毎年末恒例の大阪のビッグイベント【FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY】(以下、レディクレ)が、インテックス大阪にて2019年12月26日に開幕した。第11回目となる今回は、主催であるFM802の開局30周年というメモリアルイヤーのラストを締めくくるもので、12月25～27日という初の3デイズで開催。初日の熱が残るなか12月27日にはDay2を迎え、過去にFM802のヘビーローテーションに選ばれたSaucy DogやTHE ORAL CIGARETTESをはじめとする計29組もが、それぞれ前日に負けない”熱戦”で来場者を楽しませた。また4つあるステージ以外でもアーティストやFM802のDJ陣が出演して公開収録や弾き語りを行ったほか、新日本プロレス・棚橋弘至による餅つきなども実施。豪華な”場外戦”も見ごたえあり！だった。そこで、下記にて特に注目を集めた7組をピックアップ。出演順にそのステージの様子を一部紹介する。
午後の「Z-STAGE」を沸かしたのは、今回複数のステージに呼ばれた人気者・GENが率いる04 Limited Sazabys。ハイスピード&ハイトーンの楽曲を連ね”らしさ”全開で約40分間を駆け抜けた。昨年はメンバーの体調不良で出演キャンセルだった彼らだが、”今年は去年の分と合わせて倍返しさせてもらうんで！”（GEN）を有言実行し見事なリベンジ。そして当時、半泣きでタイムラインを追っていたというGENを支えたリスナー、バンド仲間、FM802へ思いを込め、2018年春のFM802×TSUTAYAキャンペーン曲「栞」も…。それはいつも以上に温かい響きとなった。
そして、昨日は弾き語りで参加した阿部真央は、今日もまたギターと歌で勝負を挑むかのように冒頭はギターをかき鳴らし目を見開いて歌い上げ、パンチ力大のスタートを切った。またかつてFM802のヘビーローテーションだったデビュー曲「ふりぃ」や、来年1月22日（水）に発表するアルバムの3曲も披露。彼女特有の小悪魔的なMCも挟みつつ、超高速で啖呵を切るようなボーカルが強烈なダークサイドも、ガーリーな一面を見せるポップサイドも聴かせてくれた。この色とりどりかつ痛快な曲たちが並ぶ新作の到着が今から待ち遠しい！
また阿部真央に続き「L-STAGE」では、會田茂一（G）、オカモトレイジ （D）、堀江博久（Key）、ハマ・オカモト（B）から成る極上バンドを連れた木村カエラが人々をメロメロに！ 弾ける笑顔、みずみずしい歌声、飾らないトーク…。特にキラキラのウィンターソングでは大画面に雪を吹き飛ばす仕草が大きく映し出され、会場では”かわいい”の声があちこちから聞こえた。そして今夜はビッグゲストも！ なんと奥田民生が”どうも（GALYの）TERUです”と現れ、いつもの爆笑MCと木村のロックな一面を引き立てた「BEAT」でリスナーの心をわしづかみにした。
…と、とっぷり日が暮れたあとは、FM802と肩を並べる長い歴史を持つカッコいい大人が若者を圧倒する時間へ！ まずは”ついにレディクレ初登場”のGLAYが、泣く子も黙る新旧のキラーチューンを次々ドロップ。観客はイントロだけで”うぉ…”の感嘆の声をもらし、もれなく最後列までハンズアップ。名バラードや飲み込まれるようなスケール感あるナンバーでは動きを止め曲の中へ入り込むといった具合だった。またTERUが自身の体験を踏まえ、音楽を志す人に温かなメッセージを伝えたりも…。誰もが25周年を迎えたGLAYの音楽のとその存在の偉大さを実感したことだろう。
そんな25周年のGLAYから入れ替わる時間帯で来年メジャーデビュー30周年を迎える東京スカパラダイスオーケストラが登場！ メンバーが並んで奏でるダイナミックなホーン、叩きつける鍵盤、ゾクゾク感を煽るリズム隊…今日も音楽の楽しみを純度200％で味あわせてくれた。だが、それに加えて今夜はゲストが2人も…。まずは04 Limited Sazabys・GENで、若さに満ちた歌声で楽しさをさらに増幅。そしてなんとさっきまでライブをしていたGLAYのTERUもステージに！ 艶やかなボーカルで「美しく燃える森」を彩り、最後はがっちり谷中とハグ。レア中のレアと言える光景と響きに会場は沸きに沸き立った。
25周年、30周年ときたらお次は驚愕の（いろいろ合わせて）100周年、ユニコーン！ 今月17日にこれを記念するツアーを終えたばかりの彼らは、今日までの道のりの”マイルストーン的”楽曲をそろえたセットリストで全世代を軽々ととりこにした。そのなかでも特筆すべきは「服部」で、前述のツアーではワンコーラス程度だけだったのに、今夜はフルという大盤振る舞い。また締めの1曲もこの季節にぴったりの「雪が降る町」で、会場には雪が舞い降って感動もひとしお。この貴重な年末の一場面は観客の脳裏に強く強く焼きついたに違いない。
そして今宵の「Z-STAGE」は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの”滋味深い”とも言えるアクトで締めくくられた。終盤までは焦燥感やエモーショナルな質感をまとった代表曲で進み、オーディエンスはバウンドしたり拳を突き上げたり、最小から最大へと上昇して爆発するコール&レスポンスを堪能したり…。しかし存分に胸を締めつけたあとは、人間味や温度感のある強さとやさしさをたたえたロック。そんなライブの流れは彼らが伝えたかったことをくっきり浮き彫りにして聴く者を何かから解き放ち、たくさんの人に両手を高々と掲げさせた。
さらに、初日を含め3日間のライブの模様はFM802の各番組内でオンエアされるほか、2020年1月13日（月・祝）19時から9時間にわたりオンエアする特別番組「RADIO de LIVE CRAZY」で放送決定している。
文：服田昌子
撮影：井上嘉和/阪東美音/田浦ボン/ハヤシマコ/松本いづみ/渡邉一生
◎イベント情報
【FM802 30PARTY FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2019】＜終了＞
12月25日(水)、26日(木)、27日(金)
会場：インテックス大阪
イベントURL：https://radiocrazy.fm/
◎特別番組情報
【FM802 RADIO CRAZY 2019 -RADIO de LIVE CRAZY-】
日程：1月13日（月・祝）
時間：第1部 19:00- 浅井博章、深町絵里
第2部 22:00- 落合健太郎、土井コマキ
第3部 25:00- 樋口大喜、板東さえか
【RADIO CRAZY】のライブ音源のみの9時間生放送。