【INTERVIEW:week dudus ft. SHO】自分の色を出す、風の時代へ

2022年12月27日 / 12:00

week dudus ft. SHO   (okmusic UP's)

動画配信サービス「GYAO」、ストリーミングサービス「AWA」のフォローアップのもと日本工学院専門学校の学生がアーティストインタビューを行う、ネクストブレイクアーティストをプッシュするコラボレーション企画『G-NEXT-Z』。この企画には、「LINE VOOM」でのオリジナルコンテンツ動画やFm yokohama「Startline」での楽曲OAもあり、多角的なプロモーションを展開している。
今回の選出アーティストは、注目度上昇中の次世代ラッパーweek dudusと現在ヨーロッパで大バズり中でワールドワイドに活躍しているSHO。12月16日にリリースされた「KAZE NO JIDAI」は、week dudus ft. SHO名義としての作品で、それぞれの相反するスタイルを持ち合わせた個からヒップホップの化学反応を起こすべく実現した、異色且つユニークなコラボ楽曲に仕上げている。コラボのきっかけから今作に込めた思い、そして2人にとって音楽とは何かを訊いた。
――まず、week dudusさんの原点であるラップを始めたきっかけを伺いたいのですが。

week dudus(以下、dudus):親が凄くHIPHOPとかレゲエが好きで、その影響で小さい頃からそういう音楽しか聴いていなくて、それで自分もやってみようと思い始めました。

――week dudusという活動名には、どういう背景があるのでしょうか?

dudus:元々は本名の”風人”でやっていたんだけど、高2あたりで気が変わって、その時は週末だけが楽しみだったので、weekendから取りました。でもendは終わった感じがあったからweekだけ。あとdudusっていうのは小学校の時にレゲエのセレクターやってるおじさんが、ジャマイカに”dudus”ってヤバイ奴が居てみたいな話をしてて、その時にいつかdudusを使いたいなって思ってて、どうせなら名前にしちゃおうってweek dudusになりました。

――そういう経緯なんですね。憧れているラッパーはいますか?

dudus:音楽始めた頃はいっぱいいたんですけど、今はどんだけ自分と向き合えるかって事しか考えてないですね。

――SHOさんはいかがでしょうか?

SHO:俺は架空の3年後の自分を理想にして追ってます。3年経ったらまた3年後の先を追う。常に架空の”なりたい自分”があるべき姿のところの自分と向き合ってやってる感じです。
――おふたりともご自分との向き合いなんですね。ではHIPHOPの魅力をどう感じていますか?

dudus:音楽を作ることが自分のモチベーションアップになってて、HIPHOPは自分の汚かった事とかを綺麗にクリーンアップできる気がするので、それが魅力なのかなって思う。

SHO:HIPHOPは、生き様。

――端的ですがかなり深いですね。では、今作について伺っていきたいのですが、そもそもコラボすることになったきっかけというのは?

SHO:メイウェザー(5階級を制覇したプロボクサー)が来日した時にパーティーがあったんだけど、そこに行ったらdudus君のプロデューサーも来ていて、なんか知らないうちに話すようになって。そしたら彼が「メイウェザーに会うよりSHOと会ったことにテンション上がる!」って言ってくれて、「うわ、この人やべえ」って思ってめっちゃうれしくて、そこからdudus君を紹介してもらった感じですね。

ーーその出会いがコラボにつながるわけですね。その話に対してSHOさんのお考えというのは?

SHO:僕は基本的にはコラボしないんですけど、何かタイミングみたいなものを感じたんで。それはもう感覚ですね。”あっ、やりたい!”ってなったので、僕の中の直感で”それは是非!”って。

ーー作品を作るにあたっては何を軸にしたんでしょうか?

dudus:まずプロデューサーと3人で意見出し合って、タイトルテーマを”風の時代”にしようって決まりました。

SHO:色々意見は出したんだけど、”風の時代”でピンときた。”風”ってのは俺じゃなくて見るからにdudus君じゃないですか。僕は結構スワックな部分、”オレが!オレが!”みたいなのが好きだったんで。黒人ラッパーってそれを車とかジュエリーとかで表現したがるんですけど、そこじゃなく、まったく別のアプローチができたら面白いかなって。
ーーテーマの”風の時代”とは、どう捉えればいいのでしょうか?

dudus:今までは”密室の時代”だったんです。だけど、すごい風通しが良くなって、自分の色も一緒になって外に出たり中に入ってきたりできるようになった。今まではそれが難しかったんですよね。今はダサいことでも自分が「カッコいいです!」って言えば成立する事に感覚的になってるのかなって思います。

ーーそれはコロナ禍で中にいたからではなくて、まわりの発言とか空気感の密室みたいな事ですか?

dudus:そうですね。自分の色が出しにくかったんで。

――そこから解放された中、コラボしてみた率直な感想というと?

dudus:曲作りが終わって、なんか違う曲もやってみたいなって感じました。一緒にスタジオ入って作りたいっすね。今回もフィーリングはすごい合ってたと思うんだけどもっと合うかなと。

――とのことですが、SHOさんはコラボしてイメージの変化はありましたか?

SHO:今回やった曲に関しては新しいなって思っていて。dudus君のラップってお洒落で、この誰もやってないような表現の曲にかなりマッチしてる。風の時代でレぺゼンしている様な雰囲気が出てるから、そのバイブス的にリリックと曲を聴いた感じが、すげぇハマっているなって思う。
――楽曲の中で気に入ってるところやこだわったリリックなどはありますか?

dudus:バースが終って”風”って単語をひたすらフローつけてるところ。完成したものは音割れしてて”風”がすっげえ吹いてる感じ。スタジオのミックスエンジニアがそれを表現してくれました。

SHO:俺のところはドリルビートになってるんで、結構早いフローのところにあえて《風の時代 フゥッフゥッフゥー》っていうのをぶっこんで、ドリルでハメない形のハメ方が出来ているんで、そこが面白いかな。

――dudusさんは、制作する時に曲のトレンドとかは意識したりしますか?

dudus:全然しないですね。流行りのビートよりも自分の声が一番大事なんで。

SHO:そうなんだ。そっから逆算してハマるビートを選んでるんだね。今回はビート聞いたときにどうゆう感覚だったの?

dudus:いつもノリ方とかは意識するんだけど、今回のビートは簡単だったんで。つまりフリースタイルみたいに、その時に出たフローが一番ハマってるということなんです。

――それはリリックを書くんじゃなくて、口ずさんで作ったフローを録音したという感じなんですか?

dudus:そうですね。デモで宇宙語みたいなフローを録って。リリックは”風の時代”っていうテーマに沿って作っていきました。

SHO:それはトレンディーだね。知らない読者のために説明すると、宇宙語っていうのは、ビートが流れたら言葉で言うんじゃなくて、言語にはなってないんだけど音程とフローをつけるっていうことを”宇宙語をやる”って表現してます。

――ありがとうございます。この楽曲で伝えたいこととは何でしょうか?

dudus:風の時代の意味。風通しを良くして、自分のその色をもっと出した方がいいってことですね。
――話変わってライブについてもお聞きしたいのですが、week dudusさんは2021年にツアーで全国を回っていますが、感じた事を伺えますか。

dudus:初めて全国を回ったんだけど、自分の地元のテンションと似てるところもあったり全然違ってたり。だけど現地のラッパーやオーガナイザーからしか聞けない話もたくさんあったんで、すげえ良い旅でした。

――私たちはコンサート・イベント科の学生なんですけど、ライブスタッフに求めることがあれば教えていただけますか。

dudus:やってる側からしたら、ライブスタッフがライブ中に乗ってくれてたりするのを見ると、すげえモチベーション上がります。それがやっぱり大事なのかなって思います。

SHO:明るい声。明るい表情。プラス思考。以上です。

――参考にさせて頂きます。では、最後の質問になりますが、あなたにとって音楽とは?

dudus:自信ですね。”自信”って感じがします。

SHO:”愛”です。
取材:佐藤真優、梯歩乃果(日本工学院専門学校 蒲田キャンパス コンサート・イベント科)

撮影:平野伶(日本工学院専門学校 蒲田キャンパス コンサート・イベント科)
配信シングル「KAZE NO JIDAI 」/week dudes ft. SHO
2022年12月16日配信


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