<インタビュー>AI、活動26年目の原点回帰――“今”と“未来”を語る

2026年3月1日 / 18:00

 2026年、AIが新たな一歩を踏み出した。

 2025年はデビュー25周年イヤー。全国ツアーやベストアルバムのリリースなど、大きな節目を迎えた一年だった。そして26年目となる今年は、AIらしいメッセージが込められた”キットカット” ブランドソング「ラッキーアイラブユー」のリリースを皮切りに、“原点回帰”を掲げて活動をスタートさせた。フォトグラファー/デザイナーとして活躍する実妹・217…NINA(ニーナ)がストリートセッションで撮り下ろした新ビジュアルには、その決意が色濃く表れている。

 今回、現在の心境、そしてその先に描く未来について話を聞いた。あわせて公開されたインタビュー動画(AI Interview: A New Chapter Begins)もぜひチェックしていただきたい。
 

――昨年2025年は25周年イヤーで目まぐるしいスケジュールだったと思いますが、振り返ってみていかがですか。 

AI:自分が何周年かはあまり気にしていないので、とにかく毎日をしっかり生きていく、という感じでした。

―――公演数も日本全国を回る規模でした。ツアー中の自分は、普段のAIさんと違いますか。

AI:そうですね。大人になっていくに連れて、ずっと同じテンションではいられなくなりました。ツアー中は歌う時間にピークを合わせなくてはいけないので、そこに向けて整える毎日でした。私は母親でもあるので、子供のこともやらなきゃいけない。全部調整していく感じです。なるべくツアー中は人混みに行く仕事を避けるなど、スタッフも配慮してくれて。集中できたのはすごくよかったですね。

――母親になってから、働き方は変わりましたか。

AI:すごく変わりましたし、強くなったと思います。今もよく泣くけど、前みたいに「私、かわいそう」という感覚はなくなった。自分のことなんてどうでもいいと思える強さがある。子供たちがくれるものは、本当にパワフルさですね。

――働くことへのマインドは変わりましたか。

AI:変わりました。最初はただ歌が好きで始めたから、歌えばいい仕事だと思っていた。でも、メッセージを伝える仕事だからこそ、自分もその言葉に合わせて生きないといけない。だから、説得力をもらうために毎日意識して過ごしています。ただ、厳しすぎると心が疲れて不安定になるから、たまに緩めることも大事。サボっている時期も必要かもしれないですね。

――AIさんのライブは、ステージと観客のバイブスがシームレスにつながっている印象があります。ライブパフォーマンスは、AIさんにとってどんな意味を持っていますか。

AI:ライブでしか会えない人もいるし、ライブでしか味わえない“生の感覚”があると思います。この曲をなぜ作ったのかという思いも、生で歌って初めて伝わることがあると思います。あと、お客さんが本当に最高で、私が歌詞を忘れたら即座に教えてくれるし(笑)。そういう瞬間も含めて、感動がありますね。

――そんなAIさんも前向きにならない時があると思います。どうモチベーションを上げていますか。

AI:もう、やるしかないです(笑)。昭和生まれでよかったなと思うのは、嫌なことでもやるという感覚があるところ。本当に嫌だと思った日でも、やらないといけないんだって。でも、やっているうちに笑いに変わったり、嫌な気持ちを忘れたりすることが多い。結果的にいいんです。それに、スタッフ、チーム、共演者がいるのに自分がいなかったら失礼ですよね。自分一人の仕事じゃないから、やらないという選択肢はないです。

――AIさんが、普段の歌詞を書くプロセスはどういったものでしょうか。

AI:「歌詞を書こう」と思って書いています。歌詞が降ってくるとよく言われるけど、それよりも、自分が今何を言いたいかのほうが大きいかもしれないですね。

――普段からメモを書きためたりとかは?

AI:あまりしないです。やっていた時期もあるけど、結局使わないことが多くて。曲を作るときは、自分がまず、それをちゃんと素直に聴けるかどうかが大事で。自分が一番嫌なお客さんだから、自分が聴いて納得できるかどうかで判断する感じですね。

――歌詞にポジティブさを込めることは意識しますか? たとえば、最後は愛があふれるメッセージに、とか。

AI:最後はハッピーエンドにしたいという思いはあります。みなさんの人生がハッピーになってほしいから。ただ、それをどう言葉にするかは毎回難しい。みんな違うし、毎日ずっと同じ状態の人なんて少ないじゃないですか。相手の気持ちになるのも簡単じゃないけど、最後はいい方向に行くメッセージにしたいと思っています。

――メッセージの方向性は、25年で変化しましたか?

AI:そんなに変わっていないかもしれない。昔の曲を聴いても、言いたいことは一緒だと思います。

――曲を書くときは、まず自分のメンタルを整えてからですか。

AI:むしろ逆が多いかもしれない。疲れて「もう嫌だ」というときに、歌詞が出ることもあります。ぐちゃぐちゃになっているものを一回バーッと書いて、そこから少しずつ整えていく感じです。

――セラピー的でもありますね。

AI:あるかもしれないですね。書いていくうちに、自分の心が分かったり、その時の状況が見えてきたり。

――2月リリースの新曲「ラッキーアイラブユー」は”キットカット” ブランドソングでもあります。どんなメッセージを込めましたか。

AI:「これ以上の愛ってある?」という、私にとって究極のメッセージです。ただ、究極にしすぎないために、最初はラフに、あえて脆さが出るようにしゃべっていて、すんなり耳に入っていったらいいなと思っています。

――そして、新ビジュアルは実妹・217…NINAさんが撮影担当ですね。

AI:姉妹だから、やりたいことが分かっている。とはいえ、どっちも母親だから、朝4時に起きて急いで用意して、その日に撮影は終わらせました(笑)。楽しかったです。

――昨年は【SUMMER SONIC】でアリシア・キーズとも共演しました。その時の思い出を聞かせてください。

AI:アリシアさんは本当に心が綺麗。日本へのリスペクトも、人への愛も、全部が詰まっている。ピュアなシンガーに会えて、すごくうれしかったです。

――歌い方やテクニックで、発見はありましたか。

AI:それは一切考えてなかった(笑)。ただ「やばい、アリシアだ」って。メールでやりとりしていたけど、もう「最高」しか言えない。本番直前にいきなりキーボードで「これどう?」と言われてびっくりしたけど、心の綺麗さに感動して、「OK」しか言えなかったです。

――来月は88rising主催【Head In The Clouds Festival】の日本開催にも出演します。

AI:すごく楽しみです。海外のイベントだから、自分のライブの定番曲じゃなくてもいいのかなと思っていて。メドレーやダンス、ラップ、昔の曲もやろうかなと思っています。いろいろアレンジして、とにかく“やばいもの”を見せたいですね。

――26年目のAIとして、ビジョンはありますか。

AI:スタッフといろいろ試してきて、もう大体分かっているところもある。だからこそ、流行じゃなくて、「自分が一番かっこいいと思うもの」を出すべきだと思っています。年齢や時代でもなく、いつ聴いてもいいものはいいし、そこに行きたい。一度自分をリセットして、一からやり直していこうかなと思っています。

――原点回帰的な。

AI:そうですね。自分は極端に好きなものや、やりたいことも言いたいこともある。でも、それをするためにずっと真面目にやってきました、というわけでもないんですよ。だから、ずっと真面目にやってきた人みたいに思われるのも、ちょっと違うなと思うし。かといって、悪いことばかりしてきたわけでもないし(笑)。

―――『RESPECT ALL』以来のアルバムを待っているファンもたくさんいると思います。

AI:いろいろ溜まっているものもあるし、海外の人たちとも制作しましょうか? という話もあったり、その作り方も変えてみたいと思っています。

――AIさんは2000年代前半、同じルーツを持つ女性アーティストとの共演も多かったですね。

AI:連帯感はあったみたいだけど、私はあまり考えてなかった。でも、R&Bが大好きすぎて、michicoさんや(安室)奈美恵ちゃんをはじめ、分かってる人と出会えるとテンションが上がっていました。R&Bが好きな人って意外と少なかったから、出会いは本当に最高でした。

――AIさんは、ジャンルやカルチャーのブリッジ役を担う、という意識はありますか。

AI:ブリッジ役になろうとは思っていません。でも、いいものはいいからもっと世に出てほしいなと思うところはあります。機会があるなら誰かに見せたいし、紹介したい。その人たちが自分の自慢になるんです。それをやった結果、どうなるかは正直あまり考えていない。でも、「こんなにやばい人たちなんだよ、最高でしょ?」と言えること自体が、自分のパワーになる。そこが大きいですね。

――普段、パブリックイメージと素の自分のギャップを感じることはありますか。

AI:ありますね。昔から普通のタイプだと思うけど、曲によって見られ方が変わる。以前はクラブでのライブが多くて、メドレーや洋楽カバーをやっていた。「Story」のイメージに変わった時に、「売りたいから出した」と言われたりもしたけど、私はもともとそういう曲も好きなんですよね。

 あと、「すごい元気ですね」とよく言われるけど、元気な日もあれば、元気じゃない日もあるし、みんな一緒じゃないですか(笑)。なので、年齢を重ねるごとに自分のことを話せるようになったので、「本当はこうなんだよね」と少しずつ伝えていきたい気持ちはあります。

――将来のAIとしてのビジョン、ご自身の中で具体的にイメージしていることはありますか。

AI:あまりないですね。誰かに似たいとも思わない。正直、活動10年くらいで「もういいかな」と思ったこともありました。本当にやりたいことをやって、その先どうするか、みたいな感覚。昨年のツアーもそうだけど、まだいけると思っているから続けている。これ以上きついな、無理かもなってなったら、やらないかもしれない。

――そういう辞めた自分は想像できますか。

AI:想像しますね。いきなりその時が来たらショックだろうけど、ダメージを受けすぎないように、「これがなくなったら何ができる?」と考えることもある。20代からこの仕事だから、これしかできないと思いがちだけど、他に勉強も必要かな、とか。いつかはその日が来るかもしれないですよね。でも、それがいいことになるかもしれない。

――チャカ・カーンやダイアナ・ロスのように、80歳を超えても歌う姿もあります。

AI:いつも人にすごいものを見せていきたいと思っています。自分はまだまだだから、「歌がうまくなった」「このショーは完璧だ」と思えたら、できたらいいなと思っています。

Interview:渡辺志保
Photo:興梠真穂

◎リリース情報
シングル「ラッキーアイラブユー」
2026/2/27 DIGITAL RELEASE


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