屋で聴いて救われる人がたくさんいるだろうと思った。コロナ禍でライヴも行けずにひとりで過ごす時間やスマホで音楽を楽しむことが増えた人たちに、より強く響いたのだろうと想像したが。あきたが顔を紅潮させながら、たっぷり気持ちを込めた歌と演奏を懸命に届け、その感動をみんなで分かち合う光景を見て、バンドや楽曲のイメージが大きく変わった。声と拳を上げて気持ちを共有出来ることの喜びを改めて感じた。この夏はオーディションを勝ち抜き、『ムロフェス』や『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』の大舞台にも出演した彼女ら。部屋でひとり聴いたあの曲の感動を、もっとたくさんの人と共有出来る日は遠くない。
「部屋」(’22)/シャイトープ
2022年6月、大学時代の仲間で結成。大阪、東京のサーキットフェスへの出演をきっかけにその名を広め、昨年11月に発表したMV「部屋」はYouTube再生回数40万を突破。優しく儚い歌声、丁寧で温かみある演奏に乗せた優しくもどこか儚い歌声で歌うのは、眠りたくない夜、君のいない部屋で思う、忘れられない君への想い。これまた部屋でひとり聴いて、楽曲世界にどっぷり浸って涙する人がたくさんいるだろうと想像させる曲だが。生の歌と演奏で聴いた時、悲壮感というか、悲しみの中に前向きさや力強さが見えて、思わずギュッと拳を握った。これはあくまで個人的な憶測だが、多感な時期にコロナ禍を経験した令和のバンドたちはひとりでいることの寂しさと、それを乗り越えた強さをよく理解してる気がする。それはリスナーも同様で、ひとりでいる寂しさを救ってくれた音楽の力も知りながら、ひとりで楽しむしかなかった音楽をみんなで共有するという楽しさに、今改めて夢中になれてるのだろう。
「FIRE」(’23)/AS I AM
2018年結成。ロックにヒップホップにEDMにとさまざまなジャンルの音楽を吸収した、オリジナリティーあふれるポップでハイブリッドな楽曲が並ぶ最新アルバム『AS YOU ARE』を聴いて、“令和ミクスチャー”と言える最先端のサウンドに衝撃を受けたこのバンド。さらにMV等の映像制作やデザイン等も自身で行ない、SNSやサブスクを巧みに活用したプロモーションも令和的で、感心させられるばかりだった。何より驚かされたのが、ライヴのカッコ良さ! 打ち込みやオートチューンもフル活用した、いわゆるロックバンドのサウンドメイクとは異なる楽曲たちをライヴハウスでどう表現するのか?と思った。楽曲の雰囲気はそのままに、高いスキルと熱量のあるバンドサウンドで聴く者の心と身体を揺さぶり、みんなを笑顔で踊らせていたことにびっくりしたし、俺も大興奮してしまった「ようやくやりたいことがかたちにできるようになった」と語る最新曲「FIRE」は、AS I AMの最新型かつ、快進撃の始まりとなる一曲になるはず。
「貴方の恋人になりたい」(’22)/ チョーキューメイ
2020年、梅雨ごろ結成。ピアノ、ベース、ドラムに加え、ヴォーカルの麗がギターとバイオリンを担当するという編成による4人組バンド。コロナ禍でライヴができない中、楽曲制作に集中し、「貴方の恋人になりたい」のYouTube再生回数が384万回を突破。楽曲の良さや麗の求心力のある歌声やルックスの美しさが話題となっている。音源やライヴでバンドをさらに掘り進めると、想像以上の幅広い音楽性や豊かな表現力、高いスキルを持つ演奏やアレンジに興味が深まるばかり。そして、彼女らの自由な表現を見ていると、もはや音楽をジャンルなんて概念で考えること自体が古いのでは?とさえ思ってくる。12月24日には、自身最大規模となる東京・渋谷WWWでのワンマンライヴ『超新星は教えてくれる」も決定。ここからさらに大きく羽を広げ、自由に羽ばたくチョーキューメイの活躍が楽しみです!
「外灯とアパート」(’21)/鉄風東京
2018年11月結成。仙台を拠点に活動する、平均年齢 20歳の 4 人組オルタナティブロックバンド。YouTube再生回数118万回を超えた「外灯とアパート」のMVは、高校時代に公開したものだというからとんでもない! なんだよ、ボロアパートでひとり暮らししてるフリーターの曲じゃねぇのかよ!?(笑) 一昨年、初めてライヴを観た時はコロナ禍ということもあって、まだ本領発揮できていない感もあったが、先日観たライヴはものすごい爆発力があって、以前見たバンドと別のバンドじゃねぇか?というくらい成長していたし、攻撃的かつエモーショナルでめちゃくちゃカッコ良かった。ポップで温かみのあるサウンドや美しいメロディーで勝負するバンドの多い中、彼らのような肉食系バンドの存在が嬉しかったし、興奮させられた。9月には1stミニアルバム『From』がリリース。リリース後は、レコ初ツーマンツアーも控えている彼ら。このままの勢いでぶっ飛ばしてほしいし、こんなバンドに令和のライヴハウスをリードしてほしいと思った。
TEXT/フジジュン
フジジュン プロフィール:1975年、長野県生まれ。『イカ天』の影響でロックに目覚めて、雑誌『宝島』を教科書に育った、ロックとお笑い好きのおもしろライター。オリコン株式会社や『インディーズマガジン』を経て、00年よりライター、編集者、デザイナー、ラジオDJ、漫画原作者など、なんでも屋として活動。12年に(株)FUJIJUN WORKSを立ち上げ、バカ社長(クレイジーSKB公認)に就任。メジャー、インディーズ問わず、邦楽ロックが得意分野。現在は音楽サイトや、雑誌『昭和50年男』等で執筆。
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