【2026 MTV VMAs】起きた冷遇とサプライズを振り返る

2026年9月29日 / 11:30

 現地時間2026年9月27日に開催された【2026 MTV ビデオ・ミュージック・アワード】(MTV VMAs)では、多くの賞がほぼ予想どおりの結果となった。マドンナが『コンフェッションズII:ザ・フィルム』で<最優秀ロングフォーム・ビデオ賞>を受賞することは誰もがわかっていた。マドンナは1991年に『ザ・イマキュレート・コレクション』で同部門の初代受賞者となっており、ここで再び受賞すれば、比類なき【VMAs】でのキャリアを美しく挟み込む形になる。案の定、彼女は同賞を手にした。

 大きなカムバックの年を締めくくったBTSの3冠も、予想されていた結果だった。

 とはいえ、2時間強にわたった授賞式に冷遇やサプライズがなかったわけではない。

 マドンナは、23年ぶりとなる【VMAs】でのパフォーマンスで授賞式のオープニングを飾った。オープニングを務めるのは5回目で、【VMAs】の新記録を打ち立てた。

 今は亡き偉大なアーティストへのトリビュートも2つ行われた。ケイシー・マスグレイヴスは故ドリー・パートンに、レイ、ソンバー、テディ・スウィムズ、アダム・ランバートは故ジョージ・マイケルに敬意を表した。さらに、リード・シンガー兼ギタリストの故カート・コバーンの自殺により解散したニルヴァーナが、<ビデオ・ヴァンガード賞>を受賞した。

 テイラー・スウィフトは、新設された<VMAアーティスト・ディレクター賞>の初代受賞者となった。また、スウィフトの新シングル「Patient Zero」のミュージック・ビデオが授賞式で初公開された。

 スヌープ・ドッグが司会を務めた【VMAs】は、9月27日(米東部時間19:30~21:30/太平洋時間16:30~18:30)に米ロサンゼルスからCBSで生中継され、MTVでも同時放送、米国内ではParamount+(プレミアム)でストリーミング配信された。翌日にはParamount+とMTVで世界に向けても配信された。制作はガンパウダー&スカイ、プロデューサーはヴァン・トフラーが務めた。

 以下、【2026 MTV VMAs】における主な冷遇とサプライズを紹介しよう。

サプライズ:リサが<最優秀ポップ・ビデオ賞>に輝く

 リサは、俳優の坂口健太郎が出演したミュージック・ビデオ「Dream」で<最優秀ポップ・ビデオ賞>を受賞した。彼女は、同部門をそれぞれ3度受賞しているアリアナ・グランデやテイラー・スウィフトらを抑えての受賞となった。グランデは「Hate That I Made You Love Me」、スウィフトは「The Fate of Ophelia」でノミネートされていた。どちらも米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で1位を獲得したヒット曲だ。一方の「Dream」は、世界の多くの国と地域でヒットしたものの、米国ではヒットしていない。

 タイ出身のラッパー、シンガー、ダンサー、女優である彼女は、<最優秀ポップ・ビデオ賞>を受賞した2組目のアジアのポップ・アクトとなった。2020年にはBTSが「On」で受賞している。

冷遇:ブルーノ・マーズがまたもや最高賞を逃す

 マーズは「I Just Might」で<年間最優秀ビデオ賞>にノミネートされていたが、「The Fate of Ophelia」のスウィフトに敗れた。【VMAs】で最も権威ある競争部門において、マーズは0勝8敗となった。同部門で2番目に悪い戦績を持つのはドレイクで、0勝6敗だ。

 ちなみに、スウィフトが同部門でマーズを破るのはこれが2度目だ。2015年に彼女はケンドリック・ラマーをフィーチャーした「Bad Blood」で同部門初受賞を果たした。その年マーズは、マーク・ロンソンの「Uptown Funk」のフィーチャー・アーティストとしてノミネートされていた。

 一方でマーズは、「I Just Might」で<最優秀R&Bビデオ賞>を受賞した。同部門での受賞は2度目となる。2021年には、彼がアンダーソン・パークと組んだシルク・ソニックの「Leave the Door Open」が同部門を受賞している。

サプライズ:マドンナが4部門でテイラー・スウィフトに競り勝つ

 マドンナは、テイラー・スウィフトが生まれる前からポップ・アイコンとして君臨してきた。それでも彼女が4部門でスウィフトを破ったのは驚きだった。マドンナは<年間最優秀アーティスト賞>でスウィフトを破った。さらに、マドンナの『コンフェッションズII』はスウィフトの『ザ・ライフ・オブ・ア・ショーガール』を抑えて<最優秀アルバム賞>を受賞した。また、『コンフェッションズII:ザ・フィルム』は<最優秀撮影賞>と<最優秀振付賞>でもスウィフトの「The Fate of Ophelia」を上回った。

 スウィフトは、<年間最優秀ビデオ賞>と<最優秀監督賞>の2部門でなんとかマドンナを破った(スウィフトは自身のMVを自ら監督している。マドンナのビデオはTORSOが監督したが、【VMAs】では技術部門の受賞もアーティストの功績として扱われる)。

 マドンナ関連では、もう一つサプライズがあった。1989年に創設された<最優秀ダンス・ビデオ賞>を彼女が受賞したのは今回が初めてだった。同部門へのノミネートは7回目となる。

サプライズ:バッド・バニーがついに<最優秀ラテン・ビデオ賞>を獲得

 バッド・バニーの「NUEVAYOL」が<最優秀ラテン・ビデオ賞>を受賞した。驚くべきは彼が受賞したことではなく、これまで同部門で一度も受賞していなかったことだ。今回が9回目のノミネートだった。

冷遇:マイケル・ジャクソン

 ニルヴァーナへの<ビデオ・ヴァンガード賞>授与の際、ジャクソンの名前は一切触れられなかった。同賞は<マイケル・ジャクソン・ビデオ・ヴァンガード賞>と呼ばれることもあるが、今回は単に<ビデオ・ヴァンガード賞>と呼ばれた。

サプライズ:放送中に発表された賞はごくわずかだった

 今回の授賞式が、賞よりもパフォーマンスに重点を置くことは誰もがわかっていた。それでもその徹底ぶりには驚かされた。2時間の放送中に発表されたのは、23の競争部門のうちわずか6部門だった。残る17部門は、放送終了後にプレス・リリースで発表されたのみだった。


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