X


【2.5次元】久保田悠来「平成の役者活動の集大成になる」舞台「仮面ライダー斬月」 -鎧武外伝- インタビュー

 2.5次元ミュージカルの『テニスの王子様』の跡部景吾役や、舞台『戦国BASARA』の伊達政宗役で活躍し、「仮面ライダー鎧武/ガイム」(以降、「鎧武」)の仮面ライダー斬月・呉島貴虎役をはじめ、多数の映像作品でも活躍する久保田悠来が舞台「仮面ライダー斬月」 -鎧武外伝-に出演する。2013年から14年にかけて放送され、放送終了後の今なお人気の「鎧武」に登場した仮面ライダー斬月を主役とする平成仮面ライダーシリーズ初の演劇作品。新たなオリジナルストーリーで、人間ドラマが深く描かれる。今回、久保田に出演の意気込みや「鎧武」の思い出などを語ってもらった。

仮面ライダー斬月/呉島貴虎役の久保田悠来

-平成最後の年に、仮面ライダーシリーズ初となる演劇作品化、しかも斬月・貴虎が主役と聞いてどう思いましたか。

 平成仮面ライダー20作品の節目と、平成がもうすぐ終わるという中、仮面ライダーという国民的コンテンツの初舞台化ということで非常に光栄ですし、今まで皆さんが紡いできたものの記念的なものになればと思っています。記念すべき舞台第1作として先陣を切れたのも「ライダー戦国時代の幕開け」ということで、鎧武らしく行きたいですね(笑)。

-ビジュアルイメージでは、貴虎がトレードマークでもあったスーツ姿ではないのが驚きでした。

 貴虎の影が斬月になっているのが最高ですよね(笑)。貴虎のイメージがTVシリーズとは大きく異なっているので、どんな話になるんだろうかという期待を膨らませてくれる1枚になったかと思っています。ただ共演者の方々がこれだけたくさんいるなら、「もしかして踊るんじゃないの?」という空気感がありますよね(笑)。貴虎が実は元ダンサーだったということもあるかもしれません。冗談ですけど(笑)。話としては貴虎の後日談も含め、前日談も描いた作品になっています。

-久保田さんは2.5次元作品の舞台でも活躍していましたから、舞台役者時代からのファンとしては本作がうれしいものになるんじゃないでしょうか。

 僕を舞台から知ってくださった方も多いと思いますので、ダンスは分かりませんが(笑)、アクション、殺陣を出せるなら出していこうかなという気持ちはあります。ただそれが貴虎とリンクするかというところは大事ですけどね。この舞台は、今まで舞台でやらせていただいた経験をフルに生かせる作品であり、僕の平成の役者活動の集大成になると思います。

-今回の舞台で共演される方々はTVシリーズには出演していなかった方々ですが、共演者の印象は?

 共演経験があるのは丘山(晴己)くんだけで、あとは初めてですね。テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)の経験者の方も多いですよね。僕もテニミュ出身ですから、いろいろ共通の話題もあって話しやすいと思うので、顔合わせが楽しみです。

-アフタートークにはTVシリーズで共演された方々が登場しますね。

 アフタートークで最も心配なのが僕と小林豊と丘山くんの回ですね(笑)。2人ともテンションがおかしいので、それが合わさったときに僕は何をすればいいんだろうかというのがあります(笑)。まだお会いしてない方たちとのアフタートークも組まれているので、今回の舞台ではアフタートークが最も心配です(笑)。

-脚本・演出を務める毛利亘宏さんはTVシリーズでも脚本を務めていました。

 一度、朗読劇「緋色の研究」でご一緒させていただいたことはありますが、毛利さんの舞台に出演するのは初めてなんです。毛利さんはVシネマの「鎧武外伝」で僕が出演していない「仮面ライダーバロン」の脚本を担当されていたんですが、打ち上げのときにお会いしたら、「貴虎のほうも書いてみたかった」と言ってくださったんですよ。だから、今回は毛利さんの描く斬月が見られるというのも楽しみです。

-ご自身にとって、「鎧武」とはどんな作品でしたか。

 仕事が舞台から映像へと本格的に移るときにタイミング良く頂いた作品でした。国民的に名前の通ったコンテンツなので業界の方も見てくださって、名刺代わりと言いますか、プロフィールみたいなものになった作品でもあります。だから、初めての舞台化に、ものすごいチャレンジを感じますし、モチベーションが上がりますね。

-呉島貴虎という役についてはどんな思いがありますか。

 裏切られ、崖から落ちて、弟とけんかして、海に落ちて、しばらく昏睡状態で、それから目覚めてと、かわいそうな人でした(笑)。でも、貴虎という人物には人類を救いたいという気持ちがあって、それは一貫して変わってなかったなと思っていますね。ただ、地球の平和のために何を犠牲にするのかという点で、「鎧武」の主人公である葛葉紘汰は全てを救いたい、貴虎はある程度の犠牲はやむを得ないと考える大人な人間でしたね。

-切れ者なのに、いろいろな人に裏切られるというギャップがファンから愛される要因の一つでした(笑)。

 愛されて良かったです(笑)。その一つの要因となったのが、毛利さんがそういう面も書いてくださったことだと思います。毛利さんが脚本を担当された「烈車戦隊トッキュウジャーVS仮面ライダー鎧武/ガイム 春休み合体スペシャル」で、貴虎として「みんな疲れてるのか…」とボケをかませたのも毛利さんのおかげです(笑)。僕もあのシーンが好きなんですよ。ああいう真面目ボケが一番楽しいじゃないですか(笑)。

-「鎧武」のライダーはいろいろなフルーツがモチーフとなっていて話題となりましたが、お好きなフルーツは何ですか。

 メロンは子供の頃から好きでしたね。今も回転ずしに行ってメロンがあれば必ず食べます。だから、斬月がメロンをモチーフにしていて、デザインも格好良かったのがうれしかったですね。ただ、最初は「メロン? そもそも仮面ライダーでフルーツって何?」とは思っていました(笑)。

-最後にファンの方へメッセージをお願いいたします。

 皆さまに愛していただけたおかげで、『鎧武』がまたこうして舞台に外伝として戻ってくることができました。今まで愛してくれた皆さまにも、初めて仮面ライダーを見る人にも楽しんでいただけるような作品を作り上げていこうと思います。舞台を見て、TVシリーズに戻って見ていただいて、それでまた舞台を思い出してと永遠のループに入ってほしいですね(笑)。その入り口になれたらと思いますので、ぜひご覧下さい。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

舞台「仮面ライダー斬月」 -鎧武外伝-は、3月9日~3月24日に都内・日本青年館ホール、3月28日~3月31日に京都・京都劇場で上演。

(C)石森プロ・東映 (C)舞台『仮面ライダー斬月』製作委員会