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『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(2月9日公開)
弟が誘拐され、行方不明となった悲しい過去の記憶から立ち直れずにいるマイク(ジョシュ・ハッチャーソン)。彼は、妹のアビーの親代わりとして生計を立てるため、廃墟となったレストラン「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」の夜間警備員として働くことになる。
「モニターを監視するだけ」という簡単な仕事のはずだったが、妹を連れて深夜勤務に就いたマイクは、かつてそのレストランの人気者だった機械仕掛けのマスコットたちが動き出す姿を目撃。マスコットたちはかわいらしい姿から一転して凶暴化し、マイクや廃墟への侵入者を襲い始める。
世界的ヒットを記録した同名ホラーゲームを、ブラムハウス・プロダクション製作で映画化。監督はエマ・タミ。原作ゲームの開発者スコット・カーソンが製作・脚本に名を連ねる。エリザベス・レイル、マシュー・リラードが共演。
マイクが何度も見る夢や黒幕の正体などの謎解きの方に力が注がれ、ホラー描写は薄め。巨大マスコットたちに霊がひょう依して…というのは、ゆるキャラが悪さをするようなものなので、そのギャップが面白い。
とはいえ、多層的な夢が現実に影響を与えるという部分はクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(10)、誘拐、夢と子どもの霊が事件の鍵を握るという設定は、同じくブラムハウスが製作したジョー・ヒル原作の『ブラック・フォン』(21)を思わせるところもある。
(田中雄二)