エンターテインメント・ウェブマガジン
今週の米ビルボード・アルバム・チャートは、英ロンドンで結成されたロック・バンド=スリープ・トークンの最新作『イーヴン・イン・アーケイディア』が1位に初登場。グループ初のTOP10入りと初のNo.1タイトルを獲得した。2位には、カリ・ウチスのニュー・アルバム『シンシアリー,』がデビューして、自身3作目のTOP10入りを果たしている。
スリープ・トークンは、英ロンドンを拠点に活動している覆面ロック・バンドで、本作『イーヴン・イン・アーケイディア』は、2023年リリースの前作『テイク・ミー・バック・トゥ・エデン』から2年ぶり、通算4作目のスタジオ・アルバムとなる。本国イギリスではその前作が最高3位を記録したが、米ビルボード・アルバム・チャート(アメリカ)では、メジャー・レーベル(RCA Records)に移籍後初となる本作『イーヴン・イン・アーケイディア』で、初のTOP10入りにして初の首位を獲得した。
初週の集計期間(2025年5月9日~5月15日)に記録した初動ユニットは127,000で、グループ史上最高記録を達成。また、ロック・アルバムとしては過去1年間で最大の週間ユニット数、ハードロック・アルバムとしては過去2年で最大の週間ユニット数を獲得した。ストリーミングによるオンデマンド再生回数も、ハードロック・アルバムとして過去最大の数字を打ち出している。
スリープ・トークンが、米ビルボード・チャートに初めてランクインしたのは、2016年にデビューしてから3年後の2019年で、アルバム・チャート“Billboard 200”に始めてランクインしたのは、前述の『テイク・ミー・バック・トゥ・エデン』が最高16位を記録した2023年だった。
その『テイク・ミー・バック・トゥ・エデン』は、これまでにアメリカ国内で累計819,000ユニットを獲得。収録された12曲のうち6曲が、ハードロック・ソング・チャートでTOP10入りし、アルバムの公式オンデマンドストリーミング再生回数は、累計9億3,500万回を記録している。
『テイク・ミー・バック・トゥ・エデン』のヒットを受けて、スリープ・トークンは2023年の年間TOP10ハードロック・アーティストの5位にランクイン。翌2024年も8位に、2年連続でTOP10入りした。
ソング・チャート“Hot 100”に初めてランクインしたのは、最新作『イーヴン・イン・アーケイディア』からのリード・シングル「イマージェンス」がデビューした今年の3月で、続けてリリースされた「キャラメル」は、現時点でグループ史上最高位となる34位をマーク。3曲目の最新シングル「ダモクレス」も、3曲連続でチャートインした。
ハードロック・アルバムとしては、2週間前の5月10日付でNo.1デビューしたスウェーデン出身のロックバンド=ゴーストの『スケレタ』に続く今年2作目の首位獲得で、奇遇にも覆面のハードロック・バンドが同じ月で連続して首位を獲得した。
初週で記録したアルバム換算ユニット127,000の内訳は、アルバム・セールスが73,500、ストリーミングによるアルバム換算ユニット(SEA)は53,000、トラックによる換算ユニット(TEA)は500となっている。
高セールスを記録した本作は、以下のフォーマットでリリースされた。
・6種類のアナログ盤
・通常版のCD
・CDとグッズが封入された2種類のデラックス・ボックスセット
・通常版のデジタル・ダウンロード
上記のフォーマットには、全て同じ10曲が収録されている。
『イーヴン・イン・アーケイディア』は、今週のアルバム・セールス・チャート、ストリーミング・アルバム・チャートの両チャートでも1位に初登場。2025年に1位を獲得した全13作のうち、両チャートで同時に1位を獲得したのは、以下に続く4作目の快挙となる。
・ザ・ウィークエンド『ハリー・アップ・トゥモロウ』(2025年2月15日付)
・ケンドリック・ラマー『GNX』(2025年2月22日付)
・レディー・ガガ『メイヘム』(2025年3月22日付)
・スリープ・トークン『イーヴン・イン・アーケイディア』(2025年5月24日付)
ロック・アルバムとしては、ザック・ブライアンの『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』(2024年7月20日付)が登場2週目で記録した137,000ユニット以来の週間ユニット数を獲得。ハードロック・アルバムとしては、約2年前にメタリカの『72シーズンズ』(2023年4月29日付)が146,000ユニットを記録して以来の最高値となる。
『イーヴン・イン・アーケイディア』が初週で記録した公式オンデマンド再生回数は6,889万回で、ハードロック・アルバムとしては史上最高の週間ストリーミング記録を達成した。ロック・アルバム全体としては、前述にあるザック・ブライアンの『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』が2024年8月10日付で記録した7,776万再生回数以来の最高値となる。
今週記録した週間セールス73,500のうち、47,000がアナログ盤による売上枚数で、LPの週間セールスとしてもグループの最高値を更新。また、1991年にルミネイトが集計を開始して以来、すべてのハードロック・アルバムとしてもLPの週間最高セールスを打ち出した。なお、5月10日付のチャートではゴーストの『スケレタ』が44,000枚を売り上げて史上最高記録を達成したばかりだが、わずか2週間でスリープ・トークンがその記録を塗り替えている。
ロック・アルバム全体のアナログ盤による週間最高セールスとしては、ブリンク182『ワン・モア・タイム』(49,000枚/2023年11月4日付)に続く2番目の記録を達成した。
前述の通り、ハードロック・アルバムとしてはゴーストの『スケレタ』(5月10日付)に続く今月2作目の首位獲得で、1か月以内に2作のハードロック・アルバムがアルバム・チャート“Billboard 200”で首位を獲得するのは、約12年ぶりのチャート・アクションとなる。それ以前には、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジの『ライク・クロックワーク』(2013年6月22日付)と、ブラック・サバスの『13』(2013年6月29日付)が、2週連続で首位を獲得している。
なお、ロック、ハードロック・アルバムの定義は、ロック・アルバム・チャート、ハードロック・アルバム・チャートにランクイン、またはランクインする対象の作品としている。
アルバム・チャート“Billboard 200”で2025年初めて1位を獲得したアーティストとしては、スリープ・トークンが以下に続く5組目の快挙。
・パーティネクストドア『$ome $exy $ongs 4 U』(2025年3月1日付)
・テイト・マクレー『ソー・クロース・トゥー・ワット』(2025年3月8日付)
・ケン・カーソン『モア・カオス』(2025年4月26日付)
・ゴースト『スケレタ』(2025年5月10日付)
・スリープ・トークン『イーヴン・イン・アーケイディア』(2025年5月24日付)
2024年のチャートでは以下の5組がそれぞれ初めて1位を獲得している。
・タイ・ダラー・サイン『Vultures 1』(2024年2月24日付)
・TWICE『With YOU-th』(2024年3月9日付)
・サブリナ・カーペンター『ショート・アンド・スウィート』(2024年9月7日付)
・ジェリー・ロール『ビューティフリー・ブロークン』(2024年10月26日付)
・イート『Lyfestyle』(2024年11月2日付)
2023年のチャートでは以下の5組がそれぞれ初めて1位を獲得している。
・TOMORROW X TOGETHER『The Name Chapter: TEMPTATION』(2023年2月11日付)
・カロルG『Mañana Será Bonito』(2023年3月11日付)
・NewJeans『Get Up』(2023年8月5日付)
・ザック・ブライアン『ザック・ブライアン』(2023年9月9日付)
・ATEEZ『THE WORLD EP.FIN : WILL』(2023年12月16日付)
続いて今週2位には、コロンビア生まれ、米ヴァージニア州出身のシンガー・ソングライター=カリ・ウチスの新作『シンシアリー,』が初登場。初動アルバム換算ユニットは62,000を獲得して、以下に続く3作目のTOP10入りを果たした。
・『レッド・ムーン・イン・ヴィーナス』(2023年/最高4位)
・『Orquídeas』(2024年/最高2位)
・『シンシアリー,』(2025年/最高2位)
62,000ユニットの内訳は、アルバム・セールスが38,000、ストリーミング換算ユニット(SEA)が24,000で、アルバム・セールス・チャートでは2位に初登場。初週のオンデマンド公式ストリーミング再生回数は3,245万回を記録して、ストリーミング・アルバム・チャートでは18位にデビューした。
『シンシアリー,』は以下のフォーマットでリリースされ、売上を後押しした。
・サイン入りエディションを含む10種類のアナログ盤
・サイン入りエディションを含む3種類のCD
・カセットテープ
・通常版のデジタル・ダウンロード
・ボーナス・トラック2曲を収録したデラックス・デジタル・ダウンロード
以下、3位から5位までは全て1位を獲得したアルバムで構成されている。
・3位(前週3位) シザ『SOS』(51,000ユニット/前週比3%減少)
・4位(前週4位) モーガン・ウォレン『ワン・シング・アット・ア・タイム』(48,000ユニット/前週比6%増加)
・5位(前週7位) ドレイク&パーティネクストドア『$ome $exy $ongs 4 U』(47,000ユニット/前週比17%増加)
『$ome $exy $ongs 4 U』は、アナログ盤のリリース効果により前週から大きくポイントが上昇した。
先週のチャートで2位にデビューしたフエルサ・レヒーダの『111XPANTIA』(43,000ユニット/前週比43%減少)は、今週6位にランクダウン。ケンドリック・ラマーの『GNX』(43,000ユニット/前週比4%減少)も5位から7位、サブリナ・カーペンター『ショート・アンド・スウィート』(40,000ユニット/前週比2%減少)も6位から8位に、それぞれ順位を下げている。
ザ・ウィークエンドの『ハリー・アップ・トゥモロウ』は、CDとアナログ盤のリリース効果を受けて前週の27位から9位に急上昇。新しいフィジカルの売上により、アルバム換算ユニットは前週から82%増加の38,000に増加した。
一方、アナログ盤リリース効果で先週1位に再浮上したバッド・バニーの『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』は、今週10位にランクダウン。アルバム換算ユニットも、前週から55%減少の38,000に大きく数字を落としている。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月21日以降掲載予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『イーヴン・イン・アーケイディア』スリープ・トークン
2位『シンシアリー,』カリ・ウチス
3位『SOS』シザ
4位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン
5位『$ome $exy $ongs 4 U』ドレイク&パーティネクストドア
6位『111XPANTIA』フエルサ・レヒーダ
7位『GNX』ケンドリック・ラマー
8位『ショート・アンド・スウィート』サブリナ・カーペンター
9位『ハリー・アップ・トゥモロウ』ザ・ウィークエンド
10位『DeBÍ TiRAR MáS FOToS』バッド・バニー
J-POP2025年5月19日
Mrs. GREEN APPLEのフロントマン、大森元貴が5月28日に3rdデジタルシングル「絵画」をリリースする。 大森がソロ楽曲をリリースするのは、2021年8月に配信された2ndデジタルEP『Midnight』以来で約4年ぶり。3 … 続きを読む
J-POP2025年5月19日
AIが、2025年2月にリリースした25周年記念ベストアルバム『25th THE BEST – ALIVE』を引っ提げ、全国ツアー【AI 25th best tour ←ALIVE→】をスタートさせた。 ツアー初日は、5月1 … 続きを読む
J-POP2025年5月19日
松下優也が、自身初のミュージカルコンサート【YUYA MATSUSHITA 1st Musical Concert 2025 MAVERICK】を7月12日によみうり大手町ホールにて開催することが決定した。 今回のミュージカルコンサ … 続きを読む
J-POP2025年5月19日
HEY-SMITHが、全国ツアー【WELCOME “TWO” CAFFEINE BOMB TOUR】の開催を発表した。 【WELCOME “TWO” CAFFEINE BOMB TOUR】は、9月17日KT Zepp Yokoham … 続きを読む
洋楽2025年5月19日
現地時間2025年5月17日、プエルトリコ出身のスーパースター、バッド・バニーが、米NBCの人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』(SNL)シーズン50の最終エピソードに音楽ゲストとして出演した。ホストは俳優のスカーレット・ヨハンソ … 続きを読む