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2003年のデビュー以降、独自の多種多様なポップミュージックを発信し続けているシンガーソングライター・大塚 愛。22周年を迎えた今年、9月7日に日比谷野外大音楽堂にて毎年恒例のアニバーサリーライブ“ラブボン”こと【大塚 愛 LOVE IS BORN ~22nd Anniversary 2025~】を開催した。
<「ここで待ち合わせしてるわ」野音とラブボンの物語>
大塚 愛とそのファンにとって、最も多くラブボンを開催してきた聖地でもある野音は2023年に100周年を迎え、老朽化による再整備工事の為に10月1日から2028年春まで使用休止となる。ゆえに現在の野音でのラブボンは今回が見納めということもあり、客席には超満員のオーディエンスが詰め掛けていた。天候は快晴。ステージ上の巨大な白地の垂れ幕には「はろん! 来てくれてありがとう、会えて嬉しいです。ピースフルな今日が素敵な記念日になるように、共にいい音楽をしましょう!」と本人直筆のメッセージが英訳と共に記されていた。
振り返れば、彼女が野音のステージで初めて単独公演を行ったのは、2006年のラブボン。9月9日の自身の24歳の誕生日に開催された【大塚 愛 LOVE IS BORN ~3rd Anniversary 2006~】だった。「まさか自分の誕生日に(ここでライブが)できるとは思いもせず」と語りながら、この日から野音での宿敵認定されたカナブンに襲われてパニックになりながらも(笑)、今年も披露された「桃ノ花ビラ」「片思いダイヤル」「プラネタリウム」「大好きだよ。」「Happy Days」「さくらんぼ」などの名曲たちを披露し、興奮と感動の渦を巻き起こしてみせた。
その後も幾度となく野音で開催されてきたラブボン。その長い歴史のひとつの節目となる【大塚 愛 LOVE IS BORN ~22nd Anniversary 2025~】は、バンドマスター・磯貝サイモン(key,g,cho)、友森昭一(g)、雲丹亀卓人(b)、坂本暁良(dr)による夕方の野外にぴったりの幻想的なプレリュードが奏でられ、落ちた垂れ幕の向こう側よりタンバリン片手に本日の主役・大塚 愛が現れると「Creamy & Spicy」からスタートした。ピーカンの空によく似合う軽快なバンドサウンドと共に、3000人のファンと声高らかに歌い合う「ラララ♪」があまりに心地好く、続いて「みんなー! 来てくれてありがとう! すんごいキレイな空!」と高まるテンションに乗せて歌い出した「I was a girl(長屋晴子より)」でも、長屋晴子(緑黄色社会)が作詞作曲したそのナンバーを自然と一体化させながら、どこまでも気持ちよく伸びてゆく歌声で我々の心を満たしていく。
そして、あっこゴリラとのコラボ曲「またたび」でもってさらにこの空間と溶け合っていった彼女は、一言「22年」とだけつぶやいてデビュー曲「桃ノ花ビラ」を歌い始める。「ゆらゆら舞う この暖かい日は あなたと出逢った日のように ゆらゆら…想い出を届ける きっときっと来年もその先も ここで待ち合わせしてるわ きっときっと…あたしを届ける」という冒頭のフレーズが、今日はここ野音とラブボンのストーリーを想起させるように響き渡り、この時間と空間をより一層愛おしく感じさせた。
<「22周年、ピースピース」愛と平和を分かち合う名曲連発>
「すみません、本当にお邪魔して申し訳ないんですけど、飛行物体の方々。若干のお時間だけお貸しください。ちょっと来ないで。すみません、ワガママで(笑)」と野音に飛び交う昆虫たちを警戒しながらも「大丈夫? 大丈夫? もうみんな疲れたやろ? 分かってるねん。みんなも疲れてきてるよね。座って水飲んで!」とファンを気遣い、そして「直前で台風というすごいパンチのある方が通り過ぎていってね、とっても心配でした。でも、見て!(空を見上げながら)なんなの? このキレイ! こんなにすっきりキレイな空、初めてぐらいかな。ラブボンで。」と過去にはゲリラ豪雨に見舞われたこともあるラブボンを快晴の中で開催できることに歓喜する。
そんなベストシチュエーションの中で、磯貝サイモンと友森昭一のアコギの音色に囲まれて「本当に22年、みんなの支えてくれた言葉が私を今ここに居させてくれているということで、本当に嬉しいし、ありがたいし。そんな気持ちを込めて、みんなへの返答としてお届けしたい」と久しぶりに「大好きだよ。」を歌い始めた。恋愛ソングとして人気を博した名バラードだが、今回はすべてのフレーズが「いつだって支えてくれた」ファンへの想いとして歌われ、「ずっとずっとずっとずっとずっとずっと大好きだよ」というメッセージに会場中が感動に包まれる。さらには、自らも人生で初めて買ったアコギ(ハワイアンコアという木から作られたテイラー)をローディーのオグロックが作ってくれたオリジナルピックで弾きながら「甘い気持ちまるかじり」もアコースティック仕様でお届け。
そして、ピアノの前に腰掛けると「日比谷野音。ここはですね、100周年ということで、10月からリニューアルに向けて工事バッキバキです。なので、この野音は今月で最後ということで……ありがとね」としみじみ感謝の言葉を告げ、「野音の本当に素敵なところは、この唯一無二の空。やっぱりこの空を見ながらライブができるという特別な場所で(野音の)最後に何を歌おうかなと思ったときに、これも久しぶりすぎて……」と、過ぎてゆく夏空の下でお世話になった野音へ「夏空」を弾き語っていく。彼女の歌声と音楽にシンクロするように鳴き続けるセミの声。そんな夏の終わりらしい切なくもハートフルな空間の中で「今年22周年、ピースピースということで、やっぱりピースピースをこの歳になってグッと感じるというか、若いときは刺激が欲しいみたいなところがあったんですけど、やっぱり平和がいちばんと思ったり、子供が生まれてから家族って素晴らしいなと思って。血の繋がりだけじゃなくて、この出逢えて一緒に過ごしてきた22年間を共に語り合える家族(=ファンのみんな)も本当に素晴らしいなと思って」と、かつて『NHK全国音楽コンクール』の課題曲にもなった「I ■ xxx」(■=ハート)をこの日はみんなと愛と平和を分かち合う曲として響かせ、このうえなく優しいシンガロングまでも生み出していく。
気付けば、夕方から夜に差し掛かっていく時間帯へ。蜂が飛んできて(またしても虫!)戸惑うアクシデントで笑いを挟みつつも(笑)、彼女が奏で始めたピアノの旋律に歓声が起きる。それは、誰もが知る「プラネタリウム」。夏の代名詞とも言える大名曲が今年のラブボンでも披露された。そして、エモーショナルな歌声と演奏に、オーディエンスひとりひとりの心に花火がぱっと開いた次の瞬間「冬生まれの人! 春生まれの人! 夏生まれの人! 秋生まれの人! よーし、全員まとめてお祝いしていこう!」と、ここに集いしすべての人たちへ「Happy Birthday to you!」を歌い贈り、同時に我々も9月9日に誕生日を迎える大塚 愛への「Happy Birthday to you!」を歌い返していく。なんてピースフルでしあわせな時間なんだろう。
<野音がよく似合う大塚 愛──全力の愛を体現していく3000人>
「そろそろちょっと激しい、だいぶ激しい……本当に水飲んでおいて、今のうちに!(最後まで)みんなも辿り着くか分かんないよ、これ。大丈夫? さぁ、だいぶ夜になってきましたから、さらに盛り上がっていく時間、いきますか?」とバンドメンバーを紹介しながらウォーミングアップしてから、ライブは本編最後のお祭りモードへ。「片思いダイヤル」「なんだっけ」「ロケットスニーカー」「Happy Days」「ポンポン」「さくらんぼ」と百戦錬磨のアッパーチューンをノンストップで畳み掛けていくのだが、猛暑の続く夏の終わりに汗だくになりながらみんなで楽しげにはしゃぎまわるその光景は、青春のように無邪気で美しく。「ロケットスニーカー」の歌詞「地球っこ」を「ラブボンっこぉー!」と歌いながらスパークしていく野音の空気に涙する人の姿も見受けられるほどだった。そして、高速ライブバージョンの「Happy Days」「ポンポン」で飛び跳ねまくり(チアリーダーたちに応援&救護されながらも歌い続ける大塚さん(笑))限界を超えたその先で「さくらんぼ」をみんなで大熱唱し、全力の愛を体現していく3000人。ここ野音で何度も体感してきたフルコースだけれど、今夜は誰もが格別な気持ちで完全燃焼に至ったことだろう。
「ありがとう! ありがとう!」と何度も伝えながらステージをあとにした彼女へ「もう1回! もう1回!」とおねだりし続けるオーディエンス。その声に誘われるように再登場した大塚 愛は「みんな生き残ってる? よかったね、無事で。すごかったね、本当に。「ポンポン」で最後のほう「しんどい、勘弁してください」みたいになっていた人たち、見えてたよ(笑)。分かる。もうあれはいろんな戦いだよね!」と戦友たちを労いつつ、ピースピースな集合写真を撮影。そして、今日のライブがパッケージ化されること(DVD/Blu-ray『大塚 愛 LOVE IS BORN ~22nd Anniversary 2025~』2025/12/24 RELEASE)、来春【大塚 愛 AIO LIVE 2026(仮)】がビルボードライブの大阪、東京、横浜で開催されること(※詳細は文末にて)を告知すると、派手な装飾メガネ姿で「Is」、そして「SMILY」をオーラスに披露する。
シングル『SMILY』のジャケットにもなったイラストを施したフラッグ。それをステージ上も客席も野音中の人々が一体となって揺らしながら、今年も楽しかったラブボンの最後を盛り上げていくのだが、後半でまさかの大塚さんが客席突入! ファンひとりひとりと「笑って 笑って 君の笑顔が見たい」と笑顔を交わしながら、「泣きたいときには そっとそばにいてあげよう」と感激の涙を流す人たちのそばに実際に現れて歌うその様は、実にドラマティックでこのうえなくハッピーであった。一緒にシンガロングしてくれたみんなへ「ありがとう! ありがとう! ありがとう!」と告げながら、【大塚 愛 LOVE IS BORN ~22nd Anniversary 2025~】を締めくくった彼女。その最後の瞬間まで、大塚 愛には野音がよく似合うと改めて実感した夜であった。今回で野音でのラブボンはひとつの節目になったが、2028年以降この会場が復活した際には、またきっと今日のような最高の音楽体験をさせてくれることだろう。そんな未来を期待しつつ、前述した公演も含め、今度の彼女の活動にもぜひ注目してもらいたい。
取材&テキスト:平賀哲雄
カメラマン:田中聖太郎
◎ライブ【大塚 愛 LOVE IS BORN ~22nd Anniversary 2025~】
2025年9月7日(日)日比谷野外大音楽堂 セットリスト:
01.Creamy & Spicy
02.I was a girl(長屋晴子より)
03.またたび
04.桃ノ花ビラ
05.大好きだよ。
06.甘い気持ちまるかじり
07.夏空
08.I ■ xxx(■=ハート)
09.プラネタリウム
10.Birthday Song
11.片思いダイヤル
12.なんだっけ
13.ロケットスニーカー
14.Happy Days
15.ポンポン
16.さくらんぼ
EN1.Is
EN2.SMILY
◎リリース情報
DVD/Blu-ray『大塚 愛 LOVE IS BORN ~22nd Anniversary 2025~』
2025/12/24 RELEASE
・通常盤
[DVD2枚組(スマプラ対応)]
AVBD-27893~4 8,250円(tax in)
[Blu-ray Disc(スマプラ対応)]
AVXD-27895 8,250円(tax in)
・FC会員限定初回生産限定盤
[DVD2枚組(スマプラ対応)+オリジナルキャンドル同梱]
AVZ1-27896~7 10,999円(tax in)
[Blu-ray Disc(スマプラ対応)+オリジナルキャンドル同梱]
AVZ1-27898 10,999円(tax in)
※FC会員限定初回生産限定盤、通常盤ともに、
約40分の特典映像を収録予定
https://aiotuka.lnk.to/lib_2025
◎イベント情報
ライブ【大塚 愛 AIO LIVE 2026(仮)】
2026年1月4日(日)ビルボードライブ大阪
1stステージ OPEN 15:00 / START 16:00
2ndステージ OPEN 18:00 / START 19:00
2026年2月23日(月・祝)ビルボードライブ東京
1stステージ OPEN 15:30 / START 16:30
2ndステージ OPEN 18:30 / START 19:30
2026年3月17日(火)ビルボードライブ横浜
1stステージ OPEN 16:00 / START 17:00
2ndステージ OPEN 19:00 / START 20:00
https://avex.jp/ai/live/detail.php?id=1002852&fdate=2026-01-04&ldate=2026-03-17
◎大塚 愛 オフィシャルサイト
https://avex.jp/ai
◎大塚 愛 X公式アカウント
https://x.com/ai_otsuka99
◎大塚 愛 staff X公式アカウント
https://x.com/ai_otsuka_staff
◎大塚 愛 Instagram公式アカウント
https://www.instagram.com/aiotsuka_official/?hl=ja
◎大塚 愛 TikTok公式アカウント
https://www.tiktok.com/@aiotsuka_official
◎大塚 愛 YouTube公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCL-qdJpYtp1kJMp2914vkpw
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