ZICO、8年ぶり&一夜限りの日本単独公演オフィシャルレポート到着 幾田りら登場でコラボ曲「DUET」熱唱

2026年2月12日 / 18:00

 ラッパー、ソロアーティスト、そして近年ではボーイズグループ、BOYNEXTDOORのプロデューサーとして知られるZICO(ジコ)が、2月7日に京王アリーナTOKYOで8年ぶりの日本単独公演【2026 ZICO LIVE : TOKYO DRIVE】を開催。ゲストに幾田りらも登場した一夜限りの貴重な公演のチケットは、発売後、たちまちソールドアウトとなった。

 「TOKYO DRIVE」というタイトルだけに、ステージ上にはオープンカーのセットが置かれている。大勢のダンサーに囲まれ、オープニングトラック「Artist」でその車の前にポップアップで登場したZICOは、生バンドが繰り出すファンキーなサウンドでいっきに会場の熱を高める。世界中で大ブームのSNSダンスチャレンジの火付け役となった「Any song」では、“あの”ダンスも披露。「SPOT!」までの楽しい4曲で、この先のドライブへの準備が整った。

 回転台に乗ったオープンカーが正面を向くと、「SEOUL DRIFT」でZICOが車に乗り込み、ヘッドライトを灯しドライブがスタート。「I am you, You are me」の後半では、サビを「キミは僕で、僕はキミで」と日本語で歌い会場を沸かせた。

 「単独公演で会うのは、2018年の【King Of the Zungle Tour in Tokyo】以来、8年ぶり。長い間待たせちゃったけれど、その間にたくさんの曲が生まれました。今日は期待している曲をたくさん聴いて帰ってもらえるかな。今日は『TOKYO DRIVE』。皆さんと一緒にドライブを楽しみたいと思います。今日は皆さんも僕らと一緒に街を走るCO-DRIVERです。思い切り盛り上がって楽しんでください。今日、雪が降っているのを見ましたが、まるで皆さんが花びらのように僕を迎えてくれているようで、とても幸せな気持ちになりました。何度も出会えない尊い瞬間に立ち合えた。今日はそんな1日になりそう」と言って会場の期待を高めた。

 「皆さん、この8年、どうしていましたか?」と問いかけると、「8年間の僕が何をしていたかを知ってほしくて」と車のトランクを開けて幾田りらとの「DUET」、JENNIE(BLACKPINK)との「SPOT!」、4th EP『Grown Ass Kid』、「Any song」などのレコードジャケットを取り出し、曲のエピソードを語ると、1stフルアルバム『THINKING Part.1』を「個人的に大切なアルバム」と言いながらレコードを取り出し、トランクの中に置かれたレコードブレ―ヤ―に載せると、軽やかな収録曲「Actually」を歌った。

 大きなモニターに夜の東京を疾走する映像が映し出され、ライトの光と炎に包まれた会場にハードロックにアレンジされたHIP HOPトラック「New Thing」が流れると、東京でのナイトドライブがスタート。ここからバンドとHIP HOPが融合したZICOらしさが溢れる「Freak」、「Eureka」で熱狂を巻き起こす。

 汗だくになったZICOは、「夢中で走っていたら、東京の真ん中、渋谷あたりに。僕は中高時代を東京で過ごしたから、渋谷の道は今でも覚えています。大好きな場所です」と思い出を語ると、「夜は短いから、もっと楽しまないと!」とオーディション番組『SHOW ME THE MONEY』のアンセム「Okey Dokey」のコール&レスポンスで会場を煽り、最高の盛り上がりを見せた。

 再び車に乗り込みエンジンをかけて走り出すと、途中でその車にひとりの女性が乗り込んできて歌いだしたのは、話題曲「DUET」。ゲストとして登場したのは、幾田りら。2人は車を降りると、軽快なダンスを交えてセンターステージで息のあった掛け合いを見せた。

 幾田りらは、「制作しているときから、ライブがあるときいていたので待ちわびていました。楽しすぎたので、また一緒に『DUET』したいです!」とZICOと約束を交わし、自身の「百花繚乱」とピアノ伴奏の「恋風」も披露して客席を沸かせた。

 TOKYO DRIVEは、深夜の街へ。「One-man show」で歌をメインにした静かなバラードを披露すると、「まるでこの世界に自分ひとりだけが取り残されたように感じる瞬間が、このアルバムを作っていた頃にありました。でも、空っぽになった感情も、傷ついた自分を明るく満たしてくれるのも、人なんです」と語り、徐々に希望の光に満たされる「Human」を爽やかに歌いあげた。ラッパーのイメージが強いZICOだが、このようにバラードまでを歌いこなす実力があるからこそ、曲に説得力が生まれるのだろう。

 本編のラストスパートは、ZICOらしさ満載のゴリゴリのHIP HOP! 赤い光と炎に包まれたセンターステージの下から登場すると、マイクスタンドを前に「Tough Cookie」で強烈なフロウを吐き出すと、ファンもそれに呼応して「Tough Cookie~」と一緒に歌う。さらにラップがアジテーションのように激しくなった「No you can’t」の迫力で客席を飲み込むと、「FANXY CHILD」でステージもフロアも高まりがひとつになった。

 「ドライブスポットもあと1か所。実は今回のライブを準備しならが、『たくさんの人が僕を待っていてくれるかな? 来てくれるのかな?』と思いながらも、『期待しすぎず、もっと頑張ろう』という気持ちで臨みましたが、こんなにたくさんの人が来てくれました。昔からのファンも最近のファンも、僕と一緒に新しいチャプターを作っていくという気持ちになれたんじゃないかな。これからも、もっとたくさん日本活動をしながら素敵な姿をお見せできたらと思います」と語ると、大きな拍手が沸き起こる。

 そして、「多様な仕事をしている僕はふと、『僕はアーティストで合っているのかな?』と思うんです。でも今日、僕のアイデンティティをしっかり確認できた気がします。僕は歌手だ。僕は音楽をやる人間だ。僕はZICOだ。ZICOが何者か見せてやる……。最後は、ZICOで締めます。ZICOを観に来てくれてありがとうございます!」と高らかに宣言すると、大歓声の中、ラップ際立つ「Predator」から世界観をドラマチックに転換させた「RED SUN」をメドレーで披露して、情熱的なクロージングを迎えた。

 アンコールでは「ドライブ、まだちょっと足りなさそうですね。実は、僕もです(笑)。そこで特別なものを用意しました」と、ZICOが車のアクセルを踏むと、メインモニターに曲名が書かれたタコメーターが出現。ファンの歓声の大きな曲をアンコールで歌うという。ファンが選んだのは、「Okey Dokey」。客席とのコール&レスポンスから始まると、ZICOはDJブースで音を鳴らすと、センターステージまで全力疾走。力いっぱい客席を煽りひとつに溶け合うと、最後に燃料切れのようにステージに倒れ込んだ。

 さらに「Turtle Ship」でフロウ&ライムを畳み込むと、メインステージに戻ってダンサーたちにもみくちゃにされながら「Tell me yes or no」を歌い上げ、最後にギターを手にすると車に打ち付けて粉々に。ダンサーたちは手にしたバットで車を破壊して、ZICOはTOKYO DRIVEの旅路を終えた。

 ZICOは、2011年にアイドルグループBlock Bのリーダーとしてデビュー。デビュー作からプロデュースを手がけていたが、2015年からはソロ活動もスタート。同年のラップオーディション番組『SHOW ME THE MONEY 4』にプロデューサーとして参加し、ラッパーとしての人気を高めた。現在はHIP HOPのフィールドだけでなく、自身がプロデュースしたボーイズグループ「BOYNEXTDOOR」が大ブレイク。また、BLACKPINKのJENNIEとのコラボ曲「SPOT!」、日本の幾田りらとのコラボ曲「DUET」が大ヒットするなど、オーバーグラウンドでも大活躍。昨年末には幾田りらと日本の音楽番組『ミュージックステーション SUPER LIVE 2025』にも出演した。自身のレーベル「KOZ」には「King of the Zungle=ZICOが作り上げた音楽ジャングルの生態系で頂点を獲る」という意味が込められている。その名の通り、アンダーグラウンドからオーバーグラウンドまで、多くのフィールドで頂点を極めたZICOだからこそ、縦横無尽にその音楽で駆け抜けられた『TOKYO DRIVE』。東京1公演だけ……というのは、もったいなさすぎるライブだった。この日のライブを見られた人は、貴重なZICOの足跡を目撃者となった。

Text by 坂本ゆかり
Photo: KOZ ENTERTAINMENT


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