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あと少しで3月ですが、とはいえまだまだ冬の真っ只中です。全国各地で大雪になったり、先日は東京でも積もる日がありました。私自身も雪深い温泉地を訪れたこともあり、今回は冬ソングからもう少し絞って“雪”」縛りにしてみようかな、と。まぁ、選んだ曲のタイトル見ても分かりやすく白・白・雪・雪って付いてますね(笑)。では、個人的スノーソング、いってみよう!
「白いクリスマス」(’89)/ JUN SKY WALKER(S)
昭和から平成に変わった最初の年、自分の好きなアーティスト以外には興味がなかった当時でも、この曲は知っていた。ジュンスカの略称で知られるJUN SKY WALKER(S)の「白いクリスマス」。11月に発売、松下電器(現:Panasonic)のCDラジカセCMソングに起用され、バンドとしてオリコンで初の1位を獲得したこの曲は、クリスマスが近づくに連れてテレビの中から聴こえてきた記憶があるが、改めて歌詞やMVを観てみても雪どころかどしゃぶりの雨に降られている。けれど、今のように検索してすぐ歌詞や映像を確認できるわけでもなかったあの頃、Vo.宮田和弥の切ない歌声は聴くたびに私の脳裏にシンシンと降る雪の光景を見せ続けていました。重そうに見えるほど“君”へどんな飾りをつけてしまったのか、透きとおる雨を“白いクリスマス”と呼んだその心境は…聞いてみたいことがいくつも浮かんだが、そんなこともこの33年後の世界では、きっと全て笑い話なのだろう。再結成後の2018年、セルフカバーとして『白いクリスマス2018』がリリースされた。ずいぶんと時間が流れた今だから、令和の時代に今度こそ終わりのない約束をしよう。
「雪が降る町」(’92)/ユニコーン
雪で縛るとクリスマスなど限定した時期の設定が付いてくることも多いが、こちらは“年末”。なかなか珍しいコンセプトだ。当初はクリスマスソングを考えていたが、Vo.&Gu.奥田民生の「年末ソングにしたほうが大晦日まで流せる」という、何とも鋭い考案が採用されたのだとか。各メンバーのソロ活動を経て約一年振りにユニコーンがリリースしたシングル「雪が降る町」。1996年には奥田プロデュースでデビューしたPUFFYが、シングルのカップリングとしてこの曲をカバーしている。特別なドラマがあるわけでもなく、気付けば毎年同じようにやって来て同じように慌しく過ぎてゆく、そこに降る雪でさえこの町では“いつも”の景色。そんな100パーセントの日常が、知らずに心を温める。この緩さが逆に心地良くて、毎年クリスマスが終わり大晦日がやってくるまでの数日の間、リピートしたくなる人はたくさんいるのではないだろうか。そして、一年の終わりは合言葉のようにこれで締めよう。《世の中は 色々あるから どうか元気で お気をつけて》。
「お家へ帰ろう」(’98)/ 山崎まさよし
冬になると食べたくなるものや、家で食卓を囲む温かい光景というのはいろいろあるだろう。その中でもホッとするような優しさを感じさせてくれるもの…そう、シチュー! 1998年に山崎まさよしの8枚目のシングルとして発売された、「僕はここにいる」のカップリングに収録されている「お家へ帰ろう」。ハウス食品ハウスシチューのCMソングで♪お家へ帰ろう~ シチューを食べよう~と、そのまんまの歌詞が収められている。強がってひとりぼっちに挫けたり、冷たいつむじ風に涙しても、お家へ帰ればそこには白い湯気が立ちのぼる、温かいシチューが待っていてくれる。こんな幸せな構図ってある? CMでは山崎の温もりあふれる声をバックに、酒井美紀がかぼちゃの列車の中で、窓の外に降る雪を見ながらバイオリンを弾いていた。次に雪が降ったら、シチューを作って大切な人の帰りを待ってみませんか?
「白い恋人達」(’01)/桑田佳祐
桑田佳祐のMVはいつもドラマチックなストーリー仕立てで素敵だなと思う。曲には歌詞という物語がすでにあるが、それを映像にしようと思った時、またそこに新しいストーリーが出来上がる。発売一週目の初動で50万枚以上のセールスを上げ、自身が出演するコカ・コーラ『No Reason』(雪のホーム篇)のCMソングとしても使われている「白い恋人達」。余談ではあるが、CMに登場するホームは静岡県にある天竜浜名湖鉄道の三ヶ日駅で、駅舎にはオールドアメリカを思わせるカフェが併設された珍しいスタイル。個人的にはそれを目的として訪れたことがある、鉄道好きにはちょっと知れた駅である。ユースケ・サンタマリアと内村光良が出演していることでも話題となったMVの中では、冒頭に“ある冬の荒れ果てた街の物語”とテロップが出て、途中さまざまな人たちの争いや怒り・悲しみなどがあることを境に穏やかな笑顔に変わる。それを“奇跡のピアノが街を魅了する”と表現されているが、どう見ても私には“雪”の仕業にしか見えなかった。人の心に、物悲しさと同時に温かい気持ちを沸き起こしてくれるのも雪のマジックなんじゃないか、そんなことを思わせる優しいナンバーだ。
「雪の足跡」(’07)/ L’Arc〜en〜Ciel
今回テーマを“雪”と決めた時、真っ先に頭に浮かんだのがL’Arc〜en〜Cielのアルバム『KISS』に収録されている「雪の足跡」だった。もしも歌詞の中にそれを表現する言葉が何ひとつ入っていなかったとしても、この曲のもつ神聖な静けさと素朴な優しさ、そしてそこに加わる温もりを灯すようなhydeの歌声。その組み合わせだけでもう、十分なくらい雪景色を見せてくれるからだ。その上さらにダメ押しをするかのように、嘘みたいに素敵な雪の情景の言葉が並ぶ。それはまるで一本のフィルムを観ているようなそんな感覚で、歌い出しの《吐息がすっと昇って冬めく空溶けだした》で一瞬にしてその再生ボタンを押してくれる。雪の降る音さえも聞こえそうな凛とした空気と白い吐息、踏みしめる足音が今にも聞こえてきそう。2018年に東京ドームで行われたクリスマスライヴ『L’ArChristmas』にて、朝起きたら声が出ないというアクシデントを何とか乗り越えたと話すhydeが、その後に最後の曲と紹介したのがこの曲でした。この日ばかりは、この曲がバンドのことを歌っているように感じた、そんな思い出の曲でもあります。振り返って転んだ跡を笑い合って、冷たい手を重ねて温め合う、その後ろには並んだ白い足跡が、きっとこれからも。
TEXT:K子。
K子。 プロフィール:神奈川・湘南育ち。“音楽=音を楽しむ”ことを知り、好きな音楽の仕事がしたい!とOLをやめてオリコン株式会社に9年所属。旅行業界に転職後、副業で旅・エンタメ関連のWEBで執筆するも、音楽への愛が止められず出戻り人に。愛情込めまくりのレビューやライヴレポを得意とし、ライヴシチュエーション(ライヴハウス、ホール、アリーナクラス、野外、フェス、海外)による魅え方の違いにやけに興味を示す、体感型邦楽ロック好き。最愛のバンドがついに復活してくれてもう泣くしかない。
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