<ライブレポート>超ときめき宣伝部、初のフルオーケストラ公演で証明した“ボーカル・グループ”としての真価

2026年2月13日 / 18:00

 2026年2月1日、超ときめき▽宣伝部(※)が全編オーケストラと共演する【billboard classics 超ときめき▽宣伝部 オーケストラ超最強説!!】がすみだトリフォニーホール 大ホールで開催された。そのステージは、彼女たちがボーカル・グループとして高い実力を誇っていることを、鮮やかに証明するものだった。
 
 超ときめき▽宣伝部は、TikTokで『超最強』が25億回再生、『最上級にかわいいの!』も12億回再生を突破するなど、まさにSNS時代を代表するアイドルグループだ。そして、杏ジュリアの卒業を2026年3月にひかえている特別な時期。そんな節目に実現したのが、数々の大物ミュージシャンのシンフォニックコンサートを手掛けてきた藤原いくろうが指揮・編曲を担当し、管弦楽を東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、ピアノを榊原大が担う、この一夜限りのステージだ。

 会場であるすみだトリフォニーホール 大ホールは、シューボックス型と呼ばれる、音にこだわった構造のホールだ。そこにまずオーケストラが現れ、チューニングを行う。そして藤原が登場し、静かに構えると、リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』の一節が鳴り響き、ホールの空気が一瞬で引き締まった。

 そこへ、とき宣の辻野かなみ、坂井仁香、菅田愛貴、杏ジュリア、小泉遥香、吉川ひよりが登場。オープニングは、『ときめきパーティ』。元気いっぱいに飛び跳ね、腕を振り、クラップするメンバーたち。第一部は着席での鑑賞が推奨されており、どこか独特の緊張感が漂っていた。いつものライブとは異なる雰囲気のなかで、その対照がかえって際立ち、とき宣のボーカルの安定感が自然と浮かび上がっていった。

 第一部は、学園生活のなかで過ごす青春の時間と、その四季の移ろいをとき宣の楽曲で表した構成となっており、随所に挟まれるメンバーのナレーションが物語に奥行きを与える。全員の「この想いをメロディにのせて、届けたいんだ。」という言葉を受けて『Memories』へ。澄みきった弦楽器の響きで始まり、疾走感のある演奏とボーカルが並走していった。

 『ししし!』では、演奏のスケール感の大きさに応えるように熱く歌いあげる。『初恋サイクリング』は、ホーンの低音が奥行きを生みだし、それがとき宣のボーカルのキュートさを際立たせた。サビでは開放感と高揚感を強く感じさせていく。いつものライブではコールの目立つ楽曲だが、今夜は観客も耳を傾け、丁寧な歌唱とオーケストラアレンジの妙がひときわ際立った。

 杏の「ふと、目が合った気がして……。私の心、ドキドキしてる」というナレーションが恋の始まりを告げ、『遠くであがる花火 二人ならんで見てた』へ。荘厳なイントロで始まり、流麗にして迫力のある演奏だ。語りもあれば、バレエを表現したダンスもあるなど、目と耳が離せないステージが繰り広げられた。

 続く小泉の「好きなんだ。それだけは、一途にずっと変わらない」という声から『いちず色のベンチ』へ。オーケストラはポップな楽曲をしなやかに演奏し、とき宣は溌剌と歌い上げる。
 
 バラードの『ゼッタイだよ』では、オーケストラはふくよかな演奏を聴かせ、とき宣は甘くしなやかな歌声でドラマティックに歌いあげた。とき宣のボーカルのポテンシャルの高さを感じさせる一曲だ。

 第一部のラストは、メンバー全員から会場へ向けた「このときめきを……ありがとう!」というメッセージが届き、『さくら燦々』へ。壮大な演奏とともに、伸びやかなボーカルが響き、そこにせつなさ、はかなさをも感じさせた。
 
 20分の休憩の後、第二部へ。ここからは立ちあがっての声出しも解禁される。

 第二部は、『トゥモロー最強説!!』で幕開け。とき宣は、メンバーカラーの衣装に着替えて登場し、第一部とは打って変わってホールにはファンの力強いコールが響きわたった。

 この日初となるMCでは、オーケストラと共演することへの緊張を口にするメンバーも。張りつめていた空気が、おなじみの自己紹介に移るにつれ、会場にはいつものとき宣らしい和やかなムードが広がっていった。その流れのまま『ギュッと!』へ。曲中で小泉がオーケストラに負けないソウルフルなボーカルを聴かせる場面も。『きっとスタンダード』では、しっとりとした演奏の中にピアノとハープが繊細な彩りを加え、せつせつとしたボーカルを聴かせた。かと思うと、『STAR』ではミラーボールが星のような明かりを放つ。ラップパートまでオーケストラで表現されるのは新鮮な驚きをもたらした。

 MCでは、第二部になってファンの表情や声が一段といきいきとしてきたことに触れ、会場に笑いと共感が広がった。その温度をそのまま引き継ぐように、『すきっ!~超ver~』へ。ゴージャスなサウンドとともに、オーケストラが楽曲の多面的な魅力を浮き彫りにし、ダイナミックな終わり方も含めて、藤原の編曲センスが光る。『最上級にかわいいの!』では、激しいコールが響き、オーケストラが失恋を彩る演奏を展開。そして本編ラストを飾った『夢がとまらない!』では、希望に満ちた歌声をオーケストラが包みこんだ。

 鳴り止まない拍手を受けて、アンコールに。『Dear friend』がピアノやバイオリンの響きとともに始まり、音数を絞った編曲のなかで、とき宣はボーカル・グループとしての真価を静かに、しかし強く示す。涙をこらえきれないメンバーの姿と、「ありがとう」という歌声が胸を締めつけた。

 コンサートの最後を飾ったのは『超最強』。とき宣のメンバーとオーケストラの団員がともにクラップしながら始まるという光景は、この公演の象徴とも言えるものだった。

 マイクを通さずに届けられた「今日はとっても素敵な時間をありがとうございました!」という言葉に、会場は惜しみない拍手と歓声を贈り、コンサートは幕を閉じた。

 メロディーのフックやバズだけでは語り尽くせない、歌詞の強さとボーカルの実力。それを藤原いくろう、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、榊原大とともに鮮明に提示した一夜――それが【billboard classics 超ときめき▽宣伝部 オーケストラ超最強説!!】だった。

text:宗像明将
photo:笹森健一

◎公演情報
【billboard classics 超ときめき▽宣伝部 オーケストラ超最強説!!】
2026年2月1日(日)
すみだトリフォニーホール 大ホール

出演:超ときめき▽宣伝部
指揮・編曲:藤原いくろう
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
ピアノ:榊原大

<公演公式サイト>
https://billboard-cc.com/archive/toki-sen2026

主催・企画制作:ビルボードジャパン(阪神コンテンツリンク) 
協力:スターダストプロモーション
後援:米国ビルボード

<セットリスト>
2026年2月1日(日) すみだトリフォニーホール 大ホール
1.ときめきパーティ
2.Memories
3.ししし!
4.初恋サイクリング
5.遠くであがる花火 二人並んで見てた
6.いちず色のベンチ
7.ゼッタイだよ
8.さくら燦々
9.トゥモロー最強説!!
10.ギュッと!
11.きっとスタンダード
12.STAR
13.すきっ!~超ver~
14.最上級にかわいいの!
15.夢がとまらない!
EC1.Dear friend
EC2.超最強

※本文「▽」の正式表記は特殊記号のハート


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