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『夕陽のガンマン』
大悪党のエル・インディオ(ジャン・マリア・ボロンテ)が脱獄し、1万ドルの賞金が懸けられた。インディオ一家を追う2人の賞金稼ぎ、モンコ(イーストウッド)とモーティマー大佐(リー・バン・クリーフ)は商売敵だったが、インディオ一家全員の賞金を山分けすることを条件に手を組むことに。だが、大佐には別の目的があった…。
英語版の原題は「For a Few Dollars More=もう数ドルのために」。イーストウッドに加えて、同じくハリウッド出身のクリーフ、そして悪役のボロンテという三者三様の個性を、レオーネ監督がスタイリッシュな演出で際立たせた。モリコーネの音楽も快調。
『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』
南北戦争下、賞金稼ぎのブロンディ(イーストウッド)とお尋ね者のトゥコ(イーライ・ウォラック)は、瀕死(ひんし)の南軍兵士から軍資金の隠し場所を聞き出すが、探索の途中で北軍の捕虜になってしまう。そして捕虜収容所長のエンジェル・アイズ(リー・バン・クリーフ)もまた軍資金の行方を追っていた…。
英語版の原題は「The Good, the Bad and the Ugly=いいやつ、悪いやつ、汚いやつ」。原題が示すように、前2作に比べるとコメディー色が強まった。3人が、まるでゲームをするかのように、金のありかを探し合うさまが面白い。レオーネの執拗(しつよう)なカメラワークとモリコーネのユニークな音楽の合体が目を引く。
以上、3部作とはいえ、物語やキャラクターについてのつながりはないので、どれから見ても大丈夫。映画館の大画面で4K映像が堪能できるチャンスだ。
(田中雄二)