＜ライブレポート＞ENHYPEN、初のスタジアム公演開幕　メンバー＆ENGENEにとっても忘れられない記念日に

　ENHYPEN初の日本スタジアムライブ【ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN -SUMMER EDITION-】の東京公演が、7月5日・6日に味の素スタジアムで開催された。本稿では、日本デビュー4周年という特別な日となった、6日の公演の模様をレポートする。

　ENHYPENがアンバサダーを務めるPRADAのロゴがあしらわれた、シックなオールブラックの衣装に身を包んだ7人がステージに登場すると、会場中から割れんばかりの歓声が沸き起こった。スクリーンには一人ひとりの顔がアップで映し出され、これから始まるライブへの期待感が一気に高まっていく。

　オープニングを飾ったのは「Brought The Heat Back」。ENHYPENの代名詞とも言える“刀群舞”で、1曲目から観客の心をわしづかみに！　さらに曲の終盤には豪快な花火が打ち上がり、「ついにスタジアムライブが始まったんだ！」と、序盤からワクワクと感動で胸が熱くなった。

　その勢いのまま披露されたのは、「FEVER」。首筋に香水をつけるようなセクシーな振り付けと、艶やかで余裕すら感じさせる表情に、思わず息を飲む。会場の熱気をさらにヒートアップさせた後、メンバーひとりひとりの挨拶へと繋げた。

　挨拶では今回も、JAY（ジェイ）による恒例の“宣誓”が行われた。「1！　ENGENEとENHYPENが一緒なら、暑さも良い！」「2！　日本でのデビュー4周年！　よりももっと、これからも永遠を約束！」と高らかに声を上げるJAYに、ENGENEもその言葉を繰り返す。その瞬間、広いスタジアムに一体感が広がり、心がぎゅっとひとつに結ばれるのを感じた。さらにJAYの「僕たちと一生一緒になれる準備ができたENGENEは……叫べー！」という力強い呼びかけとともに、「ParadoXXX Invasion」のパフォーマンスへ。ステージ前方から勢いよく噴き出したウォーターキャノンが、夏のスタジアムライブらしい爽快な演出を彩る。思いっきり水しぶきを浴びたとしても、それさえも最高の思い出ではないだろうか。

　7人の圧倒的成長と進化を感じて思わず息を飲んだのが「Future Perfect（Pass the MIC）」だったかもしれない。演説台に立ち、堂々と歌い上げるJUNGWON（ジョンウォン）と、そんな彼に続き、力強く歌い上げるメンバーたちに、思わず鳥肌が立った。これまでのツアーでも度々披露されてきた楽曲だが、広大なスタジアムで観るそのパフォーマンスは、やはり別格！　過去のライブの記憶が一気によみがえり、気づけば胸が熱くなっていた。

　ユニットステージの後に披露されたのは、JAYの軽快なギター演奏から幕を開けた「Blessed-Cursed」、そしてダークで妖艶な雰囲気で魅せる「Bite Me」など、ENHYPENならではの魅力が詰まった圧巻のパフォーマンスの数々だ。

　一転して、「Your Eyes Only」や「Orange Flower（You Complete Me）」では、7人がトロッコに乗ってステージを一周。ENGENEに向けて水鉄砲を放ったり、メンバー同士が笑顔で顔を見合わせたりと、先ほどまでのクールな表情とはまた違う無邪気な姿で、会場をさらに沸かせた。ギャップ満載のステージで、ENGENEの心をしっかりと掴んでいた。

　そして、日本4thシングル『宵 -YOI-』のタイトル曲「Shine On Me」が、このスタジアムツアーで初披露！　エモーショナルなメロディに乗せて、7人それぞれの澄んだ歌声がスタジアムいっぱいに響き渡っていた。この楽曲はスマホ撮影OKだったため、多くのENGENEがこの感動的な瞬間を記録できたはず。音楽と景色と歓声がひとつになって、そこにいた全員の心を掴んでいく。まさに、“永遠に残したくなる瞬間”だった。

　メインステージに戻り、「Tamed-Dashed」や「Sweet Venom」など、ENHYPENの軌跡を辿るように人気曲の数々を披露。その後、メンバー一人ひとりが、思い思いの言葉で観客にメッセージを届けた。

　JAYは、「何年も前からスタジアムを目標に今まで走ってきたんですけど、全部ENGENEの皆さんが一緒にいてくださったおかげです。これからもどんどん新しい目標を作りながら、これから走っていく所存です」と、完璧な日本語で堂々と挨拶。続いてSUNOO（ソヌ）は、「こんなふうに大勢の皆さんの前で歌うことができて光栄です」と、目を潤ませながら優しく微笑んだ。

　JUNGWONは、「実は暑すぎて汗だくになって、髪を上に上げようと思ったんですけど、皆さんが前髪をおろしているほうが好きだとおっしゃっていたので、前髪をおろすために短く切りました」と明かし、会場中から喜びの歓声が沸き起こった。さらに、「とにかく僕たちは皆さんのために存在しています。僕たちはコロナ禍の時期にデビューして、300人のオーディエンスの皆さんの前でスタートしたけど、今はこうして数万人の皆さんの前に立てています」と、感動的なコメントで締めくくった。

　SUNGHOON（ソンフン）はJUNGWONの言葉を受けて、「僕は前髪を上げました（笑）」と笑顔を見せ、「今年は僕たちがすごく成長できたような気がしていて、最近本当に意義深い日々をかみしめながら過ごしています。今後は僕たちも人生を楽しく生きて、皆さんも楽しく生きてくださったら嬉しいです」と語った。

　続けてJAKE（ジェイク）も「僕は半分だけ髪をアップにしました」と明かして会場を和ませた後、「楽しく公演をすることができて、この仕事に対して改めて胸がいっぱいになっています。まずは来てくださったENGENEの皆さん、本当に感謝しています。そしてこのステージを一緒に作ってくれた7人、スタッフの皆さん、本当にありがとうございます」と、心からの感謝を伝えた。

　HEESEUNG（ヒスン）は、「僕はオレンジの髪色になりました。JUNGWONの後からみんな髪の毛の話をしているね（笑）」とおちゃめに笑いながら、「僕たちはこれまでさまざまな紆余曲折もありましたし、多くの心配もありました。そんなときはいつもENGENEの皆さんのことを深く考えながら、思いを馳せながら、踏ん張ることができました。本当に今ステージから見えているこの景色は星のようなんですね。この1つ1つの星にいい影響を届けられる人になれるように、努力していきたいと思います」とHEESEUNGらしい言葉で、自身の思いをまっすぐに語った。

　そしてNI-KI（ニキ）は、直筆の手紙を朗読。メンバーたちも「いつ書いたの!?」と驚きを見せるなか、「いつの間にかもう4年過ぎましたが、今までを思い出すと本当に一瞬だったようにも思います。いつも僕たちのそばで尽きることのない応援と愛をくださり、感謝の気持ちで胸がいっぱいです。今までよりもこれからのほうがもっともっと長いと思うので、どうかこれからも僕たちのそばで見守っていただけたら幸いです」と、真摯な想いをENGENEへと届けた。

　この日は、日本デビュー4周年を祝してサプライズのケーキも登場！　メンバーにとってもENGENEにとっても、心に深く刻まれる、忘れられない記念日となった。HEESEUNGのピアノ演奏からスタートした「XO（Only If You Say Yes）」、「No Doubt」、「Bad Desire（With or Without You）」をパフォーマンスすると、本編は幕を閉じた。アンコールでは、すっかり暗くなった夜空に美しく輝く花火が盛大に打ち上がる。それはまるで、7人の「スタジアム公演」という夢が叶ったこの瞬間を祝福しているかのようで、今日何度目かわからない感動で胸がいっぱいになった。メンバーとENGENEが一緒に歩んできた4年間。その軌跡が確かに刻まれた、感動と歓喜に包まれた一夜となった。

Text by 紺野真利子
(P)&(C) BELIFT LAB Inc.

◎公演情報
【ENHYPEN WORLD TOUR ‘WALK THE LINE’ IN JAPAN -SUMMER EDITION-】
2025年7月5日（土）、6日（日）東京・味の素スタジアム ※終了
2025年8月2日（土）、3日（日）大阪・ヤンマースタジアム長居