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マルチクリエイティブユニットtonari no Hanakoが3月24日(金)、都内某所にてSECRET LIVE「春めく花葬」を開催した。このライブは3月8日にリリースしたMajor 1st Digital EP「春めく花葬」をひっさげメジャーデビュー記念として行われたもの。tonari no Hanakoの楽曲を象徴するような不安定な空模様のなか、会場はこの記念すべきライブを見るために集まった老若男女を問わないファンの熱気で溢れ返った。
定刻を少しすぎると、オープニングSEと共にステージ全体に今までのtonari no Hanakoの作品を総集する映像が流れる。表に顔を出さないボーカルとVJ、ビジュアル担当のHanakoで構成される”tonari no Hanako”というアーティストの個性を最大限に活かした演出に心が躍る。
白い服に身を包んだバンドメンバーと、同じく白い服と白いヴェールに顔を覆われたVo.ameがステージに登場。Digital EPでも1曲目の「最終解」でライブはスタート。タイトルの通り、割れ物が散りばめられた映像で楽曲を表現した「割れ物」、風のように柔らかく歌いあげる「むねのかたち」と雰囲気の違う3曲を続け、ライブ序盤から会場をtonari no Hanakoの世界へ導く。
ameから「皆さん、初めましてtonari no Hanakoです。tonari no Hanakoは、Vo.ame、VJ.sobue、ビジュアル担当のHanakoの3人で活動しています。今日はメジャーデビュー後、初ライブということで、初めましての方が多いと思いますが、たくさんいろんな曲をお届けしますので、楽しんでいってください」と控えめに挨拶。
「傷を隠して」「ぜんぶ忘れてしまうって」と、デビュー後リリースした2曲を歌い上げる。その華奢な姿からは想像もできない、受けた傷も感じた愛も全てを歌にしてきた強い女性がそこには居る。そんな彼女の姿に、客席からは1曲1曲終わるごとに丁寧な拍手が贈られる。
途中、ameがステージから離れるとバンドメンバーのセッションが始まる。ameはライブ前のインタビューなどで、「バンドメンバーたちの演奏が素晴らしいので、本当は私も歌わずに聴いていたいんです」と語っていた。ame自身がその演奏力に惚れ込んでオファーしたプロのミュージシャンたちの演奏に観客も釘付けになる。「青に線香」「君のトーストになりたい」は、どちらもこの日初だしされたブルーを基調とした映像とともに披露され、ameの可愛い歌声に隠された、未練のある女性の気持ちを綴った歌詞が絶妙に表現される。青から一転、「春逝きし晴れ」では満開の花がステージを埋め尽くす。聴覚・視覚両方で楽しませてくれるtonari no Hanakoのステージに、客席の体も揺れる。
途中MCで、「メジャー初ライブということで、お手柔らかにお願いします」と観客を笑わせる。tonari no Hanakoの歌詞にも表現される、人生の苦悩や葛藤を語りながら、「tonari no Hanakoという音楽を作って、皆さんに出会うことができ、こんな自分もなかなかいいのかなって、少し思えるようになってきました。本当に感謝しています。次にお届けする曲は、YouTubeでたくさんコメントをいただいて、すごく励みになった曲です。」と、「short hair」。
「会いたいの、ごめんね」を続け、素直になれない女子の可愛い感情を歌った。「会いたいの、ごめんね」では、Hanakoが可愛らしく踊る姿が印象的なMVと共にameも歌いながら踊り、思わず笑みが溢れる。
ポップな雰囲気から打って変わって「髪、切ったら」を披露。「うつ病ってワードを一人ベッドの中ググってて」という鋭いフレーズととも鳴る、生音のバンドサウンドが胸に突き刺さる。ライブの終わりを告げるように、ameがゆっくり言葉を紡ぐ。
「私達は9月にメジャーデビューいたしました。そこに至るまで、結構いろんなことがあったなと思っていて、素敵なミュージシャンと出会い、音源を作り、初めて作った作品は1stの“切ったら、空”という作品で、無名の何もない自分がどうしたら色んな人のところに音楽を届けられるか考えた結果、CDのパッケージをアルミジップのものにして手作りするといことをしたりして、ありがたいことにCDショップ大賞 北陸ブロック賞をいただき、そこからどんどんご縁が繋がって、シンガーソングライターの河口恭吾さんのラジオにゲストで出させていただき、歌詞提供のお話しを頂き、それがきっかけでレーベルさんとのご縁が頂けて、そしていまこの場所に立っている。なんか人生、振り返って見てれば無駄が無かったのかな、とか。点の段階だと自分がいまどこに向かっていて、どの位置に立っているのかわからなかったけど、結ばれた時に振り返ってみると、すごく一つ一つが大事な経験で、大事な歩みで、大事な出会いだったんだなとつくづく思います。そして今日はメジャーデビュー後、初ライブとうことで、本当にここがスタート地点です。今日この場所に立ち会ってくださったみなさん、tonari no Hanakoの初ライブは今日しかありません。これからも歩みを止めずに、たくさん素敵な楽曲を作って届けていきたいなと思っているので、これからも見守って、一緒に楽しんでもらえますか?」
恥ずかしそうに声をかけると今日一番の拍手が贈られた。その拍手を噛みしめ、メジャーデビューのきっかけとなった「ヘアゴムとアイライン」で本編を終了。アンコールを含む全16曲で会場をtonari no Hanakoの世界観に包み込み本公演は終了した。
メジャーデビューという大きな転機を迎えたtonari no Hanako。振り返った人生も、今も、そしてこれから起きることも、全てを受け入れ大切にするameの姿が印象的だった。彼女はこれからもtonari no Hanakoのテーマである、“切ないほど、人生は、愛しい” そんな溢れる人生の愛おしさを歌で伝え続けるのだろう。
アンコールでは、本公演のオンデマンド配信も発表された。視聴期間は4月29日(土)から1週間とのこと。ぜひ、ゴールデンウィークにtonari no Hanakoの世界観に浸ってほしい。
photo by Rocky
【セットリスト】
1. 最終解
2. 割れ物
3. むねのかたち
4. 傷を隠して
5. ぜんぶ忘れてしまうって
6. 雨の祭り
ジャズセッション
7. 青に線香
8. 君のトーストになりたい
9. 春逝きし晴れ
10. 旅立ち
11. short hair
12. 会いたいの、ごめんね
13. 髪、切ったら
14. ヘアゴムとアイライン
En1. さよなら未満
En2. 春風
■Band Member
Bass&Synthesizer. ヤノアツシ
Guitar. 佐藤数馬
Drums.河村亮
Piano. 成田祐一
Manipulator. 松井望
【オンデマンド配信】
「春めく花葬の記憶」
※アンコールの配信は無し
購入URL:https://eplus.jp/tonarinohanako-st/
チケット受付期間:3/24(金)21:00〜5/5(金)21:00まで
視聴期間:4/29(土)12:00〜5/5(金)23:59まで
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