柚香光「つややかで、あでやかで、華やか、そして情に深く」 最後の「髑髏城の七人」に挑む思い【インタビュー】

2026年10月11日 / 08:00

 作・中島かずき、演出・いのうえひでのりによって生み出された劇団☆新感線を代表する演目である「髑髏城の七人」。7年ごとに繰り返し上演され、そのたびにさまざまな工夫を凝らし進化をし続け、これまで11バージョンが上演されてきた。そして、今回「髑髏城の七人 LAST STAND」と題し、劇団☆新感線としては最後の上演として11月14日に開幕する。極楽太夫を演じるのは、宝塚歌劇団退団後、最初の演劇作品として新感線初参加で主演を務めた「紅鬼物語」や、ミュージカル「十二国記 -月の影 影の海-」など、従来のイメージにとらわれない役に挑み続ける柚香光。柚香に出演への思いや作品について、宝塚歌劇団退団後の心境などを聞いた。

柚香光【ヘアメーク:SAKURA/スタイリング:大園蓮珠】 (C)エンタメOVO

-新感線作品への出演は「紅鬼物語」以来となりますが、今作の出演が決まったときの率直な気持ちは?

 初めてお話をいただいたのは「紅鬼物語」から1年後のことで、再びご縁があればと思っていたこともあり、すごくうれしかったです。それに、出演する作品が「髑髏城の七人」という、自分が初めて新感線さんを見たときの作品で、しかも「髑髏城の七人」の最後の上演とお聞きして、当時の自分を思い出し、その年月がたったことも思いながら、不思議なご縁も感じましたし、ありがたいことだと身の引き締まる思いでした。

-初めて「髑髏城の七人」を見たときの思い出は?

 まず、ロビーに流れている音楽です。宝塚歌劇では、開演前のロビーの音楽は「すみれの花咲く頃」という、優雅な音楽ですが、「髑髏城の七人」ではロビーに入った瞬間、ヘビメタが流れていて、このような世界があるのかと驚きました。そして、開演すると、コンサートが始まるのかと思うぐらい照明が客席まで縦横無尽に動いて、その瞬間に、魅了されたのを覚えています。その中で、個性的な登場人物たちばかり集まっているのがすごく楽しくて、人物としても情報量が多く、衣装も色彩豊かで、せりふのテンポと応酬から、真面目と笑いの緩急によって夢中になり、心地よく振り回される感じもありました。そして、そこまで描くのかというぐらいの立ち回り。迫力だけではなくて、生々しく目を覆いたくなるぐらいのリアルさで、長くて手数が多く、感情がこもっていて、重みがある立ち回りに衝撃を受けました。

-初めて見られた「髑髏城の七人」が“ワカドクロ”だそうですが、そのときの極楽太夫役は小池栄子さんでした。

 かっこよくて、姉御肌で、でも色気があって、非常に熱い印象でした。自分の中で初めて見た極楽太夫が小池さんなので、今でも脳裏に焼き付いています。

-今回、その極楽大夫を演じますが、役柄の印象は?

 まず、極楽太夫と聞いたら、歴代のそうそうたる俳優さん方のお顔が並ぶぐらい、本当に素晴らしい方々が演じてこられた役だという印象があります。だから、最初に皆さんのお顔がよぎりました。その中で、極楽太夫に対する印象は、つややかで、あでやかで、華やか、そして情に深いということです。強さも印象的ですが、それは情の厚さから備わったのではないかなと感じます。

-「つややかで、あでやかで、華やか、そして情に深く」という点で、どのような役作りを考えていますか。

 つややかさ、あでやかさ、華やかさに関しては、所作や立ち振る舞い、話し方やいなし方がとても重要で、極楽太夫の全てにそれらの説得力を感じていただけるように作っていきたいです。情の深さということに対しては、女衆たちを引き連れて無界の里のトップに立つ太夫ですので、きっぷの良さやトップに立つものの器というものを表しつつも、彼女の選択と行動というものが、情の厚さから来ているものだと、お客さまにキャッチいただけるようなお芝居をしなくてはと考えています。

-稽古はこれからということですが、「紅鬼物語」では新感線の稽古場をどう感じていましたか。

 笑い声が本当にあふれていた稽古場でした。しかも、(演出の)いのうえ(ひでのり)さんから生まれる笑いが本当に多くて、まさに、いのうえさんワールドでした。いのうえさんがいろいろな役を体現してくださって、実際に演じてくださるのですが、その台本からそのような演出になるのかというサプライズが稽古場に満ちていました。しかも、いのうえさんが演じる姿が本当に面白くて、パワーもすごい。それが深く印象に残っています。

 
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