木村カエラ、toe/ME:Iを迎えた対バンライブ開催「これからもこのイベントを続けて行きたい」

2026年3月9日 / 11:00

 3月7日と8日の2日間、神奈川・KT Zepp Yokohamaにて木村カエラが主催する新たな対バンイベント【KAELA presents the joint gig “SUPER STARs”】が開催され、両日のライブレポートが到着した。

 木村カエラにとって13年ぶりとなる対バンライブの1日目のゲストはtoe、2日目のゲストはME:Iという、ジャンルも活動フィールドも全く異なる2組ながら、どちらも木村カエラと縁の深いアーティストがラインナップされた。

 初日となる7日、このイベントの記念すべきトップバッターを飾ったのはtoe。2000年の結成以来、インストゥルメンタルの楽曲を中心に国内外で活動を展開しているポストロックバンドであり、メンバーの柏倉隆史(Dr.)は木村カエラのサポートドラマーとして、デビュー間もない時期から彼女のバンドを支えてきた。

 開演時刻となり、青い照明が美しく幻想的なムードの中で山嵜廣和(Gt.)、美濃隆章(Gt.)、山根さとし(Ba.)、柏倉隆史(Dr.)が登場。互いに軽く音を鳴らし合ったあと、始まったのは「LONELINESS WILL SHINE」。山嵜のアコースティックギターと美濃のエレキギターが織りなす繊細なリフが印象的な1曲で、繰り返されるフレーズが徐々に熱を帯び、終盤における夜明けのような高揚感も実にドラマティックだ。

 続いてはtoeらしさが光るインスト・ナンバー「風と記憶」を披露。メンバー同士が向かい合うようにして音を鳴らすと、緻密に絡み合うアンサンブルが凄まじい熱量を持ってフロアへと放たれた。

 柏倉によるダイナミックなバスドラを合図に始まったのは「レイテストナンバー」で、呟くように歌われる歌詞が印象的。カオティックな高揚感により曲の合間にオーディエンスが拳を上げ、曲が終わると大きな拍手が沸き起こった。続く「Because I hear you」を聴きながらtoeのサウンドは単に力強いのではなく、固まっていた心を耕してくれるような優しさに満ちていると感じた。だからこそ、ライブという臨場感の中でも聴き手の内面に深く浸透していく。

 「本日は木村カエラさんの企画にお招きいただいて光栄です。1曲木村ちゃんを迎えてやろうかな~ということで」という山嵜の呼び込みで、木村カエラがステージに登場。共に「オトトタイミングキミト feat.Kimura Kaela」を披露したのだが、toeが奏でるアンビエントな音の海の中に、カエラの滑らかなボーカルを丁寧に溶け込ませていく。そのまま「グッドバイ」でも、儚さ、美しさ、切なさが入り混じるようなサウンドスケープに対し、カエラはその音に飲み込まれない、しなやかで凛とした歌声を響かせた。デビュー当時から一流のバンドマンたちと切磋琢磨し、20周年を越えて活動を続けてきた彼女だからこそ成立する、極上のコラボレーションだった。曲の終わりで柏倉がドラムセットから立ち上がり、スティックでカエラの方向をさすと、フロアから大きな歓声が上がったのも忘れられないハイライトとなった。

 カエラがステージを去ると山嵜が「どう、木村ちゃんの歌?」と観客に問いかけると会場からは「最高-!」という絶賛の声があちこちから聞こえた。toeのラストを飾ったのは「F_A_R」。山嵜の歌には、遠い記憶を呼び覚ますようなエモーショナルな力があり、そこに激しく掻き鳴らされるギターのノイズと疾走感が加わると、ボルテージは最高潮に達した。のちのMCで、カエラはtoeの音楽について「男らしい切なさ」と語り、今回こうして共に歌えた時間を「泣きそうになるほど贅沢だった」と振り返った。

 toeの熱演が冷めやらぬ中、ステージに現れた木村カエラ。オープニングナンバーの「BEAT」から、堂々たるグルーヴと存在感を放ちながら安定したパフォーマンスを披露するその姿には、デビューから20周年を越えた彼女のキャリアが裏打ちする確かな説得力が宿っていた。

「木村カエラです! 皆様、今日は“SUPER STARs”へお越しいただき、ありがとうございます!」と挨拶した最初のMC。この新しいイベントを立ち上げた想いと、KT Zepp Yokohamaがこの日に6周年を迎えたことにも触れた。6年前、「横浜にゆかりのある方に」とオファーをいただいていた柿落とし公演がコロナ禍で叶わず、だからこそ6周年を迎えた記念すべき日に、ここで新しいイベント始められたことが嬉しいと笑顔で語る。

「3月なので、春をテーマに曲を選んできました!」というセットリストには、「TODAY IS A NEW DAY」など新たな旅立ちの日に背中を押してくれるようなパワフルな曲が盛りだくさん。グリーンとブルーの照明の中で美しく始まった「Circle」では、伸びやかな歌声に合わせ、フロアでは一斉にタオルが回る。ライブの定番曲を大切に歌い続け、常にパフォーマンスを更新してきた彼女だからこそ生み出せる、自然な一体感が会場を包み込んだ。

 その後、「大切な人を想って作った曲です」とキーボードとアコギの編成でしっとりと柔らかな歌声を響かせた「君の傘」。更に、この日のために特別に準備したという「卒業写真」(荒井由実カバー)はアウトロのアレンジにも木村カエラらしさが漂っていて素晴らしかった。「Butterfly」では観客の大合唱も生まれ、会場は多幸感に満ちていった。

 ライブの後半では様々な心情をエネルギーにして爆発させるような楽曲を連発。「怒りって大事だよね、怒りで携帯が充電できそうな気がしない?」という彼女らしい言葉と共に「Yellow」や「マスタッシュ」を届けていく。「You bet!!」では<今日みたいな日を忘れない>というフレーズがフロアの興奮の中で鮮烈に輝き、本編ラストの「Magic Music」では、バンドもカエラも心からの笑顔でジャンプを繰り返し、ハッピーなフィナーレとなった。

 アンコールのMCでは、路上でうずくまっていた鳩を助けたという心温まるエピソードを披露して「鳩のご縁でみんなにもいいことがありますように」と優しく語りかけた。カエラはいつもオーディエンスとのコミュニケーションもフレンドリーだが、この日はtoeを観に来たというファンとドラムの柏倉を交えて話す場面もあり、対バンイベントならではのシーンだった。最後に演奏されたのは、今日のために選んだという「Sun Shower」。どっしりとしたベースと繊細なリズム、そして煌びやかな鍵盤の音色が重なる中で響くしなやかな歌声は、彼女の「人を想う気持ち」そのものだった。

 迎えた2日目、ステージに掲げられたバックドロップには【SUPER STARs】というイベントタイトルの下に「SUPER COSMIC」と「SUPER NOVA」と記されている。初日に登場したtoeが「SUPER COSMIC」として静謐かつ熱いエネルギーを放ったのに対し、2日目のゲストとしてステージに立つのは次世代を担う「SUPER NOVA」、ME:Iだ。木村カエラは彼女たちがデビューを決めたサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』の国民プロデューサー代表として練習生たちを温かく見守ってきたという繋がりがある。多くのファンもME:Iと木村カエラの共演を楽しみにしていたことだろう。

 フロアの大歓声の中で颯爽とステージに登場したME:Iはデビュー曲「Click」から、爽やかにライブをスタートさせた。ライブハウスで観るME:Iというのも新鮮で、集まった観客の元気な掛け声が聴こえてきた。SUZUのダイナミックなダンスブレイクや、TSUZUMIのシャウトなど、序盤から目が離せない。「今日は最後まで一緒に盛り上がって行きましょー!」とMOMONAが声をかけ、「MUSE」へ突入すると会場の熱気も更に上がる。キャッチーなポップナンバー「Cookie Party」と続くと、KT Zepp Yokohamaは一気に夏ムードに包まれた。

 最初のMCでは「今日は盛り上がって行きましょう!」(RINON)、「皆さんとの距離が近くて緊張していますが、皆さんにパワーを伝えられるように頑張ります!」(AYANE)、「地元の神奈川で大好きなカエラさんと一緒にライブができてとっても幸せです!」(MOMONA)と挨拶。中盤の「Royal Energy」ではエネルギッシュな高揚感を生み出して、「想像以上 (ME:I Ver.)」ではフラッシュが瞬く中でクールにと、曲ごとに印象を変えたパフォーマンスで魅了し続ける。「皆さん一緒に楽しんで行きましょう」というSUZUの声を合図に「CHOPPY CHOPPY (ME:I Ver.)」を届けると、ダイナミックなダンスとエモーショナルなボーカルで凄まじい熱気を生み出した。そしてTVアニメ『どうせ、恋してしまうんだ。』第2期オープニングテーマの「LとR」では椅子に座って、しっとりと歌い上げ、甘酸っぱい気持ちを表現した「キラキラ」では、会場のみんなと一緒に手を左右に振る場面で温かな雰囲気を作り上げた。

 RINONが「今日はこうしてカエラさんとのライブで『LとR』を初披露することができて光栄です!」と話していたが、その後の「Best Match」も2月にリリースされたばかりの新曲。ソウルフルなサウンドにハイトーンボイスが映える、まさに最新型のME:Iを見せてくれた。ラストの「Hi-Five」は、次々と変わるフォーメーションや華麗なるハイトーンボイスで最高潮の盛り上がりに。「ありがとうございましたー! この後も引き続き楽しんで行ってください」というMOMONAの言葉で、パワフルでフレッシュなME:Iのステージが終了した。

 2日目の木村カエラのステージは「Yellow」で幕を開け、重厚感のあるサウンドと、カエラの強く伸びやかな歌声でフロアを一気に揺らしていく。間髪置かずに「TREE CLIMBERS」へ突入すると、オーディエンスの拳も掛け声も自在に操る無敵の木村カエラがそこにいた。序盤から、ME:Iのファンも一人残らず巻き込んで盛り上げる。

「皆さん、【SUPER STARs】へようこそお越しくださいました! 今日は2日目。ME:Iと一緒にできるって、どう、みんな? 激アツでしょ?」と挨拶。1日目と違い、この日はセットリストに「リルラ リルハ」がラインナップされていたが、ME:Iのペンライトを持ったお客さんが照らすカラフルなお花がフロアに咲いて、これもなかなかレアな光景だった。その後、観客とのやり取りの中で2度目の「リルラ リルハ」をやる流れになり、フロアからの大合唱にカエラがハモるというハイライトが生まれた。「これこそギグだよ、みんなで作り上げたね!」と本人も大満足。

 ライブの終盤では、「今日はME:Iとの対バンだから、打ち込みのダンスな感じ」で選曲したという「Jasper」と「BANZAI」を披露。「BANZAI」では会場いっぱいに両手が掲げられる中、キュートな歌声で魅了した。本編ラストは「私が音楽をやっている一番の理由は、みんなの笑顔が見たいから。だからとびきりの笑顔を見せてね!」と「Magic Music」を届けると、フロアいっぱいのジャンプと、笑顔いっぱいのフィナーレとなった。

 そしてアンコール。まずはカエラが登場し「私の大好きな娘たち、ME:Iです!」と呼び込むと、7人が再び登場。「今日はどうでした?」と聞かれて「最高です!」と答えるMIU。待望のコラボでは「Ring a Ding Dong」をカエラの歌とME:Iのダンスで披露。ベルを鳴らすような動きや、カエラのステップにリンクしたダンス、パラソルを使ったパフォーマンスも、とってもキュート。心が明るく華やかになるような至福の瞬間だった。

 そして最後には「FLY UP SO HIGH」をコラボで届けてくれた。この曲はカエラが『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』の国民プロデューサー代表として、練習生への想いを歌詞にしたバラードだ。「歌詞を書いている時、みんなが頑張ってきた姿とか、こうして見るペンライトのキラキラした世界を想像して書きました」と語り、最初にカエラが歌い出すと、七色のピュアな歌声を真っ直ぐに重ね合わせるME:Iのメンバーたち。リハーサルの段階から「みんなが横で歌っているのを見ると感動する!」と言っていたカエラは、歌いながら左右のメンバーをギュッと近くに引き寄せた。

 曲が終わり、カエラが「今度はみんなが歌おう」と観客に呼びかけると、<一人 一人 輝く星>とフロアの観客たちが綺麗な歌声を響かせた。これは「ME:Iのみんなが頑張ってるから、今日はお客さんに歌ってもらおうよ」というカエラの優しさから生まれたハイライトだった。観客からの愛とパワーを歌で届けてもらったME:Iはイヤモニを外して、その声を聴いていた。TSUZUMIが、KEIKOが、SUZUが、次々と涙を流す大感動のフィナーレとなった。

 「これからもこのイベントを続けて行きたい」と語っていたカエラ。まだまだ追いかけたい憧れのアーティストと、次世代の新星と、キャリアとしてはその中間にいる彼女だからこそできる面白いイベントだ。これからも木村カエラならではの対バンイベント「SUPER STARs」の輝きに期待したい。

 そして、カエラは、デビュー22周年にあたる6月23日、ビルボードライブ横浜にてライブを行うことが決定。この横浜を皮切りに、ビルボードライブツアーを行うことも発表された。

TEXT:上野三樹
PHOTO:umihayato


音楽ニュースMUSIC NEWS

キタニタツヤ、BABYMETALをフィーチャリングに迎えた新曲「かすかなはな」MV公開

J-POP2026年3月9日

 キタニタツヤが、BABYMETALをフィーチャリングに迎えた楽曲「かすかなはな」のミュージック・ビデオを公開した。  TVアニメ『地獄楽』第2期のオープニングテーマに起用されている楽曲「かすかなはな」。公開されたミュージック・ビデオは、新 … 続きを読む

aoen、“秒落ちフェイス”と”1秒ダンス”に注目 新曲「秒で落ちた」MV公開

J-POP2026年3月9日

 aoenが、2ndシングル『秒で落ちた』の3月18日リリースに先駆けて、本日9日にタイトル曲「秒で落ちた」のデジタル音源とミュージックビデオを先行公開した。  2ndシングル『秒で落ちた』は、誰かに心が動いた瞬間の1秒を切り取った最新作。 … 続きを読む

GLIM SPANKY、キャッチーでユーモアのある新曲「大天使」先行配信&MVプレミア公開

J-POP2026年3月9日

 GLIM SPANKYが、2026年3月16日に新曲「大天使」を先行配信リリースする。  新曲「大天使」は、3月25日にリリースとなるニューアルバム『Eclore』(※)のリード曲。キャッチーでユーモアのある楽曲に仕上がっているという。リ … 続きを読む

櫻坂46、ニューシングル『The growing up train』リリース日にYouTube生配信

J-POP2026年3月9日

 櫻坂46が、ニューシングル『The growing up train』のリリースを記念し、2026年3月11日21時よりYouTube生配信を実施する。  本配信番組には、センターを務める藤吉夏鈴に加え、田村保乃、的野美青、村山美羽、浅井 … 続きを読む

Nikoん、自主企画【新春謝罪会見 2025】ライブビデオをフル尺で公開

J-POP2026年3月9日

 Nikoんが、2025年1月に渋谷クアトロで行った自主企画【新春謝罪会見 2025】のライブビデオをフル尺で公開した。  本映像は、2025年7月26日に下北沢駅周辺で『フライヤー1,000枚配り終えるまで帰れま1000』という企画を実施 … 続きを読む

Willfriends

page top