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吉川晃司のDVD & Blu-ray『KIKKAWA KOJI 40th Anniversary Live』は、2025年2月8日と9日に開催された日本武道館2daysのコンサートの模様を収めたものである。40周年を記念したツアーのファイナル公演となるこのステージ、クライマックスの連続というスリリングな展開となった。「すべてがハイライト」と形容したくなる演奏シーンを余すところなく収められている。本記事では、そのライブ映像作品の「鑑賞ポイント10選」を解説する。
1. 40年間の活動の集大成的な選曲
日本武道館2daysのコンサートは、ステージの頭上に設置されたKマーク型LEDスクリーンに、デビュー当時からのシングルやアルバムのジャケットの映像が映し出される演出でライブが始まる。このオープニング映像が象徴するように、40年間で発表された代表曲、人気曲が散りばめられたセットリストが、このライブの大きな特徴だ。初期のナンバーから2020年代の最新のナンバーまで、さらにはCOMPLEXの代表曲も収録している。盛り上がり必至の曲が並ぶ、極上のライブ・エンターテインメント作品なのだ。
2. 熱狂と感動と興奮も映像化
1曲目の「TARZAN」で吉川の雄叫びが響き渡った瞬間、会場が熱狂の渦に包まれた。観客も雄叫びを上げ、そして手を突き上げている。ステージ上に緑色の照明の光が降り注ぎ、客席のリストバンド型のライトが緑色に輝く。この一体感、高揚感、臨場感はアンコールラストの「せつなさを殺せない」まで続いていく。「せつなさを殺せない」で吉川の腕の動きに合わせて、客席のリストバンド型のライトの白い光が揺れる光景は壮観だ。ステージ上の歌と演奏に対する観客の反応も、映像からしっかり伝わってくる。部屋を暗くして画面に集中すると、客席の最前列で観ているような気分になるに違いない。
3. 懐かしさと新鮮さとが絶妙に融合
「You Gotta Chance ~ダンスで夏を抱きしめて~」「フライデー ナイト レビュー」など、1980年代を彩った楽曲も大きな見どころだ。初期からのファンならば、懐かしさを感じる瞬間も多いだろう。ロックテイストが色濃く漂う「You Gotta Chance ~ダンスで夏を抱きしめて~」は、オリジナルの持つ魅力を損なうことなく、最新の魅力もプラスされているところがポイント。懐かしい映像が流れる中での「フライデー ナイト レビュー」では、1980年代と2025年、それぞれの時代の空気感が交錯。懐かしさと新鮮さを同時に味わえることもこのライブの大きな魅力の一つだ。
4. 鍛え抜かれたバンドサウンド
ソロシンガーでありながら、バンドサウンドが大きな魅力となっている点が吉川のライブの大きな特徴ともいえる。吉川が深い信頼を寄せる5人のメンバー、生形真一(Gt)、藤井謙二(Gt)、ウエノコウジ(Ba)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)が集結。ツアーのステージを重ねる中で磨きをかけてきたバンドサウンドは強靭にして自在だ。「Honey Dripper」「ソウル・ブレイド」「The Gundogs」などでは吉川もギターを演奏し、トリプルギターが炸裂。ウエノも加わり、最前列に並んでの演奏となった「GOOD SAVAGE」では、吉川、ウエノ、生形、藤井が一斉に膝をつき、笑顔を浮かべながら演奏する瞬間もある。思わず笑顔になってしまう最高のシーンだ。360度アングルのドローンも交えた多彩なカメラワークが、メンバーの気迫あふれる表情や自在な演奏を見事にキャッチ。
5. 吉川と観客との熱き交流も真空パック
40周年を記念するツアーのステージを思う存分、楽しんでもらいたいという吉川の思いと、アニバーサリーのひと時を一緒に祝いたいという観客の気持ちが一つになっていく瞬間が、見事に映像に封じ込められている。COMPLEXの代表曲の一つ「MAJESTIC BABY」では、〈おまえと一緒なら…〉というフレーズで、吉川と観客とのコール&レスポンスが起こった。このフレーズは、この瞬間の双方のリアルタイムの思いを見事に表しているだろう。「LA VIE EN ROSE」「恋をとめないで」などでのシンガロングで、吉川と客席との熱い思いが混ざり合っていく様を観ているだけで、自然と胸が熱くなっていく。
6. 表情豊かな等身大の歌声
今の吉川の等身大の歌声を堪能できることも、この映像作品の大きな魅力だ。例えば、「ロミオの嘆き」。ホッピー神山のピアノの演奏のもと、時にはささやくように、時には願いを込めるように、吉川は憂いを帯びたエモーショナルな歌声を披露している。深みのある低音は吉川ならでは。ハンドマイクを持ちながら、手の動きも交えて歌に集中していく姿が印象的だ。曲のエンディングからシームレスに展開されるバンドのブルージーな演奏も聴きごたえがある。
7. 最新の洗練されたグルーヴを堪能
人気曲や代表曲とともに、新境地を開拓し続けている吉川の最新のグルーヴを堪能できるナンバーが並んでいることも、このステージの大きな魅力だ。ジャズやロカビリーのテイストを取り入れながらも現代的な解釈を施している「ギムレットには早すぎる」では、吉川の華麗なステップも堪能できる。ゆったりとしたファンキーなリズムがクセになる「サラマンドラ」、ストレンジかつトリッキーなタイム感を備えた演奏が楽しい「タイトロープ・ダンサー」など、洗練された大人のグルーヴに身を任せるのは、心地良い体験となるだろう。
8. 日本武道館ならではの演出が満載
日本武道館という広い空間を生かした演出も、このステージの見どころとなっている。ステージの上空に設置されたKマークのLEDスクリーンに光の映像が流れる中での「El Dorado」、〈Show Me Your Love Way I’ll Show You My Love Way〉といった英語のフレーズがスクリーンに映し出される中での「Love Way」といった場面もある。リストバンド型のライトが光る客席を愛おしげに見つめる吉川の表情も印象的だった。当日のMCでは「武道館、39回目です。めざせ100回です」との発言もあった。このライブ映像作品を観ると、「吉川晃司には日本武道館がよく似合う」ことが実感できるだろう。
9. 進化し続けるシンバルキック
吉川がシンバルキックを行うようになったのは1999年。つまり、約26年にわたってシンバルを蹴り続けてきたのだ。デビュー当初はバク宙や片手後方宙返りによるパフォーマンスが目立っていたが、腕の故障をきっかけに、シンバルキックを開発した経緯がある。近年も、さまざまな肉体のパーツの故障を乗り越え、改良を重ねて現在の形に至っている。「SPEED」後のシンバルキックでは、回転しながらの着地。「Juicy Jungle」後のシンバルキックでは腹筋起き上がりも披露。アンコールラストの「せつなさを殺せない」後の“かかと落とし”は、42年目の始まりの合図のゴングのようでもあった。
10. 一緒に踊りたくなるパフォーマンス
今回のツアーは、ステージ上の吉川の動きに合わせて、観客が踊るシーンの多いライブとなった。「プリティ・デイト」では〈Oh Pretty Date〉というフレーズに合わせて、会場内が“OPD”という人文字のフリを付けて踊り、盛り上がった。この曲は「Juicy Jungle」と並ぶダンスの定番曲となっていくのだろう。自分の部屋で鑑賞することで、思う存分に踊ったり歌ったりステップを踏んだりすることも可能だ。コンサートと違って、人とぶつかる心配もなく、他人の目を気にする必要もない。目と耳で鑑賞するというよりも、手足や腰を動かし、ともに歌って、体全体で感じるのがふさわしい作品と言える。
なお、Blu-ray・DVDともに、デジパック&三方背BOX、カラーフォトブック、マグネットシート付きの完全生産限定盤と通常盤で発売される。飾っておく楽しみ、フォトを眺める楽しみなども用意されているのだ。
Text by 長谷川誠
Photos by 平野タカシ
◎リリース情報
『KIKKAWA KOJI 40th Anniversary Live
2025/7/23 RELEASE
<完全生産限定盤Blu-ray(デジパック&三方背BOX仕様)>
UIXZ-9012 8,250円(tax in.)
<完全生産限定盤DVD(デジパック&三方背BOX仕様)>
UIBZ-9011 7,150円(tax in.)
※完全生産限定盤特典
全28Pカラーフォトブック
デジパック&三方背BOX仕様
マグネットシート2枚(オリジナルアルバム全20タイトル+本作品ジャケット)
<通常盤Blu-ray>
UIXZ-4114 7,150円(tax in.)
<通常盤DVD>
UIBZ-5119 6,050円(tax in.)
■収録曲(※全形態共通)
1. TARZAN
2. SPEED
3. You Gotta Chance ~ダンスで夏を抱きしめて~
4. MAJESTIC BABY
5. ROUTE 31
6. El Dorado
7. Honey Dripper
8. ソウル・ブレイド
9. ロミオの嘆き
10. ギムレットには早すぎる
11. Love Way
12. サラマンドラ
13. タイトロープ・ダンサー
14. プリティ・デイト
15. LA VIE EN ROSE
16. 恋をとめないで
17. GOOD SAVAGE
18. The Gundogs
19. Juicy Jungle
<ENCORE>
20.フライデー ナイト レビュー
21.せつなさを殺せない
【購入者特典】
特典はなくなり次第終了となります。予めご了承ください。
・Amazon.co.jp:アクリルコースター
・楽天ブックス:ジャケットステッカー
・タワーレコード:B3ミニポスター
・セブンネットショッピング:缶バッジ
・UNIVERSAL MUSIC STORE:A5クリアファイル
詳細はこちら
【「Ooochie Koochie TOUR 会場限定」購入者 先着特典】
・B5下敷き
詳細はこちら
◎公演情報
【KIKKAWA KOJI 40th Anniversary Live】(全24か所・26公演)※全公演終了
2024年10月5日(土)相模女子大学グリーンホール(相模原市文化会館)
2024年10月14日(月・祝)さいたま市文化センター 大ホール
2024年10月19日(土)市川市文化会館 大ホール
2024年10月26日(土)森のホール21
2024年10月27日(日)神奈川県民ホール 大ホール
2024年11月2日(土)いわき芸術文化交流館 アリオス
2024年11月9日(土)宇都宮市文化会館
2024年11月16日(土)新潟県民会館
2024年12月1日(日)静岡市民文化会館 大ホール
2024年12月6日(金)カナモトホール(札幌市民ホール)
2024年12月8日(日)あきた芸術劇場 ミルハス
2024年12月14日(土)本多の森北電ホール
2024年12月15日(日)高崎芸術劇場
2024年12月21日(土)神戸国際会館 こくさいホール
2024年12月22日(日)ロームシアター京都 メインホール
2024年12月28日(土)レクザムホール(香川県県民ホール) 大ホール
2025年1月4日(土)・5日(日)愛知県芸術劇場 大ホール
2025年1月11日(土)仙台サンプラザホール
2025年1月18日(土)※中止※福岡サンパレス ホテル&ホール
→振替公演:2025年5月1日(木)
2025年1月19日(日)※中止※市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
→振替公演:2025年5月2日(金)
2025年1月26日(日)フェスティバルホール
2025年2月1日(土)広島文化学園HBGホール
2025年2月2日(日)島根県民会館
【KIKKAWA KOJI 40th Anniversary Live Tour Final】
2025年2月8日(土)・9日(日)日本武道館
▼サポートミュージシャン▼
Guitar:藤井謙二
Guitar:生形真一
Bass:ウエノコウジ
Drums:湊雅史
Keyboards:ホッピー神山
【KIKKAWA KOJI 60TH BIRTHDAY LIVE “KANREKI ROCK”】
2025年8月18日(月)開場16:30/開演17:30
会場:東京国際フォーラム ホールA
◎関連リンク
吉川晃司オフィシャルサイト
吉川晃司スタッフオフィシャルX
吉川晃司ユニバーサルミュージック アーティストページ
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