ケナ・ハリス共同監督&リンジー・コリンズプロデューサー「おもちゃたちがデバイスのことをどう思うのかという視点がとても面白い」『トイ・ストーリー5』【インタビュー】

2026年7月1日 / 08:00

 ボニーのもとで暮らすバズやジェシーたちの前に、最新型の電子タブレット「リリーパッド」がやってくる。多機能なデバイスに夢中になるボニーの姿を見たおもちゃたちは自分たちの存在意義に疑問を抱き始める。おもちゃと子どもの絆を描いてきたディズニー&ピクサーの人気シリーズの最新作『トイ・ストーリー5』が7月3日から全国公開される。ケナ・ハリス共同監督とリンジー・コリンズプロデューサーに話を聞いた。

(左から)ケナ・ハリス共同監督、アンドリュー・スタントン監督、リンジー・コリンズプロデューサー

-『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ監督も『トイ・ストーリー4』のジョシュ・クーリー監督も「これで終わり。続きはありません」と言っていましたが、今回新たに『5』を作ろうと思ったきっかけは。また、どんな部分に作る必要があると感じたのでしょうか。

ハリス アンドリュー・スタントンが、ずっとシリーズを手掛けてきたことは皆さんもご存知だと思います。その彼が『4』の後の話があり得るのかと考え始めていた頃、ピクサーは、まだ製作にコミットしていませんでした。でも、そこで彼は「今までの『トイ・ストーリー』では触れていない部分がある。それは、ここ10年あまりの間に子どもたちの生活に入り込んできたデバイスの存在だ。そこにはまだ触れていないから、僕たちは遅れているんじゃないか。おもちゃたちがデバイスのことをどう思うのかという視点はとても面白いと思う。そこに豊かな可能性がある」と言ったんです。また、これまでのようにウッディとバズを主人公にするのではなく、ジェシーが引っ張っていくようなストーリーにすることに新しさと可能性を感じたことも大きかったです。

-ジェシーを主人公にした経緯を伺います。

ハリス 製作前に、アンドリューが「ジェシーが保安官になるシーンを入れてほしい」と言っていました。それは、まだ秘密でしたが、彼は、もしシリーズが続くのであれば、そこには話を広げられる要素があると思って種をまいたのです。その理由の1つは、『トイ・ストーリー』を愛する人たちの中にも、ジェシーの活躍を待っている人たちがいたと思うんです。ちょっとクレイジーだけど勇敢で大胆。でも同時に自信がないところもある。すごくつらい経験をして心の痛みを抱えていて、シリーズを振り返ると、ほかのどのキャラクターよりもバックストーリーがよく描かれていて、実は私たちがよく知っているキャラクターだったのです。なので、彼女の物語には豊かさがあるし、それをしっかりと掘り下げてみたいという気持ちをみんなが待っていたので、今回は最初からジェシーを主人公にすることが決まっていました。また、みんなの中に彼女を癒やしいという気持ちがありました。それで、彼女に見合うべきゴールを作りたいと思いました。

-大人の観客も見ることをどの程度意識して作っているのでしょうか。

コリンズ ピクサーでは映画の製作中に内覧試写を何度も行います。今回は8回でした。その時はもちろん監督やスタッフも参加しますが、当然彼らはみんな大人です。それで“大人である彼ら”からフィードバックをもらいながら作品を作っていくのですが、それは大人の観客に満足してほしいからというわけではありません。単純に、観客として見た時にどう感じるかということなのです。ずっとそうして作ってきたので、子どもの観客のことも特に意識はしていません。面白いのは、子どもの方が大人よりもいろいろなことに気付いてくれるのです。大人には説明しなければならないところを、子どもはすぐに分かることが多いのです。だから、われわれとしてはどの世代の観客をターゲットにするかを考えるよりも、誰も排除しないという映画作りをしてきたつもりです。今回の製作にかけた3年半も、ピクサーの仲間たちにガイドされながら、その価値観に沿って作りました。

 
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