【A Barking Dog Never Bites インタビュー】打ち込みが入っているアーティストが多い中で、人力でどこまで闘っていけるか?

2017年10月20日 / 10:00

L→R Ryo(Vo)、Sow(Gu)、Talow(Ba)、Kizuki(Dr)、Wataru(Vo) (okmusic UP's)

ダンスコアを掲げ、ダンサブルかつメロディアス、そしてラウドなロックを展開するA Barking Dog Never Bites。11 月1 日にリリースされる待望の新作2ndミニアルバム『LIBOWTY』についてメンバーに訊いた。
──新作『LIBOWTY』は過去作に比べてバラエティー豊かに仕上がった印象がありますが、メンバー自身の捉え方はいかがでしょうか?
Sow
「それは自分たちでも意識してました。今までよりも…と。」
Kizuki
「7曲収録ですけど、やってみたかったことをなるべく詰め込んでみようという気持ちは最初からありました。全部違うように楽しめる楽曲のほうが聴いてても飽きないんじゃないかなって自分自身も思っていたんで、その気持ちが大きかったです。」
──今回はM2「Doubt」でモータウンビートも取り込んでますし、リズムは本当に多彩ですよね。
Kizuki
「ありがとうございます(笑)。もともとドラマーとしての出身はジャズなんです。細かく跳ねるビートが好きで、これまでの作品でもそういうところを他のメンバーが楽しんでくれていたんで、毎回毎回“やりたい! やりたい!”って言っていろんなリズムをやってるんです。」
──M4「Forget in a Moment」はどことなくサンバっぽいですし。
Kizuki
「あそこはヴォーカルのリズムがよりそうさせてくれたというか、後半にちょっと哀愁っぽいお祭り感があって、完成したらそこがすごく出てた感じで。」
──しかし、こうもビートがジャンルにとらわれないと、ベースにかかる負担は相当なものではないかと想像しますが…
Talow
「めちゃめちゃありますよ! もうフレーズを何回変えたか分からない(苦笑)。正直、リズムよりもメロディーのほうが重要だと思ってるんで、そっちを邪魔しないように“最悪、ドラマーが苦労すればいいや”と思ってるんで(笑)。」
Kizuki
「ははははは。」
Talow
「攻撃的な曲の時は“俺が一番目立ってやろう精神”を心掛けてますけど(笑)、それ以外はやっぱりベースがないとスカスカになっちゃうし、そうならない程度にしていて。」
Wataru
「大分目立ってるけど(笑)。」
──“打ち込みや同期なし”というのがみなさんの信条であるそうですが、ところどころ“これは何の音だろう?”と思う音があって、よく聴くとベースであることを発見することも多々ありましたよ。
Sow
「そう言ってもらえるのは嬉しいです。もともと“打ち込みや同期なし”というコンセプトのもとに組んだバンドなんで。現代の音楽は同期や打ち込みが入っているアーティストさんが多いと思うんですけど、“その中で人力でどこまで闘っていけるか?”という。音を出しているのはギター、ベース、ドラムで、そこにヴォーカルのふたりで。…しかも、限界を超えた人外な声を出す奴もいて(笑)。」
全員
「ははははは。」
Wataru
「“人外”っていいね(笑)。」
Sow
「今作からはWataruもすごくいろんな声を出している印象がありましたけど。レコーディングをしている最中に“お、すげぇいい音を出しているな”と思ったし。だから、ギターもベースも人外を目指してやりました(笑)。」
──「Forget in a Moment」のイントロとか、普通のアーティストなら電子音にしそうなものですけど、あれはベースですよね? M6「クラックティーンエイジャー」にゲームっぽい音が入ってますが、ああいうのも弦楽器で出してるんですか?
Wataru
「ゲームっぽい音? …あ、あれは(Ryoを指して)こいつです(笑)。さっきの人外の部分です(笑)。」
──え、そうなんですか!? それはすごいなぁ。
Ryo
「普通に声を入れるより、こっちのほうが自分で聴いていて面白いんですよね。やってても楽しいし。なので、やっちゃいました(笑)。」
──Ryoさんはもともとヴォイスパーカッション出身なのですか?
Ryo
「いや、全然です。」
Kizuki
「たまたまやってみたらいろんな声が出せる人だったという(笑)。」
Ryo
「自分自身もそれをこのバンドで知りました(笑)。もともと、このバンドを組んだ時にスタジオでSowに“シャウトは吐くだけじゃなくて吸うのもあるんだよ”って話をされて、“そうなんだ!?”って吸ってみたらああいう音が出て(笑)。みんなが面白がってくれたんで、調子に乗って多用したらこうなっちゃいました。」
Kizuki
「だから、俺らも“ここ、何か足りないな”と思ったら、“何かできないの?”って言っちゃいます(笑)。そうすると、“できるよ”って言ってやるんで(笑)。それで、どんどんいろんなものができるようになって。」
Wataru
「Ryoのことはシャウターだとは思ったことがなくて。これはバンドの紹介文にも書いてあったかもしれないですけど、“ジュークボックス”的な立ち位置のヴォーカルという印象ですね。」
──分かりました。で、そうしたサウンド面でのレベルアップもさることながら、ミニアルバム『LIBOWTY』では歌を強調しようとしたとろはありますよね? M7「BeBelieve -LIBOWTY ver-」は前作アルバム『DUODECIMAL』からの再録ですが、サビ頭にアレンジを変更していますし。これは明らかに歌の強調でしょう。
Wataru
「強調しようとしましたね。特に去年くらいから日本語の曲の配分が増えてきたところがあって。これは自分のルーツにも通じているんですけど、やっぱり日本語の歌の方が感情移入がしやすいというか、“この言葉をどういう気持ちで歌うのか?”とか“その気持ちを声で表現するにはどういうニュアンスがいいんだろう?”とか、そういう細かいところも考えることができるようになってきたんで。今までのどの作品よりも自信はあったんでしょうね。だから、歌を最初に置いてもいいんじゃないかなと思えたので、メンバーにそういうアレンジにしようという話をしました。」
──自信を持って主旋律を推したということですね。
Wataru
「そうですね。今作は歌に一番自信があるのはもちろん、歌ってて楽しかったです(笑)。」
──その辺の自信は歌詞にも表れていますよね? 《Go My Way でどうなったって 一切合切を超える》(「ReBowty」)や《たったひとつしかないこの心で なにもかもを越えていくんだから 強くあれ I Believe myself》(「BeBelieve -LIBOWTY ver-」)に“超”“越”という言葉がありますし。
Wataru
「「BeBelieve -LIBOWTY ver-」は聴いてくれる人への応援歌みたいな曲になればいいなって思ってて。書いたきっかけは自分自身への応援歌で、今までのアルバムの曲を聴いていると“次はこれを超えられるかな?”“ここからどんなふうに自分をさらに磨いていこうか?”って考えていた時期もあったんで(苦笑)、自分のケツを自分で叩くというか、そういう歌詞を書きたかったんです。」
取材:帆苅智之
ミニアルバム『LIBOWTY』
2017年11月1日発売

9th Records

NIR-2

¥2,200(税込)
ライヴ情報
『LIBOWTY release party ONEMAN SHOW』

11/04(土) 東京・池袋Black Hole

『Laxity 1st Single「EVIL PARTY」リリースツアー2017 A Barking Dog Never Bites〜LIBOWTY TOUR〜 ダブルレコ発記念』

11/24(金) 大阪・梅田Zeela

12/01(金) 東京・Zirco Tokyo

12/08(金) 愛知・今池 3STAR

12/22(金) 福岡・Queblick
A Barking Dog Never Bites
ア・バーキングドッグネバーバイツ:2010年結成。打ち込みや同期を一切使わず、5人の個性が凝縮された、どこまでも生々しく不純物の一切ないライヴサウンドにこだわる。脳裏を刺激する予測不能なアンサンブルの中で縦横無尽に飛び交うスクリーモとメロディー、そして身体の稼働域を越えた圧巻のパフォーマンスは、全国各地のライヴハウスを凶暴なダンスフロアーに変えてしまう。


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