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B’zが、11月27日に【B’z LIVE-GYM 2022 -Highway X-】を神奈川・ぴあアリーナMMで開催した。
約3年ぶりとなる今回のツアー。5月から全国12か所30公演を巡ってきた。当初、ぴあアリーナMMでの千秋楽公演は8月に予定されていたが、稲葉浩志(Vo.)の体調不良により延期に。満を持して開催となった今回の公演では、同時にライブビューイングや生配信も実施された。2022年、彼らの活動の締め括りとも言える一夜をレポートしていく。
会場に到着してステージに目を向けると、モニターには世界各国の現在時間が映し出されている。開演時間となり、機内アナウンスを彷彿とさせる案内が始まると、大きな拍手が起こり始めた。今回のツアーでは声が出せない分、オーディエンスは各々拍手で感情を表現していた。そして、ビープ音のSEが流れる中、松本孝弘(Gt.)の雷鳴かの如きギターリフが聴こえてくる。稲葉の「Hey!」という掛け声から「SLEEPLESS」でライブがスタートした。「B’zの【LIVE-GYM】にようこそ!」とお馴染みのフレーズを叫ぶと、そのまま「Hard Rain Love」「ultra soul」へ。今回のツアーでは、サポートメンバーとしてボーダーレスに活躍しているYUKIHIDE “YT” TAKIYAMA(Gt.)、青山英樹(Dr.)、川村ケン(Key.)、清(Ba.)の4名が参加している。「ultra soul」の間奏では、清のスラップが炸裂し、松本のソロにバトンを繋げていった。さらに、青山もフロアを激しく揺さぶるドラムソロを披露。序盤から見応えたっぷりであった。
「お久しぶりです。お待たせしました。再び横浜に戻って参りました。この素敵な景色が見られて良かったです!」と稲葉がコメントしたMC。「Highway X一緒に駆け抜けてくれますか!?」という声にオーディエンスは拍手で応えていた。B’zのライブの醍醐味の一つと言えば、原曲とは一味違った松本のアレンジだ。「イチブトゼンブ」ではAメロの哀愁溢れるギターが楽曲を一層引き立てていた。「Hey! YT!」と稲葉が叫ぶと、ギターを奏で始めるYT。ロックで攻撃的でもあり、ギターメロディーに乗せて歌うなど独創的なソロから「愛のバクダン」を投下した。
8月10日にアルバム『Highway X』をリリースしたB’z。中盤戦では、収録楽曲が連続で披露された。その前に稲葉は、アルバムを聴いた人や聞いていない人にしっかりとライブの楽しみ方を提示する。そして最初に制作されたという「Daydream」、稲葉のアコースティックギターと松本のテレキャスターが優しい音色を届けた「山手通りに風」と続いていった。
「Thinking of you」「裸足の女神」などアッパーチューンが披露された後、一転して静寂の中で波打つ音が聞こえてきた。徐々に松本のハーモニクスや川村と清の奏でる美麗な一音一音が融合していく。後半から松本のストーリー性のあるソロが繰り広げられ、身を乗り出して聴き入ってしまった。こちらは松本のソロアルバム『Bluesman』に収録されている「漣 」という楽曲だ。続いて、アルバム『Highway X』よりタイトル曲「Highway X」、イントロで力を溜めていくようなバンドアンサンブルからの「COMEBACK -愛しき破片-」を披露。ステージには“X”を型取るように長方形の照明が複数設置されており、メンバーを輝かせていた。
メンバー紹介を絡めたMCでは、川村が「“喜び”は各国で何と言うのか?」という質問をメンバーに投げていく。冗談で受け答えしつつも、最後は松本が「Pleasure」と答え、そのまま「Pleasure ’91 ~人生の快楽~」のイントロを全員で演奏するという演出もあった。また「コロナ禍で色々制限される中でも、“HOME” sessionや【B’z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-】、【B’z presents UNITE #01】など新しいことに挑戦することができた。アルバムも時間をかけて制作したので、僕たちにとって良い時間だったのではないかと思います」と改めて松本が今回のツアーに対する胸の内を語るシーンも。再びそんなアルバムから「観客と一緒に歌いたい」という想いで制作され、そしていつか一緒に歌えることを願って「YES YES YES」が披露された。
後半戦では「兵、走る」「さまよえる蒼い弾丸」「リヴ」と全速力で駆け抜けていくB’z。すると「一本の【LIVE-GYM】をやれたことは奇跡だと気付きました。そしてこの奇跡を現実にしている」と語り始めた稲葉。「ライブは尊いものです」とファンやスタッフに感謝の意を伝える。こういう状況だからこそできた今回の【LIVE-GYM】。「Highway Xを駆け抜けてきたことを一生忘れないです」と言葉を噛み締める稲葉の姿が謙虚であり、誠実であり、B’zというトップアーティストを形成しているのだと感じた。そうしてラストは「UNITE」で魂を揺るがすような歌声を轟かせ、ステージを後にした。
「You Are My Best」から始まったアンコール。ここでは、本編で披露された「裸足の女神」が“Part2“と銘打って再披露された。というのも元々、演奏中に稲葉がステージ裏を巡るという演出があったが、カメラのトラブルにより本編ではうまく映像を流すことができなかった。“Part2“では無事に沢山の寄せ書きが刻まれた「Highway X」のモニュメントに、【B’z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-】のポスターなどがモニターに映し出されていた。演奏が終了すると、稲葉と松本が向かい合い、稲葉の雄叫びに松本のギターがこだましていく。そんな中始まった「ZERO」でツアーの幕が閉じた。
B’zは、2023年に全国ツアー【B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-】を開催することが決定している。常に走り続ける彼らの2023年の活動を刮目して待とう。
Text by Tatsuya Tanami
Photo by VERMILLION RECORDS
◎公演情報
【B’z LIVE-GYM 2022 -Highway X-】
2022年11月27日(日)神奈川 ぴあアリーナMM
<セットリスト>
1. SLEEPLESS
2. Hard Rain Love
3. ultra soul
4. イチトゼンブ
5. 愛のバクダン
6. Daydream
7. 山手通りに風
8. マミレナ
9. Thinking of you
10. 裸足の女神
11. 漣
12. Highway X
13. COMEBACK -愛しき破片-
14. YES YES YES
15. 兵、走る
16. さまよえる蒼い弾丸
17. リヴ
18. UNITE
~アンコール~
19. You Are My Best
20. 裸足の女神
21. ZERO
◎リリース情報
アルバム『Highway X』
2022/12/2 DIGITAL RELEASE
DVD & Blu-ray『B’z presents LIVE FRIENDS』
2022/12/14 RELEASE
<DVD(3枚組)>
BMBV-5046~5048 7,920円(tax in.)
<Blu-ray(2枚組)>
BMXV-5046~5047 7,920円(tax in.)
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